カーネーション あらすじ 『まどわせないで』 第131回(3月8日放送)

「ケンカ?アホやな~里香は…
あんなお嬢さん育ちがちょっとグレただけでケンカなんか強なるわけないんや」
東京の事務所にいる直子が電話口で糸子に言った。
「昨日から御飯も食べんと部屋に籠って…泣きもわめきもせんよって余計可哀相で…」
「お母ちゃんも年取ったもんな~ヤンキーがケンカで負けて帰って来たて
アホがどアホの真似しただけのこっちゃ。甘ったれた事いうちゃったらアカンで!」

>あんな怖いオバちゃん、一体誰が生んだんでしょう…
糸子は、仏壇に手を合わせる。
「里香のケガが大した事ありませんように…どうか早目に治しちゃって下さい」
「先生。お客さんです」従業員の水野浩二が糸子のすぐ後ろで呼んだ。
「えー!!なんや!?ビックリするやないか!」糸子は驚いて飛びあがる。
「…なんべんも呼んだんですけど…」
「何で体でかいのにそんな声ちっこいねん!」

糸子が店に行くと吉岡と河瀬譲が並んで笑顔で座っていた。
「先生、こないだはホンマに失礼いたしました」吉岡がまず謝った。
「僕も親から金糸の話、なんべんも聞かされてたさかい、ついコイツに『いっぺん先生に相談してみい』ちゅうてしもたんですわ~」河瀬譲が笑顔で説明した。
「…アンタの曾祖父さんとこの子の話、一緒にしたったら曾爺さん泣くで?」
糸子は当時の在庫を抱える経緯について譲に話した。
「…アンタ(吉岡)の話はちゃうやろ?プラプラ買い付けに出かけてええかげんな契約してきてしもた…お父ちゃんに怒られるよってどないかして欲しい。
こんなけ景気ようて放っても物が売れる時代にや!?」
「僕が甘ったれてました」吉岡が申し訳なさそうに俯きながら言った。

「アンタは、まず自分の知恵絞るちゅう事覚え!ウチよりあんたの頭の中の方がよっぽど時代に向いたええ知恵、あるかもしれへんやないか?人の借りて済ますやら勿体ない事しな!」
糸子は声を少し荒げて吉岡を一喝した。
「ホンマに仰る通りなんです!…けど僕なり知恵絞って来ました」
吉岡は、そう答えると笑顔で持ってきた3束の生地を糸子に見せ自信満々に言った。
「染めてきました!」
「…ほんで?」糸子はつまらなそうに吉岡に尋ねる。
「3色になりました」
「…ほんで?」
「へ?」吉岡と譲は互いの顔を見合わせた。
「アンタ…知恵絞ったてそんなんけけ?『ほうけ~三色ようやったな』ちゅうて言うと思ったんけ!?お前、どんだけ商売なめてんじゃ!帰れ!このアホぼんが!!」
糸子は大きな声を上げると譲と吉岡を無理矢理追い返すのだった。

糸子が家の中に戻ると孝枝と浩二が譲達が持ってきた土産に驚いていた。
「ひゃー!金箔カステラやて!先生、上等なお菓子頂戴しました!」
孝枝が上機嫌に糸子に報告する。
糸子はテーブルに置いてあった“おはじき”を浩二の尻にぶつけた。
「うわ!何ですか!?」
「…今度来たらぶつけちゃるんや!」

「何でカステラに金箔貼らなあかんねん」
糸子はブツブツと文句を言いながらカステラを口に運んだ。
「…うまい!」
不機嫌だった糸子の機嫌はすっかり直ってしまう。

- 糸子は篭っている里香の部屋の戸を開けた。
「里香、金箔カステラ食べるか?…黒いとこが金やで?キランキランやで」
部屋に入ると里香は寝ていた体を起こしたので、糸子はカステラが乗った皿を渡した。
里香はゆっくりとカステラを一口かじって食べた。
「うまいか?」
里香は糸子の問いにコクリとうなづいた。
糸子が里香の髪を指ですくと里香の顔に傷が見える。
「…アンタな、言わなあかんで自分が痛いやらしんどいやらあるんやったら言わなあかん。
誰かて、ほんなん自分一人で我慢なんかでけへんねや。言うたかてかまへんねん…な?」
糸子が背中を摩りながら言うと里香の目から涙が零れ落ちるのだった。
その後、糸子は金券店の篠山や偶然通りかかった不動産屋にもカステラを配った。

― 夜、物音がしたので里香は窓を開けると紙飛行機が部屋に入ってきた。
家を出ると里香を助けて店までおぶってきた正志が友人と立っていた。
正志は里香を遊びに誘うが里香は朝が早いからと断わった。
「学校?」正志が質問する。
「ばあちゃんの手伝い」
「ふーん。まあ…ええわ。ほなな」正志とその友人は帰る
翌朝、糸子が朝食の準備をしていると里香が2階から降りてくるのだった。

― 昼、糸子と孝枝、里香は大勢の豪華な昼食の準備をしていると河瀬譲の父親が金箔カステラを持ってやってくる。
「譲がまた先生にえらい説教してもろたそうで」譲の父親が笑った。
「悪い事しました。友達のためについて来ただけやのに(笑)」
「…ありがたいことですわ。ホンマにアホ息子にしっかりして貰わん事には家内も会社が心配で成仏できんよってハハハ!」
「…こないだの一周忌はあんじょう済みましたか?」
「おかげさんで。…ホンマにあっちゅうまの一年ですわ。男一人残されてどないなると思ってましたが…今日までどないかやってきました…息子がアホでかなんちゅう以外は!(笑)」

その後、集まった初老の男性達が集まって料理や酒を楽しんでいた。
「うちの婿もアホやで~」男性の一人が上機嫌で言った。
「うっとこの息子程でもないはずや!ハハハ!」
>男の人は1人で御飯食べたらいかん
>せやさかい、奥さんに先立たれた男の人らを集めちゃあ、こんな食事会をやります

>もし、まだこの世におるんやったら、どうかあの人にもこんな場所があって欲しい…
>そない思うからです。



【NHK カーネーション第131回 感想・レビュー】

部屋に閉じこもった里香が案外あっさり復活してましたが…あれは糸子の台詞に感動したからでしょうか?それとも金箔カステラと自分を重ねた?
そんな中、正志という里香を助けた青年が謎です。
夜、遊ぼうと誘ったのもそうですが里香が寝てる部屋を知ってたことが怖い!
つーか、2階まで紙飛行機って、なかなか飛ばないんじゃ…紙飛行機の腕前凄い。
まあ、終始そんなだるい感じの展開でしたが、最後はビシッと周防さんネタで閉めてましたね。奥さんがいなくなってしまった男性達が盛り上がるのを見る糸子の目がなんとも言えず切なかったです。もしかして周防さん出てくるのかな?