ラジオの内容を確認するために妹達や縫い子達が出かけたので
糸子は一人は朝食を一人で食べた。
>今日、戦争が終わりました。戦争が…終わりました。
勝と善作の写真を仏壇に糸子は飾った。
>十何年も続いた戦争が急に終わったといわれてもなあ…
>お父ちゃん、勝さん、勘助、泰蔵兄ちゃん。
「終わってんて…戦争」
勝や善作を思い出し涙を流した。
糸子は自分の部屋に行くと鏡の中の自分を見て肩を落とす。
>はあ…鏡もろくによう見ん間にエライおばちゃんになってしもたなあ…
>好きな人らはみんないなくなって…
>こんなおばちゃんになってこの先ウチになんの楽しいことあるやろ…
糸子は糸解きをとりだしむねにつけらていた名札をはがし始める
「こんなもん!金輪際、金輪際つけてやるか!!」
>いやいや・・・ちゃうちゃう!
「はあ~!」糸子はアッパッパを着て大の字になって横になった。
「あぁ…終わった…。終わったんやー!!!」
「先生!その格好!?」店に戻った昌子は2階から下りてきた糸子の格好を見て驚く。
「もう戦争はもう終わったんや」糸子はそう言うとそのまま外へ出かけていくのだった。
― 翌日、仕事を下ろしていた木岡靖が糸子を訪ねてきた。
「とりあえず一旦止めや。こさえたかてどこにも納めようないんさかいなあ」
「まあ、そらそやわなあ」糸子は頷いた。
「生地やなんかももしかして払い下げで引き取ってくれっちゅうことになるかもしれへんで。また上からなんぞ言って来よったらすぐ連絡するよってな」靖は立ち上がった。
「…けどあんた、まだそんな格好せんほうがええで」
靖は糸子の服装を注意すると小原洋裁店を後にした。
糸子は引き出しからもんぺを取り出し着替えようとするが
「いやや…けど嫌や…こんなもん着んのは嫌や!」糸子はもんぺを再びしまった。
「米軍でも何でも来るなら来いっちゅうんや!」糸子は窓から空を見上げて叫んだ。
「ただいま。今日はようさんくれました」縫い子達が大量の野菜を持って帰ってきた。
すみれの花~咲く頃~♪静子がつけたラジオから音楽が聴こえて来る。
一同はラジオの前に集まって久しぶりに聴く音楽に感動する。
「こんな曲いつぶりや…」
「軍歌ちゃう…もう軍歌ちゃうんや!」
糸子は木之元電気店を訪れた。
「おっちゃん!聴いたけ!ラジオ!ええ曲やるようになったな!(笑)」
「聴いた聴いた!当たり前や!」木之元栄作は歌を歌ってみせた。
「うれしいなあ!」
「ちょっと!糸ちゃん!はい!はい!」栄作は糸子に缶詰を渡した。
「どないしたいん!?」
「闇市!糸ちゃんな、連れてっちゃるわ!なんでも売ってんや!」
栄作が糸子を連れて訪れた市場は大賑わいで食べ物や缶詰、時計…多くのものが揃っており、糸子は目を丸くした。
市場で大量に食料などをまけて購入できた糸子と栄作は上機嫌で商店街に戻ってくる
すると木岡履物店から木岡保男の声が聞こえてきた。
「なんでや!?なんであかんんのや!」
すると店から出てきた警官が保男に忠告した。
「“だんじり”なんか曳いて騒いじゃったら米軍が何しにくるかわからへんど!」
警官の言った事に栄作も耳を疑った。
「今年もまた“だんじり”曳いたらあかんちゅうんけ!?」
「守らんかってみい!お前らまとめて逮捕やぞ!?」
そして祭の日の朝、見るだけでも見たくなって多くの人が“だんじり”がしまわれている“だんじり小屋”の前に集まった。
糸子や木之元栄作、木岡保男は“だんじり”を何も言わず見上げていた。
糸子は隣にいる娘、直子が準備運動しているのに気がついた。
「直子、あんた何してんの?」
「曳くで!」直子は糸子にやる気を見せた。
「はあ?…今年は曳かれへんやし、ちゅうかあんた女やし…」
「曳くっちゅうたら曳く!」
すると一緒にだんじりを眺めていた男性が笛を吹き始めた。
「なんでや曳いたらあかんのや!」木岡が悔しそうに言った。
「だんじりはわしらの命や…」と木之元。
「ええやないか!曳こうや!」奥中が大きな声で号令を発した。
「おう!わしら今これ曳かれへんかったらホンマ終わってしまうど!」
「曳こや!!!」
だんじりを見ていた男性達が一斉に小屋へ走った。
「走れる程の人数はいてへん!ゆっくりや!」
「おっちゃん!うちにも曳かして!」直子がだんじりを曳く綱を握ったので糸子は慌てた。
「おう!チビ!曳け曳け!(笑)」男性が直子が曳く事に賛成する。
ゆっくりと小屋から出てくる“だんじり”を糸子は見上げた。
【NHK カーネーション第76回 感想・レビュー】
あけまして、おめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いいたします。
というわけで新年一発目のカーネーションです。
そういや糸子が「朝食をたべよか」みたいな終わり方で昨年は終わったんでしたね。
紅白でカーネーションの主題歌を歌う椎名林檎さんの応援に少しだけ出てましたが、もう少し出して欲しかったですねぇ。しかもなんだか噛み合ってなかったような(笑)
それより前作の『おひさま』のヒロイン、井上真央さんを応援しにきた寺脇康文さんに対して「父(ちち)~」って(笑)
…緊張するのはわかりますが、父(ちち)は無いでしょう(笑)