カーネーションあらすじ 『生きる』 第75回(12月28日放送)

封筒の中には夫・小原勝の訃報を知らせる内容の手紙が入っていた。
「ほうか…」糸子はポツリと呟いた。

>とにかく食べてへんのと寝てないんと暑いんと(セミが)うるさいんと…

「姉ちゃん…いくで?」静子が勝の写真を持って呆けてる糸子に声をかけた。
「…うん」
勝の写真を持って店をでると日差しが眩しい。
>あっついなあ…

糸子達は町内を葬式行列して周った。
>なんしかモノが考えられません…

>言われるままに逃げて…
>言われるままに動いて…食べ物を届ける
>寝れるときに寝る…でも寝てられんと起きる

ある日、太郎が手紙を手に慌てて店にやってきた。
「どないしたん?」糸子は声をかける
「お母ちゃんいてますか?」
「なんや…?」八重子の声は震えていた。
そして手紙の内容を確認するとガックリと膝をつき泣き叫んでしまう。
「ああ…ああー嫌!嫌やー!」

>太郎が泰蔵兄ちゃんの訃報を知らせる手紙を持ってきた時も
>なんでかしらん涙が出ませんでした。
>気持ちっちゅうもんがどっか行ってしもたようで…
>けどこれはこれで楽や。悲しいちゅうんは辛いし、辛いはしんどい。

糸子は千代達が借りている家を訪れ千代に打ち明けた。
「昨日な神戸のおっちゃんから電話あってな…みんな無事やけど
…工場とお屋敷燃えてしもたて」
「…ほうか」
重い空気になった糸子と千代のところに優子と直子が笑顔で駆け寄ってきた。
「お母ちゃん、はい!」優子と直子は糸子の両手に花びらを乗せた。

糸子が帰り道を歩いているとどこからともなくお囃子が聞こえて来た。
だんじり祭や善作、勝、勘助、泰蔵を昨日のことのように思い出した。

― 大きな倉庫の前で木岡保男は“だんじり”を見上げていた。
ふと後ろを振り返ると自分と同じようにだんじりを見上げる糸子の姿が。
そしてそのまま糸子は大きな声をあげて泣くのだった。

― 夕方、糸子が店に着く寸前で警戒警報が聞こえたので慌てて店に戻った。
「先生これ!」昌子が糸子にずきんを渡した。
すると木之元栄作が千代達が生活している山中町が被害にあったと伝えに来る。

― 知らせを聞いた糸子は山中町の家へ駆け込む。
「優子!直子!聡子!お母ちゃん!おばあちゃん!」
「糸子ー!」全員が身を寄せ合って泣いていた。
「大丈夫や!お母ちゃん!川へ逃げるで!水ん中飛び込もう!燃やされんように!」

― 奈津と男は遠くから赤くなった空を見ていた。
「わしは何も怖くない…燃やされて困るもんやら一つもないよってな…お前もそやろ?」
男は隣に座る奈津に静かに言うが奈津は涙をこぼしてしまう。
「泣くなや…」男はポンと奈津の肩に手を置いた。


― 8月15日
>『いよいよ、もうアカンのちゃうか』ちゅうくらい暑い日の朝
電気屋の木之元栄作が真剣な顔で糸子達に通達する。
「今日、正午に重要発表があるさかい、みんなで聞けや」

正午になり糸子達は全員ラジオの前に座り注意深く耳を傾けた。
しかし、ラジオの雑音がひどくてよく聞きとれない。
すると表通りを木岡保男が大きな声で叫びながら走っていた。
「あー!!負けたんや!負けたんやて日本が!!」

「…終わったっちゅう事?」
静子や縫い子達は全員確認するため外に出て行った。

一人ラジオの前に残った糸子は、ゆっくりと立ち上がるとラジオの電源を切った。

「さあ…お昼にしようけ」
そういうと糸子は台所へ向かった。


【NHK カーネーション第75回 感想・レビュー】

今日で前編が終了で次回は1月4日からの放送となるようです。
一週間、カーネーションを観られない…辛いッス。
さて今日のカーネーションの感想ですが、もうね…映画みたいでしたね。
尾野真千子さんの呆然とした疲れた感じも素晴らしいですが、泣き方も10代の頃とは全然違うところに驚きました。
途中、お囃子が聞こえてきて、善作や勘助、それと町内の人が自分の店の開店を喜んでくれたりした過去を思い出すんですが涙出そうになりました(笑)
残念ながら奈津は2回連続登場にも一言も喋らない、しかも一緒にいるワイルドメンの正体もわからず…
あと最後の糸子の『お昼にしようけ』ってのは糸子が『勝っても負けてもどっちでもいい』って言ってたとおり、糸子にとっては、とりあえずどっちでも良かったんでしょうな。
31日に『カーネーション総集編―前編』と『カーネーション 疑問にお答えします』(関西地区は29日)が放送されるみたいです。