カーネーション あらすじ 『まどわせないで』 第130回(3月7日放送)

「…間違えたて、どない間違えてん?」
糸子は吉岡が生地を100反仕入れた経緯を尋ねると吉岡は、“スワトー”という刺繍の入った中国の生地だと説明し出した。
父親に良い所を見せようと現地に買い付けに行って1反だけ購入したはずが、100反注文した事になっていたことを糸子に説明した。
「…で、親父に『どないかして100反さばけ、さばかんかったら勘当や』て。僕、生まれて初めてなぐられたんです!」
吉岡は信じられないというような口調で言った。
「…ほんで?…ウチにどないせえ、ちゅうねん」
「いや、ですから…なんとかして100反さばくお知恵を拝借できないかと…」
「嫌や…自分で考え」糸子は答えた。
そして金糸の生地の話、もう一度、よく聞いてくるように伝える。
「わかりました。…あの聞いたらもう一回来ていいですか?」
「あかん!」
吉岡が帰っていた後、糸子はつぶやいた。
「…言うても来んで…アホぼんやさかい」

すると孝枝が糸子を呼びに来る。
「あの先生、清川さんとこの娘さん来てるんですけど…」
糸子が店に行くと清川という女性客が笑顔で迎えた。
「先生!こないだうちのおかあちゃんのドレス、相談さしてもうたやんか?」
「喜寿のお祝いにちゅうてたやつけ?」
「…あれな、お母ちゃん、ほんなん作りたないていうてんやん」
清川は子供達でオシャレが大好きな母親のためにドレスを作ろうかと画策していたが母に断わられたと糸子に伝える。
「ハハハ(笑)たぶん採寸が嫌なんちゃうか?」
糸子は、その母親が病で太ってしまった事が原因だと指摘し、採寸をとらずとも自分なら見ただけで採寸はとれると教えた。
「ほな、いっぺん言うだけ言うてみるわ!」
清川の娘はそう言って上機嫌に店を後にした。


糸子は朝起きて、里香を起こし、居間に飾ってある写真を磨かせた。
「拭くだけとちゃうで、ちゃんと磨くんやで?」
里香は写真を面倒くさそうに磨いていたが泰蔵の写真を手にとると手が止まる
「男前やろ?」手に持っている写真が泰蔵のものと気づいた糸子は尋ねた。
チームの先輩に似てると里香は言うが糸子は、泰蔵の方が男前だと主張した。
そして泰蔵が亡くなった理由を聞いた里香は写真を見ながら呟いた。
「ふーん…もったいない」
「ホンマにな…泰蔵にいちゃんばっかり磨かんと横のヘタレもちゃんと磨いちゃってや」
里香は泰蔵の写真の横に飾ってある勘助の写真を次に磨き始めた。

― 店を開けると糸子は里香に窓拭き掃除をやらせる。
「縦縦縦横横横や!分かったか?わらったら返事や」
「分かった」里香は返事をすると黙々と窓を拭く始めた。

窓を拭く里香を見ながら糸子は優子からの話を電話で聞いていた。
「そら、ちゃんと生活のリズムが戻ったんは進歩やけど、とにかく早う高校に戻さな」
「焦りなちゅうてるやろ?」
「せやけど今の高校かて一年以上休学でけへんしな!手遅れになってまう!」
優子は苛立ちながら自分は子供に愛情を注いでいるのに何故グレてしまったのか解らないと愚痴をいうが糸子は話そっちのけで浩二の作業に指示を出していた。
「そっち行って直接里香と話しよか?」
「あかん!あの子、まだジャージしか着れへん!」
「ジャージ?何で?他のも全部送ってんのに!」
「あの子がジャージ着てる間は周りが何言うたかて一緒や!
まあちゃう服着だしたら言うちゃるよって待っとき!ほな忙しいさかい切るで」
糸子は、そのまま受話器を置いた。
「…なんやねん。ジャージて…はあ」優子はため息をついた。

>言葉が無くても服は色んな事が解る…昔ウチにそない教えてくれた人がいました
>ジャージはジャージで色々言うてる訳です。

>『うちはヤンキーです』やら『気安う話しかけんといてください』やら
>『ケンカやったらいつでも買わして貰います』やら…
>言うてしもてるんさかいそらまあ…しゃあない

ボロボロになった里香が男子学生におぶられて帰って来た。
「ちょっと!いや…里香ちゃん!どないしたん!!」
おぶられている里香の様子に孝枝が慌てる。
「何や?ケンカけ?」糸子は男子学生に尋ねた。
「はい」男子学生、神山正志は短く答えた。
ぐったりした里香を浩二が背負い孝枝と共に二階へ運びに行く。
「…あんた助けてくれたんけ?」糸子は残った神山に尋ねた。
「いや…俺は『ポリ来たど』ちゅうちゃっただけです」
「警察きたんけ?」
「ウソやけど…そういうたら絶対勝ってる方は逃げて行くんで…」
「賢い子やな…おおきに」
神山は糸子に一礼して店を出て行った。
店に一人残った糸子は里香が運ばれた二階を見ながら表情を曇らせた。


【NHK カーネーション第130回 感想・レビュー】

ひさしぶりの泰蔵兄ちゃん…糸子の説明した通り確かにイケメンです。
後にも先にもって、周防さんは糸子にとって男前ではなかったんですね。
冒頭で何かアイディアでも出すのかな?って思っていたけど、見事にバッサリと帰してしまう糸子、流石です。つーか、5分話させて返答が「嫌だ帰れ」ですからね~。
金糸の話ってどんな話だったか、あまり覚えてないので昔に書いた記事を読みました。
ふむふむ。そうか直子が産まれて苦労していた頃ですね。
第51回『いつも想う』(11月30日放送)
ああ…懐かしい。この頃は善作や夫の勝がいたんですよね~