カーネーション あらすじ 『悔いなき青春』 第124回(2月29日放送)

八重子が玉枝があと半年だと伝えた時(昭和45年7月)から日は経過して
昭和47年3月、いとこの家ではひな人形が飾られ、子供達が歌っていた。
>“年寄り”ちゅうんは病気の進行が遅いそうです。
>結局、おばちゃんは宣告の半年を遥かに超えて今日で1年と8ヶ月目
「お父ちゃんと息子が2人とも向こうで待ってくれてるちゅうことやろ?なんや何も怖い事のうなってしもた(笑)」
ちらし寿司を食べながら玉枝は嬉しそうに言うと
「いや、ホンマや!ハハハ!」千代もつられて笑った。
「おばちゃん…それ、笑てエエんかどうかわからへん…」
糸子が真剣な顔で言うが千代と玉枝は気にしない。

>まだまだウチらの知らん境地があるらしい。
>おばちゃんは、それからまた半年持ちこたえて…ある朝
布団に横たわる玉枝に糸子は手を合わせた。
「ホッとした…」
八重子は玉枝の姿を見ながら呟いた。
「うん…」それを聞いた糸子は小さくうなずく。

― 昭和47年11月、源太が直子の原宿の店に現れる。
「…直子らしい店だなあ~面白い。パリでも絶対通用するよ!」
源太は直子の店の店内を見渡しながら嬉しそうに言った。
「当ったり前や。まあ見ててみ。そのうち進出するよって。
シャンゼリゼにでも店出すさかいレセプション呼んじゃるわ!」
直子は不機嫌そうに言った。
「おう!行ぐ行ぐ!絶対行ぐ!」
源太は、そんな直子の態度にお構いなしに笑顔で応えた。
すると封筒をかかえた聡子が店に入ってくる。
「ただいま~」
「聡ちゃん!?え?今、手伝ってるの?」源太は聡子をみて目を丸くする。
「うん!」
「せやねん。お母ちゃんと交代でウチの店手伝うてくれてな」
直子が補足で源太に説明した。
「へえ~聡ちゃんまでこの道進んだんだなあ」
「まあ最初は頼んなかったけどな、この頃はだいぶようできるようなってんで」
「パリで修行したかったらいつでもウチの店で雇うよ」
「おおきに!」聡子は笑顔で礼を言った。

>聡子ができるようになったんは、ホンマの事らしくて
「…聡ちゃん、婿とらんでもなんとかなるんとちゃいますやろか?」
昌子と糸子のお茶を入れながら恵が言った。
「ホンマけ?」
「優ちゃんの店、直ちゃんの店…あっちこち手伝わされてるやないですか?
あれでだいぶ鍛えられてきたんとちゃいますか?」
「うちらが周りで助けながらやったら、なんとか店主も務まるかもしれませんわ」
「ホンマ?…ほう。ふーん」糸子は嬉しそうにほくそ笑んだ。
>いっぺん出鼻くじかれてるよって
>ウチもも『引き際を決めたるやらどうやら』ちゅうんはどうでもようなりました

― 昭和47年12月、昌子達が店のあと片付けをしている最中、糸子は店の奥で聡子が切り分けているクリスマスケーキを食べ始めた。
「あ!あかん!まだ皆揃ってないのに…」
糸子はケーキを再び口に入れると静かに聡子に尋ねてみた。
「…なあ、そろそろあんたに看板譲ろか?」
「看板?」
「うん…あんた、店主になるか?」
「お母ちゃんは?」
「ウチもな、辞めるわけちゃうけどな。一応そう言う事にしよかちゅう形の話や。
お客さんにちょっとずついうていかなかんことやし。何かが急に変わるちゃうよって…年明けからそういう事でやっていこか?」
「うん…」
「アンタがエエんやったらそんで進めんで?」
「はあ…」聡子は倒れたケーキと格闘して、いつものように生返事を繰り返した。
>聡子の返事に締まりがないんはいつものことやて
>ウチは何も気にせんと話を進めることにしました。

― 泉州繊維商業組合 組合事務所
「いよいよオハラ洋装店も代替わりか!」組合長の三浦が嬉しそうに糸子に言った。
「どうにか三番目が形になりそうで(笑)」
「よかったな、三人産んどいて(笑)」
「ホンマですわ!」
糸子は年明けに挨拶に来ると伝え笑顔で年末の挨拶を三浦にして事務所をあとにした。

― 昭和47年12月31日夜
「え?ほな来年から聡子がここの店主ちゅうこと?」
年末で帰省した直子が驚いて糸子に確認する。
「うん、そういうことやよって。一応、あんたらにも言うとくわ」
「そら、おめでとう聡子!」優子が聡子を祝福した。
「うん…」紅白歌合戦をみながら聡子は生返事を優子に返した。
「…ほな、もうウチの店も手伝うてくれへんようになるんか?」
「ほんな事もないで?別に代替わりちゅうてもそんな急に色々変えへんよって」
「ふーん、ほなええけど」
糸子の返答に直子は納得すると千代が立ち上がった。
「…あんたら、そろそろお蕎麦食べるか?」
「お母ちゃん?」糸子が心配そうに千代を見上げた。
「蕎麦はさっき食べたで」優子が千代に伝えた。
「…はれ?そうやったかいな…ほな、ええけどハハハ」
千代は気まずそうに座りなおした。
紅白歌合戦に釘付けだった聡子が口を開いた。
「けどなあ…うちなあ…ロンドン行こか思てねん」
「はあ?ロンドン?…旅行の話か?」直子が尋ねる。
「旅行やのうて…ロンドンに仕事しに行きたいんねん」
「…なんやて?」糸子の眉間にしわが寄った。
「…あんな、お母ちゃん…堪忍…ウチをロンドンに行かしてください!」
聡子は頭を下げた。
「…どういうこっちゃ?」
糸子は直子と優子の顔見るが直子と優子は何も知らないと答える。
「うん…誰にもよう相談せんかってんけどな。
うち岸和田おったら、一生姉ちゃんらの手伝い役で終わってまうと思うねん。
姉ちゃんらの売れ残りを送ってもうて、そんでどないか商売して
そんなんもええ加減、あかんて思うしな(笑)
せやさかい誰もいてへんお母ちゃんにも姉ちゃんらにも頼られへん…どっか別んとこで
一から1人でやりたいんや」

「なんでロンドン?」直子が質問をぶつけた。
「ウチ、ロンドン好きやさかい(笑)」
「ロンドンは日本語ちゃうんやで?みんな英語で喋んねんで?」優子が聡子に確認する。
「そんくらい分かってる(笑)」
「あんた、英語でけへんやん!」
「でけへんけど…どないかなるとおもう!(笑)」
「ならへんわ!!」優子と直子は同時に声を出した。
その後も聡子にロンドンなんか行かずに店を継ぐように説得する直子と優子。
「やめとき!行かしちゃろ」糸子が言った。
「あかんて!おかあちゃん、無理やて!」直子と優子が糸子に反論する。
「あんたら黙っとき!…この子はうちの店の子や。あんたらが口だす事ちゃう。
…あんたの好きにし。…ロンドン行き」
そういうと糸子はお茶を飲んだ。


【NHK カーネーション第124回 感想・レビュー】

玉枝さん、だいぶ長生きできてよかったです。
最後のシーンで朝日を浴びるシーン…若干、フランダースの犬のような感じでしたが、光が強すぎてシワが消えて、お年寄りにはまるで見えなくなってました。メイクが台無しで若返りすぎ(笑)
聡子がケーキを切るシーンで聡子がケーキを倒すのは、糸子に言われた『看板譲る話』について動揺したってことなのかな。いまいち、聡子は何を考えているか視聴者にもわからん。
そんな中、気になるのが千代の年越しソバのくだり…今まで数々の笑いを提供してくれた千代にも玉枝のような最後のシーンを用意してもらいたいものです。

カーネーション あらすじ 『悔いなき青春』 第123回(2月28日放送)

>それが誰なのか知ったんは、それから一週間後でした。
繊維組合の事務所で女性経営者達が紅茶を飲みながら談笑していた。
その輪には長女・優子も加わって話を盛り上げている。

糸子以外の経営者が帰ると糸子は事務室に座っていた組合長・三浦に北村が言っていたことについて尋ねる事にした。
「あの…組合長、誰が亡くなったんですか?」
「お?聞いてへんのけ?」三浦は意外そうな顔をした。
「こないだ北村が葬式の帰りかしらん、えらい酔っ払うて来て『しんだど』て。
ほんで誰がしんだか言わんと帰って行ったんです…」

「何じゃそれは…。そら、ホンマ堪忍やったのう…
いやな北村が『これだけは自分の口からあんたに伝えたいと言い張りよったもんさかいに
…ワシも任してもうたんや。アホか…何も知らせた事になってへんやないか!」
「…誰ですか?」糸子は再び質問をした。
「うん…周防のな…かみさんや」
「…ほうですか。…ウチも一昨年に向こうさんの支払いが終わってからは、何の繋がりも無かったよって。そら知りませんでした」糸子は呆然とした表情で言うと
「…せやけど北村は何でウチにそれをうちによう言わんかったんでしょうね?(笑)」
少し笑みを浮かべて三浦に言った。
「え?…わからんか?」三浦は驚いて糸子の顔を見るのだった。

― その日の夜、糸子は周防の姿を思い返していた。
>何回、思い出したやろ…
>一緒におった時間より思い出してる時間の方がずっと多なってしもた
「…変な相手や」糸子は再び目を閉じた。

― ある夏の日、喫茶店“太鼓”に集まっていた糸子と恵と昌子は聡子について話していた。
「せやけど聡ちゃんには、まだまだ看板任せらませんわ…客に好かれる人柄持ってるし、直ちゃんかて聡ちゃんのセンスはかなりエエ線いってるちゅてました。…ほんでも経営者っちゅうのまた別の器が要りますよってな」恵が意見を二人に述べた。
「まあな」糸子は相槌をうった。
「ウチの見立てでは一番しっかりしているのが優ちゃん。ぐっと落ちて先生と直ちゃん、ググとおって聡ちゃんですわ」
「うーん…婿とるか?」糸子は暫く考えてそう言うと
「ウチも今、そない思てました!!」昌子が興奮しながら述べた。
「…事務やら経理やらこなしてくれるような賢い婿!」
「エエですな!ほんで男前で!」
「きゃー!!ええなあ!!」昌子と糸子は黄色い声を出した。

「…あの子、ほんでも時々よう男の子、連れて来るやんか。…あれは何や?」
糸子は過去に一緒に夕食を食べた男子について昌子に尋ねた。
「たぶん聡ちゃんの彼氏の時もあれば、ただの同級生の時もありますし…御飯たかりに来ただけの子の時もあります」
「ホンマ!?あの子、アホやさかいな何でも連れて来よんやな『よう見て連れてき!』言うとかなあかんな!」
「今更!?」昌子が糸子の発言に驚いた。
>はぁ…せやけど…うちの引き際はどないなったんや
>聡子があの調子やったらまだまだ先やで、こら。

糸子が店に戻ると安岡八重子が糸子の帰りを待っていた。
八重子と糸子は店の裏手にある椅子に腰を下ろした。
「…あんな糸ちゃん…この頃、うちのお母さん急に痩せて来たよってな。
こないだ検査してもうたんや。…ほしたらあと…半年やて」
「え?」
「あと半年…」八重子は繰り返して糸子に告げる。
「…ほうか」
うつむいて泣き出す糸子の肩を八重子は摩った。

>おばちゃんが入院した病院は家から自転車で10分のとこやよって
>二日にいっぺんはオカズを詰めて夕御飯時に見舞いに行くようになりました。
「はれ!糸ちゃん、また来てくれたんけ?」
病室に糸子が入ってきたので安岡玉枝は嬉しそうに声をかけた。
「せや。ウチももうこの頃、ここに来るんが唯一の気晴らしやよってな(笑)」
糸子は病室に飾られていた豪華な二つの花に気がついた。
「それな、優ちゃんと直ちゃんが贈ってきてくれたんやし(嬉)」玉枝が笑顔で教えた。
「せやかで、デカ過ぎやがな~花でも服でも派手やったらええと思てんであの子ら」
>ウチは、おばちゃんの残りの日をなるべく明るくしたいと思いました。
>穏やかで幸せでおって欲しい…せやのに

「おばちゃん、どないしたん?」
夕方、病室でいつもの様子と違ったので糸子が尋ねた。
「…昨日、待ち合いのテレビ見てたら戦争のことやってたん…
勘助はよっぽどヒドい目に遭わされたと思てたんや。あの子はやられて、ほんであないになってしもたやて…」玉枝はゆっくりと息子勘助について語り始めた。
「…けど、ちゃうかったんや…。あの子はやったんやな。あの子が…やったんや」
それを聞いた糸子は涙を流し、玉枝はそっと糸子の頭を撫でた。
夕暮れの病室に日暮しの声が響いた。


【NHK カーネーション第123回 感想・レビュー】

亡くなったのは、てっきり周防さんかと思っていましたが…奥様でしたか。
オープニングで周防(回想)とかあったので確信したんですが…
それにしても、今日は凄い回でした。
以前、勘助が「俺には糸やんに会う資格がない」とか言ってたことが引っかかっていたんですよね。なるほど、なるほど。
玉枝が呆然と糸子に勘助についてどういう気持ちで語っているのか、また糸子が号泣する理由が深すぎて解りませんが、夕方の病室に鳴り響く日暮の声がとても印象的でした。
なんかエヴァンゲリオンを思い出しました。

カーネーション あらすじ 『悔いなき青春』 第122回(2月27日放送)

>昭和45年(1970)4月、直子が結婚しました。
ウェディングドレスを着た直子と新郎を会場は盛大な拍手で迎える。
会場(直子の店)には大勢の人間が参加していた。
>今やサイケの女王オハラナオコ
>その結婚ちゅうたらそれなりの記事になるらしい。
「お久しぶりです。お母ちゃん。おめでとうございます」
2人のスーツを着た青年が糸子に話しかけてきた。
「…あれ?吉村君と…小沢君。アンタら、えらい立派になったんやってなあ」
「いえいえ」糸子が褒めると吉村が謙遜した
「アンタらも自分の店やってんやろ?忙しいトコ来てくれたん?
「我らが直子の結婚披露パーティですから(笑)」
「源太も来れたらよかったんですけど…聴きましたか?源太のこと」

翌朝、『斉藤源太氏、日本人として初めてパリコレクションに参加』と書かれていた新聞の記事に糸子は驚く。
「アンタら、これ見たか?源太載ってんで!?」
「見た!ごっついなあ~源ちゃん!」掃き掃除をしていた聡子が答えた。
「けったくそわるい…何もウチの結婚披露パーティの次の日に載らんでもええやろ。
『お前は結婚パーティで喜んどれ、おらはパリコレで喜んどるぞ』て言われてるみたいや」
直子が面白くなさそうに言った。
「ひがみな!友達がこない立派に成功したのに…素直に喜んだらかいな!」
「喜べるか!あんなジャガイモに先越されて!
見てろよ…ウチかて、いつか絶対パリコレやったるからな!」

― 直子が2年前に原宿にオープンさしたプレタの店は話題性は抜群で評判も上々で派手に儲かってるようだったが内情はボロボロだった。
「…あれ?ここで買ったこの生地は?」帳簿に驚いた糸子は大輔に尋ねた。
「…それは買ったものの気に食わなくて…使わなかったみたいです」
「あのウスラボケ…大輔さん!これからはウチの代わりに仕切っちゃてな!
…デザイナーとしてはどうかしらんけど経営者としては赤ん坊以下やさかいな」
「はい」大輔が糸子の懇願に返答した。
>サイケ、ヒッピー、モッズルック…この頃のモードはオシャレちゅうより仮装です

「ジョニーよ!!」一人の青年が店に現れると店にいた女性客が色めき立った。
ジョニーと呼ばれた青年は靴を脱いで店の奥の部屋でくつろいでいると直子が血相を変えてやってきた。
「ちょっとなんで脱いでんのよ!今から丈、見るんだから!」
「なあ、もういいんじゃないの?背低いのバレても…音楽だけで勝負できると思うだけど」
ジョニーは面倒くさそうに後ろに立つマネージャーの男に質問した。
「…あと三年後の話」マネージャーの男が冷静に返答した。

― その頃、店では新進女優の白川ナナコが糸子の前で涙を流しながら思いを語っていた。
「一流の女優になって親孝行したいんです!どんなに恥ずかしくたってそれで有名になれるんなら、何だってやってやろうって思ってるの!」
「…ほうか偉いな~」
「えーん(泣)おかあちゃん!私間違ってないかしら?」
「何も間違うてへん。自信もってやり!いざっちゅう時は岸和田来たら雇っちゃるさかい」

糸子に白川が抱きついて泣いていると奥の部屋からジョニーが現れる。
「あれ?お母ちゃん来てたの?…そっか!直子の結婚式で?」ジョニーは糸子を見て言った。「久しぶりやな~アンタまた背高なったか?」
「見てよ~今度は15cmだぜ?勘弁して欲しいよ」糸子に踵が高い靴を見せた。
「ジョニー行くぞ」時間がないジョニーをマネージャーが急かした。
「じゃあね、おかあちゃん…と、だれ君?」糸子の隣座っていたナナコに気づいた。
「白川ナナコ」立ち上がるとにっこりと笑顔で自己紹介した。
「お母ちゃんとナナコ、じゃあね」ジョニーはそう言うと颯爽と店を出ていった。

岸和田に戻った糸子が恵に直子の帳簿を見てもらっていると店に荷物が届いた。
>月末になったら優子と直子の売れ残りが届きます。
>オートチュクールの優子の店からは生地束、プレタの直子の店からは商品。
「…うーん、6,000円!」糸子は直子の商品を見て険しい顔で言った。
「へ?けど、これ1万8千円て書いてあるで?」
一緒に荷物を整理していた聡子が目を丸くした。
「売れるか!岸和田のお客ちゅううんは東京みたいに甘いことないで?」
>姉ちゃんらの服を売るのは聡子の仕事。これが若いお客さんにえらい人気でした。

聡子は店頭で直子の服を若い女性客に勧めていた。
直子の服が気に入った客に聡子が値段を耳打ちした。
「一万円!?安ぅ!!」
直子の服に対する女性客の反応を見ていた糸子は首をかしげのだった。
>この商売、いつまでたっても難しいもんです。

― 夜、糸子達がテレビを観ていると裏手から戸を叩く音が聞こえる。
糸子が出ると暗い顔をした北村が立っていた。
「何や?どないしてん?」糸子は声をかけた。
「…しんだど」
「え?誰が?」
北村は糸子の質問に答えず長いすに座った。
「まあ、北村さん!いらっしゃい。こんなとこ座らんとどうぞ上がって下さい」
千代も家から出てくる。
「…今日は帰ります…お邪魔しました」
北村は一礼するとそのまま寂しそうに帰っていってしまう。


【NHK カーネーション第122回 感想・レビュー】

ジョニーってやっぱりジュリー(沢田研二)の事ですよね?
白川ナナコは、研ナオコだと思ったんですが…違ったみたい。白川和子という女優さんだったという噂です。直子の結婚式にはアラーキーらしき人物も出てました(笑)
いつの間にか直子は芸能人でもご用達の有名デザイナーになり、糸子も皆から『お母ちゃん』と呼ばれる存在に。なんか『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』のような…
とにかく新キャラのジョニーとナナコは、直子の店での出会いをキッカケに…みたいな事なのでしょうか。また出てそう(笑)
ほっしゃん、誰の事を言っていたかわかりませんが…三浦組合長?それとも周防さん?
うーん、明日が気になる…。

カーネーション あらすじ 『鮮やかな態度』 第121回(2月25日放送)

昭和40年3月、隣で靴屋を営でいる木岡美代が糸子を訪ねて店にやって来た。
「糸ちゃん、忙しいとこ悪いな。…あんな『アイビー』って分かるけ?…なんや最近若い男の子らがな、『アイビーの何ちゃらって靴置いてるか?』言うてよう聞きにくるんやし」
「ああ、ローファーちゅうヤツちゃうけ?」
そう言って糸子は、木岡美代にファッション誌を見せた。
「この靴がローファーでアイビーちゅうんはこの格好の名前や」
「…格好に名前があるんかいな」美代は糸子の説明に驚く。
>昭和40年、木岡のおばちゃんが聞きに来るくらいアイビーはこの頃大流行です。
>さぞかし北村は景気ええやろ思たら

― 心斎橋の優子の店
優子がスタッフと開店準備をしている横で北村は糸子にぼやいた。
「あのままアイビーやっちゃあったらよ、今頃もっと儲かっちゃったのに…」
「あんたアイビーやっとんたんちゃうんけ?」糸子は目をパチクリさせた。
「…やっちゃあるよ。せやけど半分だけや。あとの半分は例のデザイナー育成計画につぎ込んでよ~損こいたさかいチャラなってもうた…」
「アホやなあ…しょうもない欲かくからやろ?」
「これからやど…つぎ込んだ分は元取れんかったけど、期待の星、そこおるがな!」
北村は優子をみて不敵な笑みを浮かべた。。
「…まずはオートクチュールできっちり実績積んでやな!『小原優子』ちゅう名前が一流デザイナーとして売れる様になったらそこが勝負や!
やったんど~プレタポルテ!「ユウコ・オハラ・コレクション』言うてよ!」
北村は嬉しそうに立ち上がって両手を高く突き上げた。

>毎度、北村の話はおもろいけど…
「現実味がないよってな。アホらしいて聞いてられんわ」
― オハラ洋装店での休憩中、糸子はお茶を入れながら昌子と恵に話した。
糸子の話に昌子はうなずくが恵は疑問をなげかけた。
「いや、せやけど…そないに現実味のない話でもないんとちゃいますやろか?」
「エ?」昌子と糸子が意外そうな顔をして恵を見た。
「優ちゃんかて直ちゃんかて、そこで見てたら何や頼りないかもしれませんけど…最年少で装麗賞取ったり、東京の百貨店で人気店はったり…あれかてほんまの事なんですよ?
もっと信用してあげはってもええんとちゃいますやろか」
「…けど、よう信じんわ。あんな“いけず”と“いこじ”そんなたいしたもんちゃうで?
…ほんでな一番下が…アホ。ハハハハ(笑)」糸子が笑った。
「“いけず”と“いこじ”と…アホ!ハハハハ!こら、よろしいわ!(笑)」
昌子と恵は糸子につられて笑っているところに聡子がデザイン画を持ってやってきた。
「お母ちゃん、村山さんのデザイン描けたんやけど…」
聡子が持って来たデザイン画には短いスカートの服が描かれていた。
「また!?」糸子は丈を短くして客を怒らせたことを指摘するが、それでも短くしたいと聡子伝えた。
「まあ…デザインちゅうんはどれが正解てないよってな…あんたがこない短したいんちゅうやったら短てもええんかもしらんけど…」
>ほんな事はなんぼ考えてもわからんよってお客さんに聞いてみる事にしました。

店に訪れた女性客の村山は聡子のデザインを見るとスカートの丈がちょっと短すぎると指摘して、困惑の表情を浮かべた。その様子を後ろで見ていた糸子が村山に迫った。
「ほんでも!その短すぎるちゅうんは恥ずかしいちゅう事?」
「あ…うん、そうです…」
「恥ずかしいのは嫌やけど、ホンマはこんなん、はいてみたい思てる?」
「…あ…ホンマは思てます」村山は照れくさそうに答えた。
「ホンマ!?ホンマは脚やら膝出して歩きたい思てるちゅうこと!?」
糸子は思わず声が大きくなる。
「シィー!!!」糸子が大きな声をだしたので村山は慌てた。
>はあ~!!せやったんや!

― 糸子は続いて心斎橋でクラブを営むサエに尋ねてみる事にした。
「そら女ちゅうんは自分の綺麗な所はできるだけ見せたいもんやさかい当たり前やんか」
「はあ…」サエの回答に糸子は頷く。
「ウチかて糸ちゃんに初めてこさえてもろたイブニングドレス…あれ背中がシャーって開いてたやんか?あれ着れた時嬉しかったよってなあ…『ひゃ~こんなに背中見せてええもんなんや』て思た。出したいとこ出してもろたで~てごっつ嬉しかったで~」
>短いスカート…短いスカート…ほんなけ若い子内心はきたがってるとしたら…

― 優子の心斎橋の店では、開店を祝うパーティが催され続々と客が現れる。
「あんたな。短いスカートこさえ」糸子は北村をつかまえると伝えた。
「はあ?」
「明日から、すぐ始め!こさえられるだけこさえ!騙された思てな…中途半端に短いのはあかんで?ごっついごっつい短いやつや!絶対売れる!」糸子は北村を凄みのある顔で迫った。

― パーティの終了後、北村は聡子が着た丈の短いスカートに驚く。
「な…なんじゃこりゃ!!おい!!」
「この丈や」糸子は聡子のスカートを指した。
「いや…この!!もうええ!着替え!」北村は聡子の脚をまともに見れずに混乱する。
「パリでは『ミニ・ジュップ』ちゅうんや、短いスカートの事。
春のパリコレでクレージュが発表したんや源太が言うちゃあた。『冬までシャネル着てた女の子らが春に一斉に変わった。見事にみんなこの丈はいちゃあった』て」
派手な服装でパーティに参列していた直子が北村に説明した。
「…恐ろしい事やけどな…時代が変わった。…これからな、日本の女の子らは脚出すで、出しまくるで…嫁に行けんかて…いや、そもそも嫁になんか行かんでエエんや…」
「なんじゃ!お前怖い言い方すんなよ~」北村は肘で糸子をこずいた。
「正直、ウチもちょっと怖い…見たこともない時代がくるんやさかいな。
けどな…これだけは確かや!…短いスカートは流行る!」糸子が力強く言うと
聡子、直子、優子とで北村を取り囲んで催眠術のように言葉を発した。
「こさえ…こさえ…こさえ…こさえ…」

― 昭和41年(1966)4月、若い女性達が短いスカートをはいて歩く様になっていた。
「どないや?儲かったけ?」喫茶店“太鼓”で糸子は嬉しそうに北村に尋ねた。
「儲かったわい!おかげさんで…ぼろ儲けや」北村は不満そうに答える。
「…何やうれしないんけ?」
「嬉しいけどよ…歩きにくくてしゃあないど!」
「ヒヒヒヒ!困っとる困っとるおっさんが!(笑)」

「時代は、どんどん変わってやんで。女の子は脚出してええ…オヤジに怒られたてかめへん。嫁に行かれへんかてかめへん!…そういう時代やねん…さっさと頭きりかえな取り残されてしまうで?」糸子が短いスカートの流行を嫌がる北村に説明した。
パリン!!糸子達の席の横を通った女性客が北村が落としたサングラスを踏んでしまった。
「あ~!!あ~!!!」
>昭和41年、若い女の子の脚が北村の時代を踏みつぶして行きました。


【NHK カーネーション第121回 感想・レビュー】

久しぶりに木岡のおっちゃんの奥さん(木岡美代)が出てきましたね。
糸子にアイビーの靴がローファーと聞いて早速、最後の方のシーンで店の前に『大流行!ローファーあります』って(笑)
娘達の成長と共に時代の流れを読む糸子、なんだか痛快な内容でした。今日は笑えるシーンが多かったように思えます。
ほっしゃんが糸子と3姉妹に囲まれて「こさえ~こさえ~」と言われて脅える所や糸子が途中で3姉妹について昌子と恵に言っていた例えも笑えました。(優子:イケズ→意地悪・優しくない/直子:意固地→素直ではない/聡子:アホ→賢くない)
予告にも映ってましたが、来週、主役交代のようで、なんだか少しだけ寂しい気持ちがします。

カーネーション あらすじ 『鮮やかな態度』 第120回(2月24日放送)

「勝手を言うようなんですけど…うちを独立させてください」優子はゆっくりと述べた。
「…どういうこっちゃ?」糸子の眉間にしわが寄る。

「心斎橋で自分の店を始めたいんです。おっちゃんが持ってる店舗物件です。
こないだ実際に見してもらいました…ホンマに良い所で成功させれるて思いました」
「…資金はどないすんねん?」
「それもおっちゃんに融資してもらうっちゅう事で算段がつきました」
すると優子の横にいた北村が慌てて説明しはじめた。
「優子がデザイナーとして成長してくれたらワイも将来ライセンス契約をしてプレタができるかもしれん…その可能性を見込んだっちゅうこっちゃ。情に流されているわけちゃうど?
これはあくまで商売人として受けた話や」言い訳する北村の横で優子は更に続けた。
「…勝手を言ってるのはわかってます。けど、この店はまだまだお母ちゃんかて現役やし、聡子もいてる。逆にウチがいてる事で、お互いやりにくいとこも出てくると思うんやし。
昌ちゃんや恵さんに気ぃ使わす様になるかもしれへんし」

「せやから、うちは…もう…あんたに看板譲るつもりで準備しちゃあたのに…」
糸子の台詞に優子が驚く。
「昌ちゃんと恵さんには、こないだ話して了解してもうたよって…あんたらには大晦日に直子が帰ってきて、皆で集まってからちゃんと話そうと思っちゃあのに。
…よう台無しにしてくれたな!」糸子は北村を睨んだ。
「ワ…ワイのせいか?」糸子の視線に北村はおびえる。
「ごめんなさいお母ちゃん!おっちゃんは悪ない…ウチが言い出した事です!」
「先生は、優ちゃんに看板を譲るつもりでいてるんやで。優ちゃんにこの店任せて自分はそれを手伝うつもりでいるて…うちらにもそう言うたんやで」
松田恵が優子に先日の喫茶店での糸子との話を打ち明けた。
「ほんでもその心斎橋の店、やりたいちゅうんか?」昌子が優しく問いかける。
「はい」優子はゆっくりと返答した。
「…正直に言わしてもらいます。東京で店一軒流行らせられるだけの力つけて帰って来ました。そしたら、そのウチはもう岸和田のこの店にはようおらんのです。うちがやりたい事はここにおったかて、半分もでけへんちゅうちゅうことはよう分かってる。毎日その悔しさを我慢してここにおったかてそれは生きながらしんだようなもんや…そんなんやっぱり…」
「わかった!…分かった。…もうわかった」糸子は優子の言葉を遮った
そして鼻で笑うと『…好きにしいや』と言い残して家を出て行った。

― 別室で子供・里恵の面倒をみてもらっていた千代の部屋に優子が訪れる。
「おおきに、おばあちゃん」
「案外、静かやったな~どんなけ荒れるやろおモテたけど…どないした?あれあれ」
優子が千代の前で泣いてしまう。

― その頃、糸子も安田美容室で玉枝と八重子の前で泣いていた。
「…物件に負けた。…うちの看板は北村の物件に負けたんや!
『命より大事な看板を譲ったる』ちゅうてんのにやな…優子のアホがな『そんなもんいらん、北村の物件のがええ』て言いよったんや!(泣)」糸子は2人の前で大泣きする。
「せやけどな、優ちゃんもそんなつもりとちゃうと思うで」
八重子は糸子の背中をさすりながら慰めた。
「何が心斎橋や!何が物件や!北村のボケ!優子のアホ!」

― 次の日、糸子は路地から自分の店の看板を見上げた。
>寂しい…むなしい…昌ちゃんと恵さんにかてあない格好つけたのに…不細工な
糸子は、店の外から優子を呼び出して家の裏へ連れて行った。
「あんたもう帰り、あんたの顔、見ちゃあったらホンマ気ぃ悪い。仕事の邪魔や
…その、心斎橋の物件、もう押さえてしもてんやろ?」
「はい」
「ほな、とっとと先進め。いつからその店やる気かしらんけどな準備ちゅうんは片手間でできるもんちゃうんや。やるんやったらそっち集中し。
うっとこはアンタなんかおらんかて、どないでもなるんやさかいな!」
糸子はそう言い残し店に足早に戻っていった。
「おおきにお母ちゃん!」優子は店に戻る糸子に頭を下げた。

>よっしゃ!不細工なりにどないかけじめつけられたで。
>娘の独立見届けたでお父ちゃん…
>ちゅうて思ちゃったのに…この娘の独立の中途半端な事

優子に頼まれ、糸子は優子の店の内装工事を施工している業者に直談判していた。
「でけん事はでけんいうとんじゃ!」強面の現場監督は糸子の頼みを断わった。
すると丁寧に頼み込んでいた糸子の表情が一変する。
「…はあ?でけんちゃうやろぉ!?一旦引き受けた仕事ならな、最後まできっちりやらんかいな!」糸子の凄みに押された現場監督は注文を飲み込む事にした。
「おおきにお母ちゃん!助かった!」優子は嬉しそうに糸子に駆け寄る。
「あんたもな…こんくらい自分で言える様にならな、女店主なんか務まらんで!」
>まあ、ほんでもちょっとホットしているんもホンマでした。
>次のんに譲るんはまだまだ時間あるやろ…
>ありがたい事にまだそれまでこの看板はうちのもんです。
店に戻った糸子は接客をしていた聡子を眺めながら思うのだった。

― 昭和40年元旦
亘を千代と糸子が見送りに出たので部屋には優子、直子と聡子の3人だけになった。

優子「あんたどうなん?あれから、店」
直子「関係ないやろ」
優子「売り上げ、悪いんけ?
直子「いや関係ないやろ」
優子「アンタの名前だけは売れてるんやさかい、どないか頑張ってやっていきや…そのうち理解してくれる人かてもっと増えていくやろしな」
直子「どうでもええ…うち、店辞めるんや。年明けに。辞めてパリ行ったねん!
優子「パリ?」
直子「去年の暮れに源太も行ってまいよった。ウチも今のパリを見ておきたいしな」
優子「何?あんたわけわからへんこと言うてるんや?あんだけウチに自分の力だけで店やりたいやらタンカきっといて、その様け!何がパリや!どんだけ中途半端なんや!」
直子「姉ちゃんこそ、この店継ぐちゅうちゃあたんちゃうんか!何をほったらかして自分の店やるとか言うてんよ!しかもあの物件、ウチが持って来た話ちゃうんか!」
優子「うっさい!アンタに関係ないやろ!」ミカンの皮を投げつけた。
直子「こっちのセリフじゃ!」

糸子と千代が戻ろうとすると直子が入れ違いに出て行き、部屋では優子が泣いてた。
聡子は楽しそうにテレビを寝ながら観ている。
「あ~あ~アンタら、年なんぼや」糸子は大泣きしている優子に声をかけた。
「ウチが21歳やさかい、お姉ちゃんは28!」テレビをみている聡子が答える。
「まだ27!!」優子が泣きながら訂正した。
「ええ年して揃いも揃ってアホ娘が」
糸子は散らかった部屋を片付けるように聡子に言った。


【NHK カーネーション第120回 感想・レビュー】

優子が冒頭から最後まで泣くシーンばかりの回。
まさか、また直子に泣かされるとは…しかもまたミカンの皮の投げあいで(笑)
それにしても優子、うまいこと直子の物件を利用するとは、なかなかです。
『東京で店一件流行らせた』のも直子の店だったし、なんだかんだ言っても上手に直子を利用したような結果になってますね。そら、直子も泣かしますよ。
結構、今日の回をみて優子が嫌いになった人が多い気がします。
逆に2人のケンカが始まった時にテレビのボリュームをあげる聡子の人気があがったのではないかな?

カーネーション あらすじ 『鮮やかな態度』 第119回(2月23日放送)

昭和39年11月、糸子は外から自分の店の看板を見上げて昔を思い返していた。
>ウチん時は寒い日に仕事から帰ってみたら看板が消えちゃあた。
>ほんで店に入ってみたら…
「…ほんで家の中もガラーンしちゃあて…ほしたら、おばあちゃんが…」
ブツブツと言いながら家の中を歩く糸子を昌子や千代達は心配した表情で見守る。

「エエなぁ…お父ちゃん、あんな格好エエ事できて」糸子は善作の写真を見上げた。
>今のウチは、ああいう訳には、いかん。
>ウチが雇うて来た従業員がおる。つきおうて来たお客さんがおる。
>責任も義理も山ほどある。あないバッサリはいかん、店のためにも優子の為にも…
>やっぱし、もっとこう…ぼちぼちと…丸う丸う
「あ~しょうもな!」糸子は大きくため息をついた。

― 東京の直子の店、従業員が優子に直子の伝言を伝える。
「直子さんが優子さんのアパートに寄って良いかって聞いてます」
「…いいわよ…9時くらいならって言っといて」優子は隣の部屋に直子を見て答えた。
従業員は直子に優子からの伝言を伝え、他の従業員と小声で話した。
「2人で話せばいいのにね…」「最近、ますます険悪だからねあの2人…」

― 夜、帰宅した優子が里恵を寝かしつけていると北村と直子がやってくる。
「どないしたん?東京来てたん!?」突然の北村の訪問に優子は驚いた。
「おうよ!展示会あってよ~言うてなかったんけ?」北村は後にいる直子をみた。

直子と優子は北村が買ってきたシュウマイを食べながら引越しした話などをしていた。
すると、いきなり直子が
「…ウチ、店辞める。店辞めて、心斎橋で新しい店やる!」と言った。
「なに言うや…急に」
「おっちゃんがな、心斎橋のごっついエエ物件を紹介してくれたんや…
家賃と面積はそこそこやけど立地が抜群や。新しい店やんのにもってこいの場所や」
「なに勝手な事言うてんや!今の店どないすんねん!」優子は声をあらげた。
「せやから辞めるちゅうてんやろ!?」
「ようそんな無責任なことを言えんな!お客さんやら従業員どないすんねん!」
バン!!直子はテーブルを叩いた。
「アンタがやったらエエんじゃ!…アンタの売り上げのんがウチより十分高いんや。あんた一人でもやっていけるやろ!」
「そもそもウチはただのあんたの手伝いやんか。そらウチの方が売り上げ高いちゅうたかて
店におらなあかんのはアンタのちゃうんけ!!」優子もテーブルを叩いた。
「…落ち着けよ」北村が興奮する2人に言う。

「知らん…あんな店…ウチはもうどうでもええ」
直子の目から大粒の涙が溢れ出た。
「アンタが目障りなんや…アンタのおらん所で自分の力だけで店やりたい」
しばらく間をおいて優子が答えた。
「…わかった。ウチが店、辞める。ほんでええやろ」
>そないして優子は東京の店を辞め岸和田の店に帰って来ました。
「帰りました」オハラ洋装店に戻った優子は笑顔で挨拶をした。
>あ、ここやな。・・・ここがウチの引き際や。
帰って来た優子をみて糸子は決心した。

― 喫茶店で昌子と松田は糸子の話す内容に驚いた。
「看板を譲る?…優ちゃんを店の頭にするちゅうことですか?」
「せや」糸子は驚く二人に笑顔でうなずいた。
「ほな先生はどないしはるんですか?
「いや、けど別にウチかて辞めるわけちゃう。これまでどおり店に出て仕事すんで。
けど…オハラの看板はあの子のもんや。大きい事はこれから全部あの子が決める。
ウチはそれを助ける役に回るちゅうこっちゃ…東京と行き来してる間にあの子ももう一丁前や…一丁前どころか働き手とたら相当デカなってまいよった。一軒の店にウチとあれが一緒におってみ、あんたら仕事しにくいで?」
「まだ早いんとちゃいますか?先生がそんなん言うの嫌です」
「もうちょっと、このままでもねえ」
「おおきに」糸子は2人が引き止める事に頭を下げた。
「…せやけど“だんじり”かて、あない役はどんどん替わるやろ?
どんなけ寂しいても、誰も文句言わんとドンドン次に渡して行く。
…格好ええやないか。あんなんが」糸子は嬉しそうに笑った。

― 安岡美容室で髪を切っていた八重子が泣き出してしまう。
「…何で?」糸子は八重子に尋ねた。
「堪忍な…ウチが泣く事ちゃうんやけどな。
糸ちゃんが21で看板あげてから全部みてきたよってなあ…(泣)」
「別にオハラ洋装店の看板を下ろす訳とちゃうよって…何も変われへんよ…何も…」

― 家に帰宅する頃にはすっかり辺りは暗くなっていた。
家の前についた糸子がオハラ洋装店の看板を見上げると涙がこぼれた。

糸子が家に入ると北村が皆と一緒にケーキを食べていた。
「なんや来てたんけ…聡子、お茶頂戴」
糸子が腰を下ろすと優子が真剣な顔で口を開いた。
「あんな、お母ちゃん…話があんねんけど…ええ?」
優子と北村の表情に糸子は構えた。


【NHK カーネーション第119回 感想・レビュー】

知らないうちに直子と優子が険悪なムードになっていたとは…。
直子が優子の前で自分の店の事を『知らん』って言って泣いたシーン、ちょっとジ~ンってきました。優子もそういう『素直ではない直子』をみて、身をひく決心をするあたり大人。
糸子が店を譲るにあたり気にしていた『お客』『従業員』の事もちゃんと考えていましたし、ドラマ的には優子は既に糸子に劣らない商売人になったということでしょうか。
そんな中、糸子が店を譲る心の準備をしてるのがまたホロってきます。
昌子と松田に胸のうちを明かしますが、引き止める二人の後ろで木之元のおっちゃんが寂しそうな顔をしてます。
善作が看板を譲る際に行った宴会を思い出してたんでしょうかね?

カーネーション あらすじ 『鮮やかな態度』 第118回(2月22日放送)

昭和39年9月 オハラ洋装店
「あの…どないでしょうか?」聡子は試着室にむかって声をかけた。
「あんた!どうゆうつもりやの!?こんなハレンチな服着れるわけないやろ!」
試着室から出て来た鳥山は聡子に向かって服を投げつけた。
「…ちょっと待って下さい!そらあんまりです!」
慌てて糸子は店の出口に急ぐ鳥山を引き止める。
「文句言いたいんやったらアンタ着てみ?あんな短いスカート膝丸出しやないの!」
「まあ、とりあえず座って下さい」
しかし、鳥山の怒りは収まらず『金輪際、店には来ない』と吐き捨て帰っていた。
「…『もう…来ん!』ちゅうた?」鳥山を見送った糸子が昌子と松田に確認した。
「…言いました」昌子が答える。
「やった!もう来えへえん!やったー!」

「ちゃんと鳥山さんに確認したんやろ?『こういうデザインにします』て」
糸子は泣いている聡子に確認した。
「うん…『あんたが思う通りにやってくれたらそんでええ』ちゅうてくれた」
聡子が鳥山に作った服を糸子は自分に体にあてた。
「まあ…ほんでも流石にこない短かったら着てみてビックリするかもしれへんなあ」
「ハレンチって言われた~」
「まあ脚でも腕でも出した事無いとこ出すちゅうんは恥ずかしいもんやさかいなあ…
丈はそこが難しいとこなんや。…勉強さしてもうたと思い」
糸子はそう伝えると聡子の部屋を出た。
「…どないや?」聡子の部屋の外で様子を伺っていた千代が糸子に尋ねた。
「心配いらん。大丈夫や。明日から祭やし」

― 昭和39年9月14日、祭当日
皆と一緒に“だんじり”を見る聡子の明るい表情を見て糸子は安心した。
>相変わらず祭りの日は朝から大忙しで入れ代わりでやってくるお客さんや
>一日居座る酔っぱらいの為にとにかく作っちゃ出す…失敗しても出す

「どやろ?」聡子が帰省していた直子に作った服を見せた。
「ええやん!アンタ、なかなかやるな」直子が褒めた。
「お客さんからは『ハレンチ』て言われてしもうたんやけどな…」
「ほんでエエねん。デザイナーがええ子ちゃんでどないすんねん」
続いて直子は丈を短くするアイディアについて聡子に尋ねた。
「うん、ロンドンの女の子らが今こんなん履いてんやし。ビートルズの記事とかみとったらなファンの子らとかよう写真に写っとるやんか?その子らが必ずこの丈履いてんやんか。
それがごっつ格好ええねん!…けど『そらロンドンの女の子やから似合うもんなんやで』お母ちゃんは言うちゃあた」
「あんたがロンドン風好きやったらひたすらロンドン風作っちゃあたらエエねん!そしたら勝手にロンドン風の客が集まって来る様になるんや」
「ほうなん?」
「お母ちゃんも姉ちゃんも客に媚売り過ぎなんや。あんなん聞いちゃあたらアカンで!」

― 夜、木之元と木岡が酔い潰れてる横で北村は糸子、直子と聡子に話をしていた。
>北村の一流デザイナー育成計画は案の定、挫折したそうです。
「すぐに一流育てれる思えへんかってけどボンクラばっか集まる思てへんかったわ」
北村が愚痴をこぼした。
「ほれみたことけ!せやから言うたやろ『そんな簡単ちゃう』ちゅうて」糸子が言った。
「『ほれ見た事か』これから人生、そればっかりで生きて行くつもりやろ?…簡単やないちゅうのは分かってちゃあんねん!せやけど、やらな分からへんやんけ!」

北村は最近不動産にも手を出し始めた事を話し始め、心斎橋の良い所に空き店舗があり糸子に買わないかと持ちかけた。その話に直子も糸子に買った方が儲かると薦めてきた。
しかし、その話を聞いた糸子は
「要ーらーん!アンタ、いつからそんな猿知恵働かせる様になったんや!」
そして楽して儲ける事ばっかり考えていたら北村の様に潰れると直子に注意した。

>こないして見ると毎年同じ繰り返しのようで祭もずいぶん変わりました。
>曳き手も町ごとにそろいの法被を着る様になって
>女の子もみんな当たり前の顔してだんじり曳いてます。
糸子は店の通りに出した長椅子に座って町の様子を見ていると隣に北村も座ってきた。
「あのよ…ずっと前から聞きたかったんやけどよ…」北村は硬い表情で話し始めた。
「なんや?」
お前よう…ワイ……………こ…この前、ごっつい安い絹買うたんやしよ!
偽物ちゃうかな~思てん、お前どう思う?」
「はあ?」
糸子は絹を火にあてると混ざったものだけロウソクで溶けると説明した。
北村の出した生地をロウソクにあてると生地はみるみる溶け出した。
「『正絹』言うたぞ!おっさん!」

― 翌朝、東京へ向かう支度をした直子は起きたばかりの北村に話しかけた。
「せやせや!昨日の話。心斎橋に秋物件あるちゅうちゃあたやろ?]
「あぁ…」寝てるところを直子に踏まれて起され、まだボーっとしている北村。
「あれな…もうちょっと置いといてくれへん?お母ちゃんには内緒で」
そういい残すと直子は慌しく家を出ていった。

「あーあ…もう行ってもうた…だんじりか…」
糸子は直子を見送ろうとするが、すでに直子は家を出て行った後だった。
「…何、にやけてんや?」糸子は一人でニヤニヤしている北村に気がついた。
「いやいやいや~何やろな~思てな(笑)」
「気色悪いな~」糸子はそう言ってわざと北村の脚を踏んだ。
「痛っ!お前!!」
すると千代が北村に話しかけてくる。
「北村さん、目玉焼きと卵焼きどっちにしましょ?」
「いや、もうそんな構わんといてください」
「どっちか?」
「ほんなら絶対目玉焼き!」
>祭りが終わったらまた普通の日ぃが始まります。


【NHK カーネーション第118回 感想・レビュー】

鳥山さんの行動は優子がされた時と同じ結果になってしまいました。
まあ、それはいいとして…最初の泣きシーンはどうなんでしょうか…涙が出てないで「うえ~ん」とか少し残念でした…でもまあ、聡子はハマリ役なので目をつぶりました。(笑)
祭りの夜、ほっしゃんは糸子に何を聞こうとしていたんでしょうか?周防さんの事とか?
でももう何年前?っていうくらい前だし…再婚話?あそこのシーンはちょっと手に汗握ってしまいました。
来週2月29日(水)に『スタジオパークからこんにちは』に糸子役の尾野真千子さんが出演するそうです。

カーネーション あらすじ 『鮮やかな態度』 第117回(2月21日放送)

昭和39年8月喫茶店― 糸子と聡子は北村にファッション雑誌を見せてもらっていた。
雑誌にはイヴサンローラン、ディオール等の新作が掲載されており、糸子はどれも興味深かそうに読んでいた。

「おもろいわ~!おおきにな」雑誌をテーブルに置いて、礼を北村に言った。
「モードなんか分からん言うちゃあたやんけ?」北村が意外そうな顔をした。
「なんやこの頃、妙にオモロい思うようになってきたんやし。見方が分かる様になったっちゅうんかいな。優子やら直子らのデザインも見方が解ったらオモロいんや!」
「お母ちゃんな、うちと一緒に姉ちゃんらのデザイン画練習してんやで(笑)」
糸子の隣に座っていた聡子が嬉しそうに北村に喋った。
「ホンマけ?格好わるうぅ!(笑)」北村が糸子を笑った。
「余計な事、言いな!」糸子は聡子の頬をつねった。

― 糸子は優子と直子が送ってくるデザイン画を聡子以上に楽しみにするようになっていた。
>女らしいて柔らかい優子の線、強うて勢いのすごい直子の線。
>厳しい競争の中でどうにか自分の世界をどうにか切り開いたろちゅう熱が伝わって来る。
>それを感じる様になったらうちはやっとモードがおもしろなってきたんです。
直子と優子のデザイン画を見ながらモードとだんじりを連想していた。
>ごっつい勢いで走って行く時代…その中で風切って立つ
>舞って跳んで魅せる…モードは大工方や!
>とはいうても…大工方と同じでモードも若い人らの役なんでしょう。
>もう、うちの役とは違います

聡子は結局、洋裁学校を辞めてオハラ洋装店を手伝うことになっていた。
>まだまだ抜けた所はあるもんの、とにかく真面目で熱心やよって
>それなりのものにはなりよるやろ。

― ある日、里恵と優子が帰って来る。
聡子は帰って来た優子に早速、自分が描いたデザイン画を見てもらう事にした。
「…まあ基礎はできたんちゃうか?」聡子のデザイン画を見た優子が言った。
「ホンマ?お母ちゃんもそない言うてくれた(嬉)」
「…けどな、こっからなんでホンマは」
「え?」
「アンタがどの程度の洋裁屋になりたいかやけど…要はな、普通の職人でええんやったらもう十分一人前や。…けど、ウチとか直子くらいのデザイナーになりたいんやったら、こっからが勝負ちゅうことや…」
優子は真剣な顔で聡子に続ける。
「アンタの色ちゅうもんを自分で見つけていかなあかん」
「…ウチの色?」
「それが一番大変なんや」

店に派手な女性客が現れる。
「こんにちわ。どうも聡ちゃんいてる?」
「うわ!鳥山さんや!」優子と糸子は条件反射的に隠れた。
>鳥山さんは洋菓子店の女社長さんで、強烈に自分の好みがあるようなんやけど
>それがウチらにはさっぱりわかりません。

2階から降りてきた聡子が鳥山に用件を尋ねると
「…悪いけどな、あんたのお母ちゃんのデザイン、なんかババくさいやろ?…優子ちゃんのは澄ましきっちゃって息苦しいし…ええやろ?聡ちゃんにデザインして欲しいんや」
鳥山はマネキンの後に隠れてる糸子に伝えた。
「アカンアカン!この子、まだそない一人前ちゃうし!」糸子が断わる。
「ええやん!せやからウチが第一号や!
聡ちゃんの若い感覚でごっついイカした服こさえて欲しいんや」

― 鳥山が帰った後、優子が糸子と聡子に言った。
「断ったらええのに。絶対ロクな事になれへんで?」
「本人が聡子がええちゅもんは断れんがな」糸子が困惑の表情を浮かべる。
「ウチの時も『好きに作って』ちゅうた後で『ウチの好みちゃう』ちゅうて」
「…どんなんが好みなん?」聡子が尋ねた。
「それがさっぱり…わかれへんねん」優子と糸子が深刻そうな顔で答えた。
>ほんでも初めての自分への注文が聡子は嬉しかったようで
>その日から一生懸命デザインを考えだしました。

― そんなある日、組合長の三浦が婦人2人を連れて優子に会いに来た。
婦人達は近頃評判で東京でも店を構えている優子に是非、洋服を作って欲しいと伝える。
「流石に東京で鍛えられとるだけのことはある。上等な跡取りが育った(笑)」
三浦が痛快そうに笑ってみせた。
「おかげさんで経理の計算もうちよりアレのがよっぽど立つんです」
店で経理の松田と話している優子を見ながら糸子が言った。
「そらもう安心や。いつでも隠居できるでぇ!」
>気ぃついたら51歳。お父ちゃんがうちに店を継いだ年を越えてました。

― その夜、糸子は1人で晩酌しながら飾ってあった善作の写真を見た。
>なあ、お父ちゃん…ウチの娘はウチと違て優しいよって
>ウチをあんなぶった切ったりしません。
「まあ、ウチもお父ちゃん程、ヒドないけどな…」
>ほんでも、いつそないしたらええんやろか?…いつ…

― 翌日、糸子は紙を持ってソワソワしている聡子に気がつき、声をかけた。
「いや、デザイン見てもらいたあて」聡子が答えた。
「どれ…」糸子がみてあげようとするが聡子が優子に声をかけてしまう。
「姉ちゃん、あんなちょっと見てもうてええ?」

聡子と優子がデザインについて相談する後ろで糸子は背を向ける。
>潮時…近いうちに今やなっちゅう時が来るんやろ。
>間髪入れず潔よう決めちゃろ…お父ちゃんみたいに。


【NHK カーネーション第117回 感想・レビュー】

糸子が初めてミシンを見た時の衝撃シーンで使ったような『だんじり』に例えた表現が久しぶりに出てきましたね~。ミシンを見たときは糸子も若くてミシンだじんりに乗る!って息巻いてましたが、“モードだんじり”には哀愁さえ感じるような表情で切なかったです。
(洋服着て、跳んでいたのは、ちょっと面白かったけど)
今回は、糸子が“引退”を考える凄い重要な回だと思います。
時代を切り開こうとする娘達ともはやそのパワーがない事に気がつく糸子…かなり切ない。
そして、そんな自分と善作を照らし合わせるあたりも良かった。
…それにしても、優子の自信が物凄いことになってました。
つい先日まで『テレビ観て笑てるしかない!』とかくさってたのに(笑)

カーネーション あらすじ 『鮮やかな態度』 第116回(2月20日放送)

>いつも隅っこで笑てるだけの子や思てた聡子が…
>初めて見せたそんな顔がウチには案外堪えたんです。


テニスラケットを片付けた聡子は糸子に切り出した。
「短大卒業したら洋裁学校に行かしてもらわれへんやろか?」
「…うん。やりたいようにやり」糸子は答えた。

― 昭和38年4月、聡子は元気よく洋裁学校へ登校する。
>これまで何も目かけてやられへんかった分、これからは何んなと与えちゃろ
>…珍しくそんな甘い気になってました…ところが
「はあ?あんた今なんちゅうた?」
「せやからなあ…やめたい…学校」
「あんた三日目やろ!?自分が言うてる意味分かってんか?おい!」
糸子は物凄い形相で聡子に迫った。

「ウチな…机にじーっと座って勉強ちゅうんがな、ホンマにようせんねん」
聡子は落ち着きを取り戻した糸子に学校を辞めたい理由を説明する。
「あんたが洋裁の学校に行かせてくれちゅうたんやろ?」
「はい、そうです」
「なら我慢せんかいな!何でも最初の基礎っちゅうたらな机にじーっと座って勉強するもんや!わかったか?」
「…ふーん?」聡子は首を傾げた。
>『ぬかに釘』…せやけど、こっちはもう学費も納めてしもてんや。
>当然、翌朝も行かせちゃりました。

「ホンマにあのアホ娘が!」
文句を言いながらマネキンの衣装替えを行っていた糸子は、聡子の中学の担任教師が店の前を通り過ぎた事に気がつき呼び止めた。。
「先生!いつぞやはホンマすみませんでした」

― 店に招かれた担任教師は糸子が出したお茶を口にした。
「わかります。聡子さんは、そういう子です」

「その学校辞めたいいうてるのも根性のうて辞めたいと言ってるんとちゃうんです。聡子さんの根性はもうごっついもんです。『やれ!』ちゅうてやらなかった事は一回もありません。
やりきるか倒れるかのどっちかでした(笑)」
「はあ」糸子は相槌を打つ。
「でっかい山をどーんと置いちゃる事が大事なんです。
『この山を登れ』と言うといておけば、どんなにしんどうても脇目もふらずに上って行く。
…聡子さんは、ガムシャラに洋裁をやりたいだけちゃうやろか…自分はそう思います」
「先生、おおきに!ホンマおおきに!」
>持つべきものは中学校の恩師です。
>早速、山をどーんと置いてみちゃる事にしました。

糸子は聡子に自分が描いたデザイン画を渡した。
「お母ちゃんのデザイン画や…見んでも同じ様に掛ける様になったら学校やめさしちゃる」
「…はい」
聡子はデザイン画を受け取ると早速、模写し始めた。
>最初はそれが山やちゅうことですらよう分かってないようでした。

― 深夜、糸子が仕事を終えて2階に行くと、聡子が模写をしている事に気がつく。
「はれ?アンタ、まだ起きてんかいな」
糸子が声をかけるが聡子は模写に集中していて聞こえてないようだった。
翌朝、再び聡子の部屋を覗くとガラス戸を使ってトレース(模写)していた。
>どうやらホンマにに山を登り始めたようなんが面白て
「とりあえず、ほっといてみちゃろか…」
>さしあたり『学校に行け』とは言わんときました。

一方、東京の直子の店は人気店になっていた。
「ダメよ?タッパがあるんだから活かさなきゃ」直子が若い女性客に言った。
「そうかな?だけど…自分では嫌なのよね、女のくせにこんなデカイの」
「あたしの服を切るならもっと堂々としてほしいの!じゃなきゃ作んないわよ!
「嫌だ!そんなの困る!わかったわ私、堂々とする!」
「そうよ!その方がずっとイカすわ!」

その時、直子は新しく一人の婦人が店にやってきた事に気がついて声をかけた。
「…姉ですか?」
「ええ」
「すみません。今出張に出てるんです」
>その出張先ちゅうんが岸和田の小原洋装店です

>優子はこの二年間、岸和田と東京を行き来して暮らしてます。
「お店、相変わらず繁盛してるんか?」千代が疲れて倒れてる優子にお茶を入れた。
「先月の売り上げも去年の倍や…そのうち六割がウチの売り上げ、4割が直子」
「やっぱしアンタの服の方がよう売れるんか?」糸子が優子に尋ねた。
「そうや。せやから直子がひがんでやりにくいやりにくい!」
>直子が嫌がる仕事を優子が代わりに引き受けているうちに
>優子のお客がどんどん増えてったそうです。

― 東京の直子の店に取材の人間がやってくる。。
「嫌になっちゃう。私、取材多いのよね~姉の所にはちっとも来ないのに」
直子は自分の客にわざとらしく説明した。

― 優子が聡子の部屋を開けると聡子が一心不乱にデザイン画をを描いていた。
「…聡子、なにしてるの?」優子は聡子に声をかけてみた。
「お帰り~。…デザイン画の練習」
「へえー。お母ちゃんの手本にしてるんか?」
>優子が東京に戻って何日かしたら聡子に“新しい山”が届きました。

「うわー全然ちゃう!凄いな~どれも~(嬉)」
聡子は嬉しそうに送られてきた直子と優子のデザイン画を比べてみた。
「はあ…あかん!負けてられへん!」糸子は直子と優子の絵を見て目を丸くした。
>それが腹立つ程ええんです。
糸子も聡子の隣でトレース模写を始めるのだった。


【NHK カーネーション第115回 感想・レビュー】

「だめよ。ミナはさ~…」すっかり直子の喋り方が変わりましたね。
あれほど、優子の喋り方に文句を言っていたに…(笑)
その周りにいた3人の女性は店員ではなく、直子の取り巻き客だったみたいで、最初なんのこっちゃ?と思いましたがな。
今日から聡子が洋裁学校へ行き始めましたが、今日の冒頭で短大を卒業していることから短大時代にテニスで全国1位を獲ったんですね。てっきり、高校生だとばかり思ってました…。

カーネーション あらすじ 『あなたを守りたい』 第115回(2月18日放送)

「妹が大変、お世話になっております!」
優子は満面の笑顔で直子の百貨店の支配人に挨拶をした。
「こんなお姉さんに手伝ってもらえるんだったら小原君も安心だよね」
>無敵の外面を武器に優子は百貨店の支配人にも気に入られ
>晴れて直子の店に立つ事になりました。

「へえー!凄い服!ねえ?これが今の流行なの?」
女性二人組みの客が店に飾ってあった服に驚いて優子に尋ねてきた。
「ええ。何だかかカラスみたいですけど」
優子は女性客の笑わせた。
「…だけど、お客様。今、私が着ているのも、うちのデザイナーの物でございますのよ」
「へえ~!あなたが着るとまともに見えるわね!」
女性客は優子の着ている服をまじまじと見て感心する。

「…せやから、あない客に媚を打ってもらわんかてええちゅうてんねん!ウチはウチの服を分かってくれる人にだけ着てもらえたらほんでええ…よう分からんおばちゃんらまで頭下げて来てもらおうとは思わへん!」
先ほどの優子の接客が気に入らなかったらしく、直子が優子に文句を言ってきた。
優子は店内に誰もいないことを確認すると手にしていた書類で直子の頭を叩いた。
「痛っ!!」
「このクソガキ!いつまで甘ったれてんや!これは商売なんや!腐れ芸術家気取りもええ加減にしい!」優子が岸和田弁に戻って直子を叱ると
「やあ小原姉妹~、どうだね調子は?」支配人が現れた。
「どうも。おかげさんで何とか頑張っております(笑)」優子は笑顔で出迎えた。

>ところで聡子が東京に行く事になりました。
>大阪府大会で優勝した聡子は近畿大会も優勝し
>なんと全国大国へ出場することに事になったそうです。

「ここやねん。入って、入って。遠慮せんと」
東京駅まで迎えにきてもらった優子に連れられ聡子は直子のアパートにやって来た。
「お邪魔します」
「うち、店にすぐに戻らならんよって出るけど好きにしといてな。
お腹すいたら何や適当に即席ラーメンでも食べといて」
「うん。ありがとう。いってらっしゃい」
優子を見送った後、聡子は直子の部屋を見渡した。

>試合会場の近くホテルでもええもんをなんでか知らん聡子は、姉ちゃんらの部屋に
>泊まりたがって世話の一つでも焼いてもらえるでもなく…
>その部屋から毎日会場に通って…

― 聡子が来て数日、店で客と打ち合わせをしている優子と直子の前に聡子が現れた。
聡子は大きい荷物を抱えながら優子に手を振っていた。
「どないしたん?聡子」優子は打ち合わせを中座して聡子に話しかけた。
「優勝した。全国一位や!」
「優勝!?すごいやん!」
>さすがにその日は仕事を早く切り上げ優勝のお祝いをしちゃあたそうです。
>ところがアホの聡子は岸和田に電話の一本も入れよらんかったさかい
>ウチが知ったんは…

「お久しぶりです!ワシは中学時代の顧問です!やりましたね!聡子さん!
全国大会優勝!快挙です!おめでとうございます!」
店で寝ていた糸子を起した急な来訪者が嬉しそうに糸子に報告をした。
「何や…ほんな事かいな…本人帰って来てから直接言うちゃって下さい」
糸子は、だるそうにそう言うと戸を閉め店に入っていた。
>うちは睡眠不足のとこ起こされたんでほんな調子でした。
>とはいえ、よう考えたら確かに凄いこっちゃ…

「ただいま!」聡子が笑顔でオハラ洋装店に帰ってくる。
「おばあちゃん!聡ちゃんですよ!」昌子が帰宅した聡子に驚いた。
「聡子~!よう頑張ったな~偉かったな~!」千代は涙を流して孫の帰宅を喜んだ。
「おばあちゃん!ありがとう!」
店の従業員達に囲まれ祝福されていると奥から糸子があらわれる。
「おかえり。あんた、ごっついな~全国一位か」
しかし、糸子は、そのまま仕事に戻ってしまう。
聡子は祝福されながら糸子が仕事をしている姿を目にする。

喫茶店“太鼓”では、木之元栄作、木岡保男をはじめ近所の人達が聡子の祝賀会を開き聡子の全国優勝を祝福した。しかし、その祝賀会には糸子はいなかった。
―夜、聡子は一階から聞こえるミシンの音を寝ながら聴いていた。

翌日、ラケットを置いて正座していた聡子は糸子に笑顔で伝えた。
「あんな、お母ちゃん…うち今日かぎりで…テニス辞めるわ」
「はあ?何でや?せっかくあんたここまで来て何で辞めんや?スカウトかてあちこちから来てんやろ?…実業団かて入れるかもしれんのに…もったない」
「もうええんや。…やれるとこまでやったよって(笑)」
「いや、せやけど…」
「…もう寂しい…寂しいさかい」聡子の目に涙が溜まっていた。
>ウチは何も気付いてへんかってけど、上2人の取っ組み合いの横で
>いつもヘニョヘニョ笑てたこの子にも、いろんな思いがあったようでした。

「やめる!?なんで?」夕食の準備をしていた千代は驚いた。
「もう全国一位取れたよって」
聡子は、千代の作っていた料理をつまみ食いしながら笑って言った。
「やめて何すんの?」
「そら…決まってるやろ。…洋裁や」聡子がニッコリと笑う。
「あんたまで洋裁かいな!」
「そら、ウチはお母ちゃんもお姉ちゃんらも皆そればっかしや。
うちだけずっと仲間外れやったんや…やっとや。…こんで、やっと仲間入れる!」
「ハッハッハ」聡子の晴れやかな表情に千代が笑った。


【NHK カーネーション第115回 感想・レビュー】

いや~安田美紗子さんの演技が良かったです。
「もう寂しい…」って声のトーンにやられました(ToT)
大好きなテニスで日本一になったけど、結局、糸子に姉達のように褒めてもらう事が出来ずに心が折れてしまったような感じで切なすぎです。
けれど、そこは勝の血を濃く受け継いでいるので切り替えて、洋裁をめざすとは流石。
来週から修行とかが始まると思うのですが、ほっしゃん。の所に行くのかな?
安田美紗子さんって、『アッコにおまかせ』くらいしか見てなかったけど…いや、本当に聡子がハマリ役だと思いました。

カーネーション あらすじ 『あなたを守りたい』 第114回(2月17日放送)

>とにかく上機嫌が身上やった勝さんの血を一番引いてんのが聡子で上の2人が
>とっ組合いをしてる横でいつもヘニョヘニョ笑てるような子やったさかい
>聡子の事を格別何か心配したっちゅう覚えがありません
>そらまあ、そないシャッキと出来のいい子とはちゃうけど…

昭和37年7月、朝 ―
「いってきまーす!」オニギリ片手に聡子は家を出て行った。
「…聡子はアホやけど上の2人と比べて気だてのええんが何よりやな」
聡子が上機嫌で出て行くのを見送ると糸子が千代に言った。
「アホとちゃうで!あないテニス頑張ってんさかい!
今度は大阪府大会出るちゅうてたしな!」
「…それに比べて上の2人の小難しい事!」糸子はオニギリを勢いよく口に入れた。

>小難しい2人のうちの上の方はこないだから店に復帰しました。
>近頃、流行の産休明けちゅうやつです。
「あんた、里恵をホンマに保育所預けて来たんけ?」
久しぶりに店に出てきた優子に糸子が怪訝そうに尋ねた。
「うん」当然といった表情で答える優子。
「何でやねん!かわいそうに。店連れて来たらええやんか?」
「あの子おったら仕事に集中できんて言うてるやん」
「アンタが見んかて、おばあちゃんかて、いてるやろ?」
「おばあちゃんかて大変やんか!年なのに無理さしたらウチが気になるんや」

>ほんで小難しい下の方は…
― 東京の百貨店内、直子の店
「何なのよ?私のやり方に不満があるならさっさと辞めればいいじゃないよ」
直子が2人の従業員を睨みながら言うと2人は何も言わずに辞表を2枚机に叩きつけ店を出て行ってしまう。
>とうとう一人ぼっちになってしもうたそうです
直子は机の影に隠れ、泣きながらオハラ洋装店に電話をかけた。

「ただいま!」聡子がスキップをしながら帰宅する。
居間では糸子達が直子のことについて話し合われていた。
「あの子もここが勉強のしどこっちゅうもんやろ?そら我張ってるだけでは誰もついてきてくれへんわ」糸子が口を開いた。
「いや先生…理屈はそうですけど、今はとりあえず直ちゃんを助ける方法を考えちゃった方がええんとちゃいますか?店員がいっぺんに2人も辞めてしもうたら偉い事ですわ…」
泣いてる直子からの電話に応対した松田が心配そうに言った。
糸子や松田が深刻そうに話し合っていたので聡子は手にしていた賞状を後ろに隠した。
「せやけど、助けるてどないして助けんや…」糸子が頭を抱える。
「とりあえずウチから助っ人を送り込むとか…」
「はあ~今、誰か行ける者…ウチ、行けるやろか?」
「いや先生は行けませんよ!こんなけ仕事詰まってんのに!」昌子が声を荒げた。
「…縫い子でそこそこ接客もできる…うーん」
「ウチですやん」昌子が言うが
「いや…うちや!うちが行く」優子が手を挙げる。
「アホか!里恵、どないすんのや?」すぐさま糸子が孫の里恵を心配した。
優子は里恵も東京へ連れて行き、夫の実家に預けたり何とでもなると優子は説明する。

「悪いけど、直子をホンマの意味で手伝える人間はウチだけや。
正直、お母ちゃんとか昌ちゃんでは無理やと思う」
「…何ィ?アンタ、どう言う意味や?」糸子が顔をしかめた。
「そういう意味や。せやけどホンマの事のやさかい言わしてもらう…」
優子は昌子や糸子達では直子の服を理解することは出来ないことを指摘した。
「…アンタかて結婚式の時あの子の格好、オウム呼ばわりしちゃあたやないか!」
「うん。常識で言うたらオウムや。
けどあれがあの子の才能の形でそれは凄いもんなんや…悔しいけど」
聡子は直子を褒める優子を驚きの表情で見つめた。

「直子が今、あの年で東京みたいな厳しい街で『何をやろうとしてんのか』よう解かんねん。それがどんだけ難しい事か。あの子が求めて苦しんでる理想がどんだけ高いもんかをホンマに分かって手伝うてやれんのは、ウチだけや…」
優子の言い分に誰も反論できずに糸子達は静まり返る。
「…お願いします。うちを東京へ行かせて下さい!」優子は糸子に頭を下げた。
「知らん!勝手にしい!…聡子、御飯、食べり!」
糸子は立ち上がってどなると部屋を去るのだった。

―夜、千代は優子と里恵に別れの挨拶をする。
「里恵ちゃん、あんた東京にいくんやな~」
千代はひ孫の里恵を撫でると、持っていた包みを優子の鞄に入れた。
「アンタだけにとちゃうよって遠慮したあかんで。直子に鰻でも食べさしたり」
優子は千代が渡したのがお金であると察して礼を言った。
「気つけてな。里恵ちゃん風邪ひかんようにな」
「もういくわ。おおきに」優子は里恵を抱きかかえながら店を後にした。

>言いよった…あいつ。ウチでは、もう直子の役に立てんちゅうて言いよった。
ああ~!半人前が!なんじゃ!あいつら!あんな中悪いくせに!うーん!
糸子は酒を飲むと横になった。
「聡子。あんた直子の服、格好ええと思うか?」
「うん」糸子の横で夕飯を食べていた聡子が答えた。
「思うんか!?」糸子は意外な聡子の返答に飛び起きた。
「うん!ウチもあんなん着たい」
「…ウソや!うそつき!正直にあんなん変やて言い!」

― 東京の百貨店では店員が一人になった直子が店の前でビラを配っていた。
直子がビラを渡すも客達は直子の店の服を小ばかにしていく。
「いらっしゃいませ…」足音に振り返ると里恵を抱えた優子が立っていた。
直子は、優子を見て涙をポロポロと流してしまう。

― 早朝、千代が仏壇を開け、落ちていた賞状を仏壇の上に片付けた。
>それがテニスの大阪府大会優勝の賞状やっちゅうんが
>判ったんは、随分、後の事でした。


【NHK カーネーション第114回 感想・レビュー】

子供も産まれて、一気に成長した優子、最後の直子と対面するシーンでは、優子の微笑みにちょっとホロリとしてしまいました。
直子の才能を認め「悔しいけど」と言う台詞が心に残りました。
これから直子と優子が協力して東京で成功していくんでしょうかね?
それと糸子の優子に対する切れっぷり…久しぶりに巻き舌の糸子登場です。
まあ、あれだけハッキリ言われたら流石に実の娘でも頭にくるだろうし、何より自分が理解できないと図星だったことに腹を立てたんでしょうね。
ほっしゃんは、直子の服は理解できてるんでしょうかね?

カーネーション あらすじ 『あなたを守りたい』 第113回(2月16日放送)

昭和35年5月―
4月から東京の百貨店で店を始めた直子が毎晩の様に電話をかけてくる。
千代は直子が東京でへこんでいるのではないかと心配する。
「アンタ、いっぺん東京に様子見に行ったったらどないや?」千代が糸子に言った。
「ウチが!?あのへそ曲がりがウチが行くちゅうてホイホイ喜ぶかいな!」
>ところがものは試しに次の日の電話で…
「久しぶりに東京に行ってみたいし観光ついでにあんたの店も見てみたいしな」
糸子が直子に伝えると
「うん。ええよ、うちは」と意外な返答が返ってきた。
>こら、よっぽどへこたれてるに違いありません。

この頃完成した新幹線こだまに乗り、糸子は銀座の百貨店を訪れた。
直子の店の前に着くと糸子はショーケースにあるオブジェを見て顔をしかめた。
その時、スーツを来た中年男性が険しい顔で店に入って行った。
「小原君!言ったろ!この鉄くずを下げたまえ!」
「…いや、けどこれは!」
「いいから下げなさい!アートだがなんだか知らんが汚らしい!ここは百貨店なんだよ?
もっと品のある店作りをしたまえ!」男性は、そう言うと踵を返して店を出て行く。
直子は不服そうに片付けようとすると
「だから言ったのにね。ハハハハ(笑)」直子の後ろで女性スタッフが笑った。

「またあとにしようか…」
直子の様子を見ていた糸子は店に入るのを一旦諦めた。
>そない思て店を一回りして戻って来たら
直子に鉄くずを片付けるように言っていた男が直子を再び注意していた。
「また怒られてるわ…しゃあないな…」
>ほんなこんなで百貨店が三周ほどしてから
「おかあちゃん!」直子は店に入ってきた糸子に気が着いた。
「はあ~やれやれ!やっと着いたわ~」
「えらい遅かったな、どっか寄っちゃったん?」
「うん、ほんなこともないけどな…せやけどアンタ!ホンマに立派な店やんか!」
「…まあな。上司もうちの才能認めてくれてるよって好きにやらしてもうてるわ」

すると若い一人の女性客が不機嫌な表情で店に入ってきた。
「こないだパンタロンを作って貰ったんだけどね…作り直して!」
女性は手提げから服を直子に突き出した。
「え?どうしてですか?」直子が理由を尋ねた。
「歩きにくいったらないんだから!よくこんな不良品でお金取れるわね!
どういう神経してんの?信じらんない!」

― 直子は、つき返された衣類を呆然と眺めていた。
「見せてみ!」糸子が言うと直子は仏頂面で渡した。
「…アンタ、こら無茶や。別珍をこんな縫い方して…こんなとこにポケットつけたら、そら歩きにくいわ!とりあえずこのポケット取り!ほんでな…ここを…」
「ふん!分かってへんなあ、お母ちゃんは…そのポケットが肝心なんや。
このデザインはこのポケットがついて初めて完成するんや!」直子は涙をこぼした。
「アホか。ポケットで服が完成するかいな。服ちゅうんはな、買うた人が気持ちよう着て初めて完成するんや!ほれ!やり直し!手伝うちゃるさかい…」

― 夜、糸子は直子の下宿先に行き集まった直子の友人達のために寿司の出前をとる。
「ありがとうございます!」源太達が糸子に礼を言った。
「ええて!若い子らにお腹いっぱい食べさすんがオバちゃんらの役目やさかいな」
酒も入っている糸子は上機嫌に笑った。
「そう言えば直子、俺のオブジェ評判どんなだ?」源太が直子に質問した。
「アホの支配人に『汚い鉄くず置くな』言われて片付けた」直子は正直に答えると
「分かってへんな~支配人!」
「お母さんには分かってもらえますか?」
「いや~…ウチにも鉄くずにしか見えへんけどな…」糸子が言うと笑いが起きた。

「ほんでもオバちゃんもこの頃ちょっと賢こなってな…若い子のやる事は自分には分からんからて間違うてるとは限らんちゅうことを覚えたんよ。
要はな外国語みたいなもんなんや…ウチには解らんでもそれで通じ合うてる人らがいてることはわかってる。相手がどんくらい本気か、気持ちを込めて言うてるかちゅうんも何とのう解るもんなんや!…あの鉄くずは『本気なんやな~』思てたで!」
その糸子のコメントに源太や吉村が盛り上がった。
そして源太と吉村は世界中に自分の服を着てもらいたいという夢を語った。
「うちは東京を今のパリみたいにしたい。東京が流行の発信地になってパリのデザイナーが
コレクションを開きに来るくらいになったらオモロい!」直子も目を輝かして夢を語る。
「ふーん…世界か」糸子は夢を聞いて嬉しくなる。
>若い子らの夢の形は思てもみんほど広々と、どこまでも高うて
>聞いてるこっちまで飛んで行けそうでした。
>夢は大きい程壊れやすいかもしれんよって…どうか守っていけるように
>とりあえず、おなかいっぱい食べさすんが、やっぱしおばちゃんらの役目やな。
岸和田に帰った糸子は千代と直子の友人達に食べ物を包んで送る事にした。

― ある日、糸子と聡子は北村に呼ばれ喫茶店“太鼓”にやってきた。
「何や?話て」糸子は先に来ていた北村に尋ねた。
「聡子をワイに預けへんけ?…聡子を一流のデザイナーに育てちゃろ思てんねや」
北村はプレタポルタをやりたいと考え色々当たってみたものの、有名なデザイナーは既に契約済みで上手く行っていないことを説明した。
「そこでや…今の有名どころと組まれへんかったら、逆にわいが若いもん集めて一流のデザイナーに育ってちゃったらええんじゃ!」
「ほんで…聡子け?…アホか!あんたな…手当たり次第もええとこやな」糸子が呆れた。
「こいつかてお前の娘や!素質かてあるやろ」
すると北村と糸子の話を黙って聞いていた聡子が口を開いた。
「けど、うち…」
「興味、あるか!?」北村が尋ねる。
「うん!無い事無い!」
「あかん!!この子は洋裁なんかせえへん!」糸子は強い口調で言い放つ。
「なんでや!今、興味あるちゅうて言うちゃったやろ?!」
「あんたなデザイン画の一枚でも自分から描こうとした事あるけ?そんな甘いもんとちゃう!中途半端、言いな!…おっちゃん!ホットケーキまだ!?
「堪忍や~!案外これ焼くの難しいんやし」新しくマスターになった木之元栄作が謝った。
糸子が北村を睨む横で聡子はうつむいていた。


【NHK カーネーション第113回 感想・レビュー】

直子の店にいた女性二人は店のスタッフなんでしょうか?
なんか感じ悪いこの上ないのですが…それよりも直子が自分の服についている網目の飾りに顔を埋めて落ち込む姿が、なんか可愛い(笑)
糸子が東京に行って寿司(松)を源太達のために注文する(刺身を食べながら)のを見て、結局、前回、千代が東京で5000円使ったことを理解したんでしょうね。
それと北村は何で聡子なんでしょうか?優子は嫁に行ったから?
まあ、糸子じゃなくても「手当たり次第か!」ってなると思う。
そんな中、喫茶店を継いだ木之元夫妻がぎこちなさ過ぎで、相変わらずの笑いを提供してくれていいですね~。

カーネーション あらすじ 『あなたを守りたい』 第112回(2月15日放送)

>昭和35年イヴサンローランは言うたそうです…
>『極度にシンプルにすることこそ明日へのシルエット』
「聡子、シンプルて何や?」糸子は横で寝ながら漫画を読んでいる聡子に尋ねた。
「シンプル…さあ?」聡子は返答した。

糸子が台所に食器を片付けに行くと千代が注意してくる。
「ちょっとあんた、たまには聡子の事も褒めたりや」
「はあ?」
「意地らしいやんか~あないしてあんたの膝に足なんか乗っけて、『この足でうちもテニスで頑張ってる』ってあの子はあんたに言いたいんや。気付いたらんかいな」
「うん…」糸子は、千代に促され聡子がいる居間に戻った。
>そういえば聡子がテニスで秩父宮賞とかいうのを貰ろたそうです。
糸子は仏壇に置いてあった賞状を取り出し、手を合わせた。
「どないしたん?…なんでそんなんするん?」その様子を見ていた聡子が聞いてきた。
「そら大事な聡子が頑張って貰ろて来た大事な賞状やさかいなあ。聡子は偉い子です。ありがたい子です。なんまんだぶなんまんだぶ」
糸子が去った後、聡子は足をバタバタさせて喜ぶのだった。

― 糸子達組合の女性経営者は事務所で新しく入ってきた女性と話していると北村が現れる。
北村は“既製服商売の講師”で女性経営者達に講義を始める。
>この頃、既製服が本格的に広がり始めて、オーダーメードでやってきた人らも
>そろそろそっちへの商売替えを本気で考えているようでした。
>なんで北村の講義なんか真面目に聞かなあかんねん!
「あほらし!」周りが熱心に北村の講義を聞く中、糸子は立ち上がり事務所を後にする。

>昔はあんなけ待ち望んじゃった時代の変化ちゅうもんが今のうちにはなんや怖い。
>アメリカの物やからて、そないジャンジャカ売れる事も、もうないし…
>下駄は完全に靴に取って代わられてしもうた。
糸子は閉っている木岡履物店、続いてガラスに写る自分を見た。
>うちは今47…お父ちゃんが呉服屋の看板を下ろしたのは50の時やった。

― そんなある日、着物を着たサエが若い女性を連れてオハラ洋装店を訪れる。
>サエは高級クラブのママをやってて時々、若い従業員を連れて来てくれます。

「こんな感じでどうでしょう?」
デザインに納得がいかないサエに優子は最近の流行について説明しようとするが
「流行はどうでもええねん。ドレスはな女を二割増三割増に見せてなんぼやで。流行っったったらええちゅうもんちゃう!」サエは強い口調で伝えた。
するとサエは糸子が自分をじーっと見ている事に気がついた。
「…何や?糸ちゃん、どないしたん?」
「アンタ…ホンマ惚れ惚れすら。何でそんな根性据わってんの?教えてや」
「うちは、そない欲張りちゃうのや。昔から欲しいちゅうたらただの一個だけなんや」
「…何?」
「男…フフフ(笑)」
「ああ~!」糸子は納得した。
>うちは欲張りすぎなんや…サエみたいに欲しいもんを一言でよう言わん。
>自分がエエと思う服を作りたい…けど商売も上手い事いかせたい
>時流に流されてたまるか思てるけど…時代に後れてまうのは嫌や
「はあ~しょうもな、あほらし」糸子は思わずもらしてしまう。
>ほんなもん、根性すわらんであたりまえじゃ
>ウチがホンマに欲しいモンて何や?

― 昭和35年12月、糸子達はクリスマスケーキを食べている。
「直子は卒業したら何すんよ?」北村が尋ねた。
「東京の百貨店に店出すんや」直子はヤングコーナーという場所に出店を誘われた事、そして将来は自分の名前のブランドを立ち上げたいと発言した。
「それそれ!結局よ、安い物数揃えたかてよ大した事ないねん!“プレタポルタ”ちゅうんは高い物をぎょうさん作ってぎょうさん売ったろちゅうことやろ!?」
「せやで!デザイナーが有名やったらそれだけで人はなんぼ高ても欲しがりよるがな!」
「そうや!タグ貼っつけただけでオモロいように売れるさかいのう!(笑)」
直子と話があったので北村は調子に乗ってしまう。
「あんたまだそんな事言うてんか!インチキ商売かまして捕まったんはどこの誰じゃ?」
「…いやちゃうがな!今回はインチキちゃう!」
「え?捕まった?…おっちゃん、捕まったん?」直子が驚いて北村を見た。
「…」北村は何も言えなくなってしまうのだった。
>下には下があるもんでこいつはうちよりアホです

― 夜遅く、風呂上りの直子は漫画を読んでいる聡子にちょっかいを出す。
短大を卒業してからはまだわからないという聡子に対して直子は、テニスの選手になったらいいとアドバイスをする。
「ほんでもお母ちゃんは、あんまし喜ばへんやろ?」
聡子は自分がテニスで賞を獲っても糸子が直子の賞ほどは喜ばないことを挙げた。
「秩父宮賞…装麗賞よりよっぽどごっついで」直子はいぶかしむと
「ええやんか。お母ちゃんなんかどうでも。自分のやりたい事しいや」聡子に伝えた。

― 昭和36年正月、直子は『アメリカ商会』の看板を外している木之元栄作に驚いた。
「ええ!おっちゃん、この店、畳むん?」
「そもそも商売に向いてへん…電気屋かてたまたままぐれで当たっただけで…」
木之元は“アメリカ商会”の看板を抱きながら落ち込みながら説明した。
「…店畳んで何すんの?」
「こないだ太鼓の大将から店譲りたいちゅう話されてな!『アンタ以上にこの店を大事にしてくれそうな人、他にいてへん!』ちゅうて!!」
「ええやん!やりやり!(笑)」
「やるやる!(笑)」

>人生ちゅうのは優しいもので何を欲しいかもよう言わん人間の手にも
>急にポコッと宝物をくれることがあります。

糸子は優子の赤ん坊の里恵を抱っこしていた。
「抱くか?叔母ちゃん(笑)」横で里恵を覗き込んでいる聡子に尋ねた。
「ええわ、おばあちゃん(笑)」


【NHK カーネーション第112回 感想・レビュー】

カーネーションによくある『休憩』のような回は、時間の進みや状況が変わる感じですが、見事に今回も色々と変化しました。優子は子供できたりサエがクラブのママやってたり…。
木岡履物店は一時休業のような貼紙があって、アメリカ商会が店じまいをしてしまい、栄作は太鼓のマスターに。(いつだったか、太鼓のマスターと意気投合していたのは伏線だったとは)そんな中、糸子が遂に47歳のお祖母ちゃんですか…とてもそんな年齢に見えないけど、演技は間違いなくそんな感じがするのが凄いです。
未だにタイトルの『あなたを守りたい』と内容が一致している感じはしないのですが、明日あたりから、またドラマに動きが出てくるんでしょうかね。

カーネーション あらすじ 『あなたを守りたい』 第111回(2月14日放送)

店に警察が来ているとは知らず直子は電話で松田に優子への伝言を頼んだ。

「こんな事、一生に一回しか言わへんけどな…小さい頃からウチの目の前には姉ちゃんがいつも姉ちゃんが走ちゃあった。いつか絶対あいつを追い抜かしちゃるて…
ほんでうちも走って来れた。その姉ちゃんに今更岸和田から見守られたかてな迷惑や。
とっとと、またウチを追い越して前走ってくれな困る…」
しかし松田は刑事と糸子に注意がいってしまい伝言は一言も頭に入っていなかった。

「先生!今度はまた何したんですか!?」刑事達が帰ると昌子と松田は糸子に詰め寄った。
「何もしてへんて!天に誓うて何も後ろ暗い事はしてへん!余計な心配せんでエエ!」
その一連の出来事と糸子を優子は心配そうに見ていた。

― 翌日、噂が広がらないように糸子は商業組合の組合長・三浦に会いに行く。
「例のあんたと組んで作った洋服の売れ残り…あれに偽物のディオールのタグつけて売りよったんやなあ。あいつのやりそうなこっちゃ」三浦は頭をかいた。
「またそのタグがなんぼ偽物でも『もっとちゃんと作らんかい』ちゅうぐらい、ちゃっちいんですわ~どこまで詰めも脇も甘いんじゃって…ホンマ腹立って腹立って…」
「そやけどや…堪忍したりや。去年もあいつデカイ失敗して焦ってしもうとったんや…」
「…まあ、あれはウチも痛かったです」
「けどな、あいつの方が傷が深いと思うで…商売人としてはまだ半端もんで信用も人望も薄い。アンタの所と比較したら比べモンにならへんくらい足元モロいんやで」
「…うちはそんな人、失敗させてしもうたんやな」糸子はボソリと言った。
「けど初犯で捕まって良かったやないけ!(笑)これがもし下手して上手い事いったらやで
あいつのこっちゃ、調子に乗って次から次から同じ事を繰り返しよる」
「…どのくらいの罪に問われますやろか?」
「まあ初犯やさかいな…すぐにぶちこまれるようなことは無いと思うで」
糸子はため息をついた。

糸子が帰ると店の前で優子と聡子が爆竹を鳴らしていた。
「何してんや!あんたら!」爆竹の音に驚いた糸子が優子に尋ねた。
「爆竹(笑)。昨日警察来てから気がふせいであかんなちゅう話になってな」
「そしたらが聡子が爆竹しよって言い出して(笑)」千代が言った。
「なんでか知らん『そういう時は爆竹や』いうて」
「買って来てんうちが」
「やってよかったな~スッキリしたわ~」千代と聡子は笑いながら家に入っていった。
すると残った優子が晴れやかな顔で話し始めた。
「お母ちゃん、うちな心入れ替えたよって。明日からまたお客さんの前に立たして下さい。
うちな、この店、小っさい頃からあったもんやさかい、あるんが当たり前に思うてた。…けどちゃうんやな。お母ちゃんらが必死に守って来たさかい、あるんやな。
これからはうちも一緒に守りたいて思てます」そう言うと優子も笑顔で店に消えて行った。

>こういう時にニカッと笑ろて『偉い!お母ちゃん嬉しいで!』ちゅうような事をよう言わんのは…血筋やろか?…血筋やな。
夕食時、晩酌をしていた糸子は横になると善作とハルの写真を見た。
『ちゃう!』善作の声が聞こえた感じがしたので糸子は飛び起きた。

― 昭和34年10月、オハラ洋装店には『本日休業』の貼紙が貼ってあった。
「へえ~あのジャガイモがな~」
「前が直ちゃんで次がジャガイモ君てエライごっつい学年ちゅうこっちゃねえ!」
昌子達が斉藤源太が直子に続いて装麗賞を受賞した記事に興奮していた。
「…ひょっとしてその格好で式に出るつもりちゃうやろな?」
優子が昌子達と一緒に居る派手なドレス姿の直子に確認した。
「そうや?」直子は服装がよく見えるように立った。
「あんたウチの結婚式ぶち壊す気け?」
「はあ?何でウチの格好がアンタの式をぶち壊すんよ?」
「お母ちーゃん!おばあちーゃん!直子がなーあんな格好で式に出るっちゅうんや」
優子は糸子と千代に言いつけるが
「ああ…あかんやろか?」
「うちはだいぶ見慣れて来たけどな…」2人は意外そうな顔をした。
「絶対あかんて!こんなオウムみたいな妹、座っちゃったら何事や思われるやんか!」
「まあええわ…ほな直子、着替えり」
糸子が言うと直子は「嫌やー!」と言って逃げる様に店を飛び出した。

すると直子は店の前に袴姿で立ち尽くす北村に気がついた。
「おっちゃん!…どないしたん?」
「ゆ…優子がよ…今日、招待してくれちゃあたんやけどよ…なんかやっぱり遠慮しとった方がええかな思って、代わりにこれや…まあよろしゅう言うといてや」
北村は持っていた紙袋を直子に渡すと足早に去ろうとする。
「ちょっと!何でや!?何で式出えへんの!?」直子が北村の手を掴む。
「お…お前、話、聞いてへんのかよ!?ワイは優子の式に出れる立場ちゃうねんて!」
「姉ちゃん!北村のおっちゃんがよう分からん事言うてん!」
直子が立ち去ろうとする北村の手を引っ張りながら優子を呼んだ。
「おっちゃん!」中から出てきた優子が北村に驚いた。
「何や今日の式、出えへんとか言うてんやん…」直子が優子に説明した。
「何言うてんや!おっちゃんが式に出てくれんかったらウチは嫌や!」
「ワイは…お前に迷惑かけたないのや!」
「なんの迷惑かけんねん!そんな寂しい事言わんとってよ!」
「わいかて出たいよ!それは!」
「おっちゃん出て欲しいねん!」
2人は泣きながら抱き合った。
>そんな茶番が今日もまた繰り返されて…

八重子と玉枝も店にやってきた。
糸子が店の戸に鍵をしていると横にいた北村が小さい声で尋ねてきた。
「なあ…わい、ホンマに行ってええんけ?」
「ウチに聞くなボケ!」糸子が一蹴した。
「行こ!おっちゃん!」北村の手を聡子と着物に着替えた直子が引っ張った。
「もう~そこまで言うんやったらのう」
その姿をみた糸子がうんざりした顔で呟く。
「あ~あ~茶番茶番」


【NHK カーネーション第111回 感想・レビュー】

案外、ほっしゃんの逮捕劇があっさり終わって、暗い雰囲気にならずに良かったです。
冒頭の直子の伝言は、『やっぱりか』という感じがしてホッとしました。
昨日、受賞した直子が優子に言ったのはハッパかけてたんですね。
優子も結婚式前に一連の糸子の頑張りを見て大人になった感じがして、一気に全てが丸く収まったような感じがしました。優子と直子のやりとりが普通に戻ってたし。オウムみたいな妹って(笑)
なんだか今日の直子は冒頭の伝言シーン、源太を祝福するシーン、北村を引き止めるシーン、どれも、今までの変人直子と違いまともな感じがして泣けた。

カーネーション あらすじ 『あなたを守りたい』 第110回(2月13日放送)

>優子が店で大ヘマをやらかして『一人前の道は長い』ちゅう事を学んだはずの日に
>よりによってその電話がありました。
直子の電話に松田と昌子が興奮しているところに糸子が帰ってくる。
「…賞?なんの賞や?」
「装麗賞や…うちが取られへんかったやつや」
代わりに答えた優子は寂しそうに布団を運んで奥の部屋へ行った。
>装麗賞っちゅうんは若手デザイナーの登竜門で
>直子はなんとそれを史上最年少で受賞したちゅうことでした。

― 昭和34年6月、八重子は雑誌に掲載している直子の記事をみて興奮していた。
「糸ちゃん!あんた見せてもうたで!これごっついやんか!」
「なんやドラム缶みたいな服やろ?さっぱりわからへんわ(笑)」
「色んな所から声がかかって、みんな直ちゃん直ちゃんってなるんちゃうか?
八重子は優子が来たことに気がつき声を小さくしたが
「そらかかってんで!新聞の取材やら来たんやで?
若いお客さんがここは直子さんの服変えるんですか?来るしなあ。
えらい騒ぎじょ!ほんまあん時忙しがった!なあ昌ちゃん!」
糸子は、優子に気づくも普段どおりに八重子に話すのだった。

― ある日、店にかかってきた直子からの電話に優子が出てしまう。
「はいオハラ洋装店です………直子、聞いたで…良かったな!」
優子は相手が直子だとわかると無理して明るく接する。
「うん…おおきに」
「装麗賞取れたんやったら間違いないわ!アンタはデザイナーとして大成する。
姉ちゃんはこの店を地道に守っていくよって、あんたは東京で思う存分やれるとこまでやり。あんたが華々しく活躍するのをうちは岸和田で見守らせてもらうわ。な?」
「…お母ちゃんに代わって」
「もしもし?」糸子が優子から受話器を受け取った。
「何あれ?何でほうけてんよ?アホちゃうか?ウチがちょっと装麗賞取ったくらいであんな不抜けた声で『おめでとう』とか抜かしよって!」
「何がや?何の話や?」
「姉ちゃんや!甘やかしたらあかんで!あの根性なし、どうせ毎日めそめそしてんやろ!
あんまし続くようなら『アホか!シャッキりせい!』ちゅうて怒っちゃってや!」
直子はそう言うと電話を切ってしまう。
「…何でウチがアンタにどやされなあかんねん!」受話器に向かって糸子は怒った。
>直子に言われるまでもなく、ウチもここで変な気遣いは、むしろ毒やと思てました。
>普通にしちゃあたらエエんや…普通に…

「よう!見たど!装麗賞!ごっついやんけ!これ店の一番目立つ所に飾っちゃれ!」
北村が現れ優子に豪華な花束を渡したので糸子はため息を漏らした。
「せやけど笑たで~あの山猿が装麗賞て!お前も鼻高いやろ!孝行者やど!
…おう!お前も負けちゃあったらあかんど!」
北村が優子を励ますと優子は花束で北村叩くと泣きながら店を出て行く。

― 喫茶店“太鼓”で糸子から事情を聞いた北村は気を落としていた。
「悪い事してもうたよ…」
「かめへんて。ここで周りが変に気を遣おうたところでどうなるもんでもない。
あの子が自分で乗り越えるしかないんや」糸子が北村に伝える。
「せやけど…ちょうど良かったわ、これでなんぞ買うてくれ」
そう言って北村は封筒を出した。糸子が中身を確認すると札束が入っていた。
「生地代や」
北村は年末に糸子と共同事業で作った既製品の服が完売したと伝えた。
「売れた?どこに?どこに売れたん!?」
「…それは言われへんわ。いらんこと気にせんでええねん」

― 倒れた妊婦の客の母親が優子に服の礼を言いに店に訪れる。
「おかげさんで娘、あの服よう似合うてましたわ!
ほやさかい今度はうちが注文さしてもらおう思いまして(笑)」
母親が上機嫌で優子に話すのに対して優子は表情を暗くしたままだったので
たまらず糸子が接客を交代させ昌子に任せた。
「ちょっと」糸子は怖い顔をして店の裏に優子を連れて行く。

「…もう店なんか出んでええ。お客にあんなしみったれた顔しか見せられんやったら
店なんか出な。商売の邪魔や」糸子は一喝して店に戻っていった。

― 優子が家に戻ると松田恵がテレビを観ている。
「恵さん…何さぼってんの?」
「さぼってへん。先生がええいうてくれたんや」
「あ、春太郎や!」テレビに映っているのが春太郎だと優子が気がつく。
「もう春太郎ちゃうよ。こないだ中村冬蔵を襲名しやったんや」
「うちな…小さい頃、おじいちゃんによう歌舞伎みしてもうたわ…その後でお母ちゃんが何や怒ってはった。なんや知らん『春太郎が嫌いや』ちゅうてな…」
「シッ!!」松田が凄い形相で注意した。

「…春太郎も面白い!アハハハ!(笑)」
ガタン!松田と優子は笑っていると凄い勢いで扉が開き糸子が優子を睨んだ。
「何してんや…そんな所で。誰がテレビなんか見ぃちゅうた!?
店出るなちゅうんはな、裏でテレビでも見とけちゅう意味ちゃうんや!」
「…ほな、何してたらええんよ!?どうせウチには直子ほどの才能も無い!
店に出たかて迷惑ばっかりかける!どないしょうもない役たたずの邪魔者よ!
テレビ見て笑てる以外、やる事なんかないやんか!」優子が叫んだ。
パシン!糸子は優子の頬を平手打ちをすると頬をつねった。
「どの口が言うてんや!ああ!…このアホが!ひがむんもええかげんにせえ!
東京の学校まで行かさせてもうて何不自由のう暮らさしてもうて!」
「ほっといてよ!どうせうちはアホや!役立たずや!」
「原口先生があんなけアンタを認めてくれたちゃったんちゃうんけ!
お客さんがあんたのためにまたきてくれたんちゃうんけ!
それが見えへん目はどんなけ腐ってんや!!」
「お母ちゃんにうちの気持ちなんかわからへんねん!」
2人は松田と昌子が止めるも揉み合いになってしまう。

>ちゅうちょっとした騒動があったんで、なんぞ聞きつけたご近所が
>変な気回して呼んだかと思いました。

「こんにちわ。岸和田警察のものです」2人組の男性が警察手帳を糸子達に見せた。
糸子は怪我をした小指をサッと隠した。
「小原糸子さんという方はおられますか?」
「はい…うちですけど」
「一昨日、6月10日、北村達雄を逮捕しました…その件でお話を」
店は騒然となった。


【NHK カーネーション第110回 感想・レビュー】

直子が受賞したと聞いて、その賞が『装麗賞』とピーンとくる優子。
かつて絵のコンクールで佳作しか取れなかった賞で直子が大賞をとった事が頭をよぎったんでしょうかね。優子の落ち込みがハンパありません。
何の用事で直子が電話をかけてきたかは不明ですが、たぶん優子の様子を聞こうと思ったんだと思います。直子としては、『家を継ぐため』とか、いきなり逃げ出した優子が服の世界でも弱腰になるのでは?と心配したんでしょうか。
直子としてはライバルとして対峙して欲しいと思ってるのかな?
それはそうと、テレビを観て笑ってる優子の姿がいたたまれない感じが出ていて涙出そうになりました。ここから挽回してほしいです。
北村は糸子のために?

カーネーション あらすじ 『自信』 第109回(2月11日放送)

すっかり風邪が治った直子に千代は斉藤、吉村、小沢、直子が写る写真を見せてもらう。
「ウチはホンマの本気で学校入るまで『自分を天才や』と思ちゃあったんやけどな…この子らに会うてちょっと焦った」直子は千代に照れくさそうに言った。
「ホンマ凄いんや!この三人。それぞれウチに無いもん持ってる」
「源太君もかいな?」千代は楽しそうに尋ねた。
「源太、凄いで!授業でこういうデザイン画描かされるやろ?その線がごっつい綺麗なんや…その線見てるだけで、こいつの作る服、ごっついええんやろなあて思わされるんやし」
「楽しみやな~みんな立派な洋裁師になりねんやろなあ…」
「うん。せやな…なるやろな」

直子の見舞いから帰ってきた千代はカバンから東京土産を机に並べていた。
「え!?5000円全部使うたん?何に5000円も使うんよ?観光も何もしてへんやろ!?」
糸子は驚くが千代は平然としていた。
「まあなあ…次から次からお友達が見舞いに来はるやんか
うなぎやらお寿司やらとってたらあっちゅう間に…」
「学生なんかにウナギなんか食べさせんでもええのに…」
優子が残念そうに千代に言うが糸子が小声で止めた。
「優子…言うても無駄」
糸子と優子は千代が喋っていたがそのままその場を立ち去った。

>優子が店に出始めてひと月、まあ仕事ぶりもボツボツさまになってきました。
>若いお客さんらは、むしろ優子の方が打ち解けやすいようです。
「せんせい、お願いします!」接客していた優子が糸子を呼んだ。
「いらっしゃい~こんにちわ!」店の奥から現れた糸子が客に挨拶をする。
「お客さん、おめでたなんですって!」
「そら、おめでとうございます!何ヶ月?」
「おおきに。4ヶ月なんです」若い女性客が幸せそうな表情を浮かべる。
「今度、お友達の結婚式に出るさかい、それ用にサックドレスを作りたいそうです」
「なるほど~ほな、あんた、採寸さしてもらい」
糸子に指示された優子は採寸のためカーテンで仕切られた部屋に女性客を連れて行く。
「優子、あんた…デザインやってみるか?…サックドレスやったらできるやろ?」
糸子は優子を呼び、小声で確認した。
「はい!できます!自信あります!」優子は真剣な顔で返事をした。
「ほな、やり」
「はい!」

−夜遅く、優子の部屋をあけると優子はデザインを描いていた。
床には何枚もデザイン画が散らかっている。
「どうや?見せてみ」糸子が心配そうに尋ねた。
「大丈夫。完成してから見せるから」
糸子はうなずくと襖を静かに閉めた。
>とにかく真面目で何でも完璧にやりたがりよんのはええけど

― 翌朝、昨日の客が出産後も着たいと言っていると優子は悩んでいた。
「お腹が大きいときに着るんやったらこっちやけど…戻ってからだったらこっちなんや」
「あんたな頭で考え過ぎなや…そらお客さんはお腹も大きなるし声もするし痩せもする。
考えだしたらきりないんや」糸子は朝食を食べながら優子に助言した。
「…ほなどうしたらええの?」
「お客さんの気持ちになったらわかるがな…そら来月着るときに一番よう似合うて嬉しいようこさえたらええんや…お産が済んでも着たいてそら今は思うかもしれへんけど
そん時はもうサックドレスかて廃れてるかもしらへんやないか?」
「せっかく作るもんが一回で終わりなんて嫌や!ずーっと大事に着て欲しい」
「あんたが決める事ちゃう!」糸子は優子を睨むと再び御飯を口に入れた。

― 数日後、優子が店頭で完成したサックドレスの準備をしているとに客を待っていると
先日の妊婦の客が店に訪れた。
「はれ、痩せました?」優子が女性客の外見が変化している事に気がついた。
「うん、そうなんや…つわりがヒドうてな」
その返答に優子は固まってしまう。
「ちゃうやろ…まあそらそんなとこ出て来てもうてもうしわけないなあ!」
糸子は見ていられず助け舟を出した。
>お客が痩せた事で優子の計算がややこしうなってしもたようでした。

「先生!ウチがしますよって」糸子が女性客の採寸を測ろうとしたので優子は慌てて言った。「さっさとすましや。お腹の子に障ったらえらいこっちゃで!わかってんのか!」
糸子は優子のお尻を叩いた。
優子と女性客は採寸し直すため別室に行き45分経過するころようやく出て来た。
しかし女性客は部屋から出るとめまいを起して倒れてしまう。
糸子や優子は慌てるが女性は完全に気を失っていた。

― 部屋の布団に寝かせた女性客に優子は手をついて頭を下げた。
「ホンマに…申し訳ありませんでした」
「なんで謝るん?倒れたんはウチの勝手やんか…
丁寧にやってくれたから時間がかかっただけやろ?」女性は少し笑った。
「おおきに。ホンマ…すんませんでした」優子は涙を流しながら再び頭を下げた。

― 女性を迎えに来た母親にオハラ洋装店のスタッフ全員で頭を下げて謝った。
「気にせんといてて。こっちこそ世話かけて堪忍やで…」母親がすまなそうに言った。
「おおきに。お大事にしてください」糸子は丁寧に何度も頭を下げた。
>たまたま優しいお客さんやったんは優子にとって良かったんか、わるかったんか…
>『厳しいお客で油絞られた方がためになったんちゃうけ』ちゅう気もするけど…
「ああ~よかったあ…よかった…」
糸子は一人で安堵の溜め息を吐いた。

「すんませんでした」店に戻ると優子は昌子に謝った。
「まあまあ。そらそない一足飛びに一人前にならへんて」昌子が笑って言った。
「みんな失敗しながらちょこっとずつあがって行くもんやよってなあ?」
松田恵も優子を慰めると店の電話が鳴った。
「縫い子かてな最初から何でも上手いこと行く子ほど伸びへんねん。
はじめのうちは失敗して置いた方がええんやて」
昌子が優しく優子を励ましすと、落ち込んでいた優子の表情が明るくなった。

「はれ直ちゃん。どないしたん?…え?ええどういう事?」
電話にでた松田恵があわてた様子で直子の名前を口にした。
「直子がどないしたん?」
「…何や直ちゃんがごっつい賞とったらしいわ!」
松田恵が優子に伝えると優子の表情が一気にこわばってしまうのだった。


【NHK カーネーション第109回 感想・レビュー】

優子の真面目な性格が早速、裏目に出てしまう回でした。
前回、東京の言葉を「きしょい」と指摘され、ちゃんと岸和田弁に戻っていたのが笑えます。「岸和田が普通じゃないのよ~」とか直子に言っていたのに(笑)
でも妊婦さんを確かに45分以上、立たせたままにするのは駄目ですね。
糸子や昌ちゃん、恵さんも最初は心配するけど店が忙しくて忘れてしまうのもどうかと思います。でも迎えにきた母親(だと思う)に店員総出で謝っていた時に千代も後ろで一緒に謝っていたのが、良かったです。
あと直子は、ちゃんと友人を尊敬してるところが素晴らしかった。
だから、ごっつい賞も取れたんでしょうね。

カーネーション あらすじ 『自信』 第108回(2月10日放送)

― 昭和34年、雑誌『令嬢世界』の男版『紳士世界』が創刊された。

「どや?これがアイビーや」北村は着ているアイビーの服装を糸子に披露した。
「ちょっ!恵さん…どう思う?これ」糸子は紳士世界を松田に見せた。
「この頃は男の子でも綺麗な子多いねえ~」松田が男性モデルを褒めた。
「いや、ちゃうねん!服見て!服!」
「服?…綺麗な子は何着ても似合うねえ~」
「…似合うてるかもしらんけどな、エエんかこんなんで男が!」
「は?」北村が目をパチクリさせた。
「男ちゅうんは、“ぴしゃあ”としてんとあかんやろ?だんじり曳かれへんやろ?」
「古いのう!おばはんはよぉ!…アイビーや!これからはそういう時代や!」
>北村が言うには規制の品の世界で急成長しているメーカーが
>とにかくアイビーを押してるんやそうです。
アイビーについて熱く語る北村に構わず糸子は大きなアクビをした。

そんなある日、優子が東京の学校を卒業して岸和田に帰って来る。
「へぇ~次郎ちゃんも結婚するの?」
小原家の夕食の席にいた八重子に帰ってきたばかりの優子が尋ねる。
「そうやねん、おかげさんでな~」八重子が嬉しそうに答えた。
「お嫁さん、別嬪らしいで!」糸子が優子に言った。
「お母ちゃん、来週あたり家に遊びに来たいって言ってる友達がいるんだけどいい?」
優子は照れくさそうに言うと一枚の写真を糸子に渡した。
優子から渡された写真には男前の男性が写っていた。
「見せて!ごっつい男前やんか!」昌子達は写真の男性に興奮して声を上げた。
>昌子、玉枝、八重子、千代…このおばちゃん4人は意味解ってたそうです
「アイビールックちゅうのがエエのう!見込みあるどぉ」北村が満足そうに言った。
>北村でさえ『そういうこっちゃ』と思てたそうです。

「なにも一人だけ来んかて、ようけで来ても家は布団あるんやで?
直子かて、こないだ3人も男の子連れて来てきよったしな(笑)」
糸子がそう言うと一瞬沈黙が訪れる。
「…え?」優子はワンテンポ遅れて聞き返す。
>わかってへんかったのはウチだけでした…

― その数日後
「結婚したいちゅう事ですか?」糸子は優子が連れて来た男性に尋ね返した。
「はい」男性・梶村悟がハッキリとした口調で応えた。
「結婚!結婚!結婚!」糸子の横で聡子が小さく手拍子を打った。
「何なら僕がが岸和田に来てもいいかな思うんです。優子さんがこの店を継ぐ事は僕も賛成ですし、婿入りも親に頼めば許しくれると思うです」
「せやけど…お仕事はどうしはるおつもりですか?」
「それなんですが何かお母さんのツテで紹介して貰えないでしょうか?
大阪を良く知らない僕が自分で探すのは大変だと思うんです」
梶村悟は笑顔で伝えた。
「大丈夫!お母さん顔が広いからツテなんかいくらでもあるわよ」優子が言った。

「いや…ないで?そんなもん」糸子が渋い顔をしながら言い放った。
「は?」
「ちゅうか…まあ、あるとしても無いと思といて下さい。男のお宅がやっと成人して『いよいよ社会出てたろか』ちゅう時に嫁の親のツテなんぞ当てにしたらあきません。
どうぞお宅がホンマに勤めたいと思う会社を自分で探して見つけて下さい。
…そら最初は苦労もあるかと思います。そういう事こそ後の財産になるちゅうもんやのに…先回って取ってまうような真似、ウチは、ようしませんわ(笑)」
糸子は満面の笑顔で2人に伝えた。

― 優子は梶村悟を見送るため家の外に出た。
「ごめんね…うちのお母さんたら本当に頭が固いんだから…」
「気にすんなよ。いいって」梶村は笑顔で言った。
「…泊まって行かないの?」
「やっぱり僕、人ん家に泊まるの苦手だからさ。またすぐ手紙書くよ」
>そら好きなんやったら結婚したらエエ…それも縁や。
>なんぼ気に入らんかて縁ちゅうもんは横から他人が遮ってエエもんちゃう
>良かれ悪しかれ本人が辿れる所まで辿ってる内にいずれ答は出てくる…ほんでエエんや


梶村を見送った優子は家に帰ると2階へ駆け上がった。
「コラァ!降りてこんかいな!仕事や!」
糸子が2階に向かって大声をあげると不満そうに優子が降りてきた。
「気に入らん事があるたんびに2階行ってベソかいてたら商売にならへんのやで?」
「わかってるわよ!」

>優子は結局卒業のときも首席やったそうです。
>講師として学校に残らへんかちゅう話もあったのに
>こないして約束通り岸和田に帰って来てくれました。
>焦らんでええけどな…勉強やで。

糸子は接客に失敗している優子を心の中で励ましていた。

― 東京では糸子の次女・直子が派手な部屋で寝込んでいた。
「直子!」千代が斉藤に直子の部屋の鍵を開けてもらって入ってきた。
「おばあちゃあん!」直子は千代に泣きついた。
「よしよしよし!もう大丈夫やなあ~しんどかったなあ」千代は直子を撫でた。

― 千代は直子と斉藤に卵粥を作って食べさせた。
「味…薄い事無いか?」千代は斉藤に恐る恐る尋ねる。
「いえ、うめえ~です(笑)」
「ほうか!そらよかった。アンタ無理して食べへんかてエエんやで?」
「無理なんかしてへん。美味しいさかい」直子は食べながら答えた。
「あれ?ここは電話ちゅうたらどこからかけれるんや?」
「大家さんとこにありますよ」斉藤が答えた。
「ほうか、あとでお母ちゃんに電話しとかなかな。皆でそら心配したんやで?
『一週間も熱が下がらんてどういうこっちゃ』ちゅうて」
「…ゴメンな。岸和田から遠かったやろ?」
「そら遠いけど来て良かったわ~アンタの顔見れてホッとしたわ」
千代は顔を撫でながら幸せそうに言った。

― 千代と直子は並んで布団を敷いて寝ていた。
「はあ…この部屋神戸箱みたいなあ…」千代は派手な部屋を見ながら言った。
「神戸箱て?」
「そう言う箱がな、昔家にあったんや…神戸の曾おばあちゃんがな、糸子らに、そら素敵なもんをようさん送ってきてくれて…生きていたら、そらアンタらにも色々送ってくれた事やろな~とにかく人に物送るのが大好きな人やったん」
「惜しい事した?」
「ホンマやな(笑)」千代はクスリと笑った。
「…けどウチは…おばあちゃんがおったら十分や…」
「うれしいなあ…」
「おばあちゃん…長生きしてな」直子は涙ぐむのを隠すように寝返りを打った。
「…うん。…任しとき」千代は涙を流して直子の頭をなでた。


【NHK カーネーション第108回 感想・レビュー】

直子は、お祖母ちゃんの千代が大好きなんですね。
そういや、直子が小さい頃(二宮星時代)に千代と布団を敷きながら枕で遊んでいたシーンがあったのを思い出しました。
千代が派手で色んなもの(よく見えなかった)を見て『神戸箱』(参考:第26回『私を見て』)と言ったのが何かジーンときました。不気味だったり意味がわからない物を『素敵なもん』と言って上げる千代、最高のお祖母ちゃんです。是非、長生きしてもらいたいです。
本日、出てきた優子の彼氏、思わず吹き出しました(笑)
それに比べて直子の看病をする斉藤君…いいヤツですね。

カーネーション あらすじ 『自信』 第107回(2月9日放送)

>わるない…何もわるない!
>ここがくびれてフワッと広がる…女を一番きれいに見せる形や。
糸子は北村に提案したスタイル画を見つめていた。

>せやけど…
「あの~サックドレス作って欲しいんですけど」
オハラ洋装店にやってきた2人組の女性客が雑誌の切り抜きを昌子に見せた。
「先生~!お願います。今日も朝から3件もありましたわ。サックドレスの注文」
昌子からバトンタッチされた糸子は笑顔で女性達の注文を受ける。

― 糸子は喫茶店“太鼓”で八重子に相談した。
「こんな不安はじめてや…」糸子は難しい顔をした。
「…全然、悪い事ないで?これうちは欲しいけどな~」
八重子が糸子のスタイル画を見て感想を伝える。
「サックドレスの注文、この一週間で倍に増えて昨日なんか8割超えたんや…
…読み違えた。サックドレスは思てたよりずっと早よ大阪に届いたっちゅう事や」
「この商品はもう仕上がってしもうたん?」
「100着25万円分…今頃、北村が問屋、走り回ってるやろけど…売れてるとは思えへん
…うちやってもうたかもしれん」糸子はうな垂れてしまう。
「まあまあ、糸ちゃん。そない思い詰めなて。あかんかっても取り返したらええやんか」
八重子は糸子を慰めるが糸子の表情は暗いままだった。
「一番ショックなんは、どないしてもサックドレスがええと思われへんことなんや…ウチは…世の中に遅れとってしもうてる…間違いのう…」

― 夕方、糸子が家に帰ると千代達と楽しく夕食を食べている北村がいた。
「おう!」北村は糸子を見ると機嫌よく挨拶をした。
「何や…またあんた来てたんけ」
北村は千代達と楽しく会話をしていたが商売の話が出てこない事に糸子は気がつく。

「…売れへんかったんけ?」
夕食後、店で北村と2人で酒を飲む糸子は静かに尋ねた。
「何でわかんよ?」
「わかるわ、そら」
「3日で15軒回って大口は全滅や…小口も古いや遅れてるや散々言われてわ」
「残った分…全部、買い取っちゃら。…ウチの責任や」
「は?格好つけんなよ。たかがこんな岸和田の小さい店の女店主がよう…お互いの損で痛み分けや、そんでええがな」
「…うちが甘かった。また一からで直し、勉強や…
あんたにはホンマ悪い事したな…堪忍。このとおりや」糸子は北村に頭を下げた。
「…うっわ!うわうわうあ気色悪う…えらいもん見てしもうたがな!
あかんあかん!酒で清めんな偉い事になるぞ!」北村は酒を一気に飲み干した。

― 夏休みに入った直子が友達を連れて帰って来るという連絡が入る。
友達とは例の男の子3人の事で千代はおおいに張り切っているのだった。
「ハンバーグとトンカツとウナギとお寿司をとろか思てんや…」
千代が昌子と糸子に献立を言ってみた。
「多すぎるわ!」
「学生でしょ?ほんなもん芋の煮っ転がしで十分ですよ!」

>なんぼ言うてもお母ちゃんは聞く耳持たず…
「何をどんなけ食わせるつもりや…」
千代が鼻歌を歌いながら用意している食料を糸子は見て呟いた。

「こんにちは。初めまして僕ら直子さんの東京の同級生で…」
オハラ洋装店に直子の同級生3人がやってきた。
「まあまあ!いっらしゃーい!…あれ?直子は?」
糸子は笑顔で迎えるが直子がいないことに気がついた。
「そこの下駄屋のご主人と喋っておられて『先行ってくれ』って言われたもんで」
「そうですか。まあ遠いところをようこそ!ま、あがって下さい」
糸子は直子に構わずに3人を家に案内した。
>このジャガイモみたいなんが斉藤君で、ちょっと大人っぽいのが吉村君で。
>この優しそうなんが小沢君やな。みんな、よさそうな子や。
家に入っていく3人を糸子が観察していると直子が帰ってきた。
「ただいま」
「…………」派手な服を着て厚化粧をした直子を見て糸子が固まる。
「…ひょっとして…え?…直子か?」直子に近づいて顔をまじまじと見た。
「ただいま」直子は、もう一度糸子に言うと友人達に荷物を二階の部屋へ置くために階段を上がって行った。
「何やあんたそれ…何が…どないしたんや一体!?」

>お化けや…お化けがトンカツ食べてる…
糸子は直子がトンカツを食べている姿を呆然と見ていた。
「ところでお母さん、立体裁断されてるて本当ですか?」吉村が尋ねた。
「立体裁断?」糸子は"立体裁断という初めて聞く単語に首をかしげた。
「お母ちゃんの服の作り方や。お客さんの体に直接布当てて切るやろ?」直子が説明する。
「ああ~あれ立体裁断ちゅうんけ?」
「僕らまさにその立体裁断を習い始めた所なんですよ!」
「国内ではやる人はほとんどおらんけど、パリでは、むしろ主流なんじゃそうです」
「ピエールカルダンが来日したときに実演したらしく、実に合理的というんで授業に取り入れる事になったんです」
吉村、小沢、斉藤は立体裁断について糸子に説明した。
「それを我流で始められたって本当にすごいな!
「天才的じゃあ!」
直子は母を褒める友人と喜ぶ糸子を見ていた。
「せっかちなだけや(笑)」糸子は機嫌よく謙遜した。

その後、糸子は直子の友人達の目の前で実際に立体裁断を実演してみせた。
「ホンマ、我流やよって授業のとはちがうかもしれへんで?」
学生達は熱心にノートをとりながら糸子の技を観察する。
「ここは真直ぐ切ったらアカン、ちょっと斜めや。あとで後の布が来るからな…」
糸子が裁断をしながら説明するたびに斉藤達はうなづきながらノートに書き込むが直子だけはノートをとらずに母・糸子をジーッと見ているのだった。


【NHK カーネーション第107回 感想・レビュー】

物凄い熱心にノートを取ってたところをみると直子の友達は遊びに来たというより、直子からきいた糸子の技術とかを見に来たのかもしれませんね。
それと斉藤君達、サンローランやピエールカルダンといったブランドの名前をビシバシだしてきますね。そもそもどこ出身なんでしょうか。
まだ先はわかりませんが、今日、直子が糸子を見つめていたのは、母親としてではなくライバルとしてみていたのかな?北村の懸念した通り?

カーネーション あらすじ 『自信』 第106回(2月8日放送)

『お母ちゃん、いよいよ学校がはじまりました。
入学式の朝、直子はやっぱりセーラー服を着て…ずいぶんしょぼくれた顔で出かけてったんだけど…夕方、アパートに帰ったらなんだか変な子を連れてきてました。』

『何考えてんの!男の子をウチに入れるなんて!…って思ったんだけど、せっかくできた友達だから我慢する事にしてあげました。それにしても直子もその子も…一体ウチの学校に何しに来たの?ってくらいイカして無さのよ』

― 泉州繊維商業組合の事務所で組合長の三浦は糸子のグラスに洋酒を注いだ。
「いや~そらオモロイ話やなあ!乾杯や!」
糸子と北村と三浦の三人は事務所で気分よく酒を飲んだ。
「小原大先生に付いてもうたらもう心強いな!」三浦は嬉しそうに言った。
「この人の商売は正直どうでもエエんですけど(笑)」
「どうでもええてなんやねん!」北村が糸子にツッコミをいれる。
「組合長の厚意に応えられるちゅうんが嬉しいです…応援してもうてありがたい思てます」
糸子は三浦に感謝の気持ちを伝えた。
「ほれ、なんやかんや言うても…アンタ一番古うからの知り合いさかいな。身びいきもでるわな。内緒やで?」
「何ぞこいつにひいきしたんですか?」北村が三浦に尋ねた。
「知らーん(笑)」三浦と糸子はしらをきった。

>楽しい祝杯あげて帰って来たのに…何や、どっか気持ちが晴れませんでした。
>暗あて重たい…何やこれ…?

家に帰ってきた糸子は台所の電気をつけ、封筒からノートを取り出した。
ノートに貼ってあるトラペーズラインの写真を見てページをめくる手が止まる。
>…ああ、やっぱしこれや…
トラペーズラインの良さが理解できないという事が気になっていた。
>分からんもんはしょうもないて無視したい…けどわからへんウチが悪いかもしらん
>サンローランは21歳…うちも誰よりも自分が時代の先を分かってると思っていた。
>あの自信はなんやったんや…21歳がホンマにそないに解ってるもんやろか?


糸子は安岡美容室に訪れ、玉枝に訪ねてみた。
「21歳のとき?」玉枝は糸子に聞き返した。
「…うん。ウチどない見えた?ようもの分かってる様に見えた?」
玉枝は祝言の日まで仕事をして遅刻し皆に怒られた事等を挙げた。
「…ようもの解ってる様には見えんかったなあ…」
>スッキリした!21歳は間違いのうアホや!21歳なんぞ何も怖がる事無い。
玉枝から自分の21歳の頃の話を聞いて晴れやかな顔で店に戻った。

「やめときましょうよ!そんな桁のちゃう商売。無茶です!」
北村との商売の話を聞いた昌子が言った。
「何も無茶ちゃうて。縫製と販売は北村社長がやる言うてんや。
うちは生地代だけ出したらあと売り上げの一割帰って来るんやで?」
「先生、万が一…外したら…」会計・松田恵も不安そうに糸子に訴えた。
「外さへん!うちがデザインするんや!しかも生地は一級品…絶対勝てるて」
>自信もってウチなりの商売やったらええんや!

『お母ちゃん,聞いて下さい。今日アパートに帰ったら…男が増えてたの』
― 優子が連れて来た男子学生の吉村が卵を持って熱く語った。
「僕はね…この卵の曲線に宇宙を感じるんだよ!」
「そう!この卵には全部入ってます!」教師の原口が続いた。
本当に冗談じゃないわよ!…はい!さあどうぞー食べて下さいね」
優子は直子が連れて来た男子生徒と原口に用意したつまみを出した。

「君達!小原直子君の姉上は入学以来万年主席の優等生なんだぞ!」
原口は男子生徒に優子のことを説明する。
「やだ先生!たいした事無いですよ私なんか、生真面目なだけで(笑)」
優子は照れ笑いを浮かべた。
「たいしたもんじゃなあ…」男子生徒達が優子を羨望の眼差しで見つめた。
そんな中、直子がボソリと優子について呟いた。
「…ホンマに真面目なだけやで?点取りが上手いだけで別に才能があるわけちゃう」
直子が発した言葉で全員言葉を失ってしまう。

「お…お姉さん、やっぱりそれディオールですか?」
「トラペーズラインでしょ?ね!」
気を使った男子生徒達が話題を優子の服に変えた。
「ああ…そうなの。これ自分で縫ったのよ。ディオールなんて買えやしないもの(笑)」
「人気ですよね?サックドレス」
「サンローランはやっぱり凄い!次何出すかワクワクするよ」
「ふーん、やっぱり皆流石にうちの生徒ね」優子は男子生徒に感心した。
「優子君!彼らはウチの学校が初めてとった男子学生だろ?確かに見かけはパッとしないんだけども…これが驚く程粒ぞろいでね~これから必ず彼らが時代を切り開いて行くよ!」
原口が男子生徒達について説明する。
「でも先生、直子も凄いです」斉藤が直子について褒めた。
「そう!直子も凄い!」原口が斉藤の行った事に賛成した。

「そうですか?私にはただの出来の悪い妹にしか…(笑)
ウチの学生なのにこんなボロボロのセーラー服なんか着て…恥ずかしいったらね(笑)」
優子はさっきのお返しとばかりに直子の事を言った。
「うるさいんじゃ!うちは姉ちゃんみたいに能天気ちゃうねん!」直子が声を上げた。
「はあ!?能天気!?」
「何がトラペーズラインや…よう他人がデザインした服着てヘラヘラしてられんな。
この道進むて決めた瞬間からウチらはデザイナーなんや。何着るかはそのままデザイナーとしての面構えなんや。自分の面構えも決まってへんのによその服真似して喜んでる場合ちゃうんじゃ!ほんなことも分からへんけ!?」
「なにぃ!この!もう一回言うてみぃ!!」
「何回でも言うたらぁ!半端者の根性なし!あんたなんかなぁ店継ぐ資格ないんじゃ!」
優子と直子の言い合いがヒートアップしたので原口達全員で二人を止めた。

― 散らかった部屋の後片付けを斉藤がやる横で優子は泣きながら手紙に書いた。
『…私には直子は手に負えません』

>そんな手紙が優子から着ました。
>けんかの内容はどうでもようて…そんなことより気になったんは…
『トラペーズラインでしょ?』
『人気ですよね?サックドレス』

>ここや…


【NHK カーネーション第106回 感想・レビュー】

糸子の考え方が凄かったです。
昨日、聡子がテニスで新聞に載ったことよりも上物の生地について頭が一杯。
今日、優子から悲痛な手紙が来てもトラペーズラインで頭が一杯。
うーん、やはり成功者とはこうあるべきなのかと考えさせられます。
優子を困らせる直子ですが…女優さんが女子プロレスラーということだけあって、若干本当に怖いです(笑)。どうしても南海キャンディーズの“しずちゃん”に見えてしまいますが、言ってることは『なるほど!』と思ってしまいます。
今日から登場しているパッとしない斉藤君ですが、直子と考え方が同じなんでしょうね。
最後、残って散らかった部屋の後片付けを一人でやっているところが可愛いです(笑)
それにしても優子がなんだかかわいそうな展開が続きますね~

カーネーション あらすじ 『自信』 第105回(2月7日放送)

糸子は優子から届いたの手紙を開いた。

『お母ちゃん、元気ですか?直子とは無事に東京駅会えました…』
― 優子は直子を東京駅から住んでいるアパートに連れて帰ってきた。
「あんたの荷物、そこに積んどいたから」優子が説明する。
「疲れた」直子は家に着くとすぐに布団を敷いて寝てしまう。
「ところで、なんであんたセーラー服なの?」
直子は優子の問いに答えずにそのまま寝てしまうのだった。

『直子は、とにかく東京で自分が馬鹿にされやしないかって凄く気にしているみたい…』
「せっかくなんだからアンタも来ればいいじゃないの?
何着ていいのか分からなかったら私の貸してあげるわよ?」
「…いらん。姉ちゃんの服なんか格好悪くて着られへんわ!」直子は不機嫌そうに応えた。
「は?…もう知らない!勝手にしなさい!」頭にきた優子は部屋を出て行った。

『外に出ないなら家に友達を連れてきたらと思ってたら、またセーラー服着て…』
優子の家に遊びに来た友人達がセーラー服を着て部屋の隅で座っている直子に話しかけるが直子は一言も喋らずに首を横に振ったりするだけだった。
「なんでしゃべんないのよ?」友人が帰った後に優子が直子に尋ねた。
「岸和田弁が恥ずかしいんでしょ?わかるわよ私にも経験あるから。
…ま、慣れるしかないわね」
それまで絵を描いていた直子は鉛筆を置くと大の字で寝てしまう。
『…本当、変な子です』

― ある日、糸子を含めた女性経営者達4人が組合の事務所で談笑していた。
「見た!?例のトラペーズライン!」女性経営者の一人が言った。
「ひどいなあ!21の若造が考えそうな事や!」
「けどうちの娘と一つしか違わへん!…うちが看板あげたんも21や!」
糸子が思い出したように言った。
「そやかて、ウチらの頃の21と今の子はちゃうで?」
女性達が話に盛り上がっていると組合長の三浦が事務所に入ってきた。
「…アンタら相変わらずかしましいなあ…表まで声、筒抜けや!」
「ハハハ!すんません組合長(笑)」一同は笑いながら三浦に謝った。
女性経営者達は仕事があるからと解散するが三浦は糸子に少し残るように求めた。

「ああ!上物ですわ。うん!…これ舶来物でしょ?」
糸子はスーツ姿の男性が出した生地に感心していた。
「はい、フランスです」スーツの男性が応えた。
「はあ~高そうやなあ…」
「ダブル幅の50メートル巻1反1万2千円です」
「1万2千円!?そない安いんですか!?」糸子は驚いた。
「…ただし条件があるんです。10反を即金で買ってもらえたらというのが…」
「無理け?」横に座っていた三浦が糸子に尋ねた。
「いや~買えん事はないですけど…50メール巻…どうやろうなあ」糸子は難しい顔をした。
「アンタとこ一軒でさばけへんやったら他所の店と分けてさばいてかまへん!
ただワシとしては、こんな上物、この値段や!これごっつい目玉になると思うんや」
とりあえず一番に知らせちゃろと思てな…それだけや」三浦が照れくさそうに言った。
「そら、おおきに」糸子は三浦に礼を言った。

― 糸子の三女・聡子が帰宅途中に出会った木之元栄作に挨拶をした。。
「おっちゃん、ただいま!」
「聡ちゃん!新聞見たで!凄いやんか!『テニスの強豪和泉女子高に大型新人が入部』ちゅうて…中学の大会でなんべんも優勝してんやて?糸ちゃんも何も言わへんし…」
木之元は興奮しながら喋った。
「お母ちゃんはうちのテニスなんか全然興味ないさかい(笑)」

聡子が家に帰宅すると千代も木之元同様に興奮しながら聡子を出迎えた。
「載ってたで~今日の新聞!ええ事書いてもうてた(笑)おばあちゃん、鼻が高いわ」
千代に褒められていた聡子は台所の隅に積んであるイチゴの箱を発見する。
「イチゴや!」
「北村さんがまた送って来てくれてん」
聡子はイチゴを持って居間に行くと糸子は頬杖をついて考え事をしていた。
「お母ちゃん、今日の新聞みた?うち載ってんで?」
「ああ、載ってたなあ…昌ちゃんらが偉いじゃったてわ~…なんか方法ないか」
糸子は聡子の事より生地10反のことで頭が一杯だった。
しかし、聡子が後ろで何かを食べる音がしたので振り返った。
「…あれ?イチゴがなんかあんの?」
「また北村のおっちゃんが送ってくれてんて」
「北村か…北村…北村…北村」糸子はそのまま仰向けに寝転がった。
「…よっしゃ!それや!」

― 喫茶店に入った北村はテレビでプロ野球の巨人戦が放送されている事に気がつき、つい見入ってしまう。それを見ていた糸子が北村に声をかけた。
「コラ!はよ座って!うち忙しいんや!」
「…自分から呼び出しておいて…偉そうやのう…」
北村はブツブツ言いながら糸子のテーブルに着いた。

「こないだ言うてた話…既製品で大きい商売しかけるちゅうてたやろ?」
「…お前、その気になったんけ?」
「いや、まだ分からへんけどな…とにかく聞かせてみいちゅうてんや」
「あの既製品商売ちゅうのは全国でごっつい伸びてんねや。ワイんとこも工場二回増築してミシン10台、縫い子26人、店もみつにしたやろ…売り上げが天井知らずや。天井くらい知っといた方がええんちゃうかと思うけどな、もう知るかいうて…」
「自慢はええんじゃ!…続き」糸子は北村の手を叩いた。
「工場は大きなったやろ。百貨店、大口の問屋とも顔はつながった…あとは何を作るかちゅうことだけや。確実にさばける型、これさえあったらボロいねん!
そこでオハラ先生のご教授を願いたいな思ちゃあんねや」
そして北村は先日糸子が良くないと言った“トラペーズライン”について再度、確認した。

「…サックドレスちゅうて、これ東京ではごっつ売りに出されてるらしいど?」
「あかんて!こんなもん!…そもそも東京の流行は大体半年遅れて東京に来るもんや。
ほんで東京で売れたかて大阪で売れると限らへん!
大阪には大阪の人間ちゅうの気質ちゅうんがあるんや。
トラペーズは大阪では絶対流行れへん!」
「要するによ…この話乗るちゅうことけ?」
「…まあな」糸子は面白くなさそうな顔をした。
「よっしゃー!!」北村は大声を上げて喜ぶ。
「…組合長から上物の生地買えへんかちゅうて相談されたんや。それが10反あってやな…流石にウチだけではようさばかれへん思たけどその話やったらさばけるやろ?」
「いけるで…」北村はニヤリとした。
「『一石二鳥』や」
「ふふふふ…」北村と糸子は互いに静かに笑った。


【NHK カーネーション第105回 感想・レビュー】

直子の変わり者度が、これまた物凄いですね…
先々週まで二宮星ちゃんが演じていた頃から比べると本当に変わり者になってしまったんだな~と思わずにいられません(笑)
…ちょっと心の病気を患ってるレベルなんじゃ…
まあ、天才というのはこういう気質が備わっているものなのかも。
そんな直子と対照的なのが三女の聡子。
安田美紗子さんは聡子がはまってますね~素でいってる?
あんな明るい子だったら、そら町内でも人気者になるでしょう。
木之元のおっちゃんとのやりとりも最高でした。
木「サーブや!」
聡「スマッシュや!」
木「わぁ~お!」←“ますだおかだ”の岡田みたいでした(笑)

カーネーション あらすじ 『自信』 第104回(2月6日放送)

「こんにちわ~」昭和33年、糸子は安岡美容院を訪れた。
「…糸ちゃん…いらっしゃ…い」
八重子は慌てて理容していた客を体で隠すが、糸子にバレてしまう。
「あ!あんた何パーマなんかあててんや!!」
直子がパーマをあてている姿を見て糸子の表情が変わる。
「ええやん!高校も卒業したんやし…」直子が口をとがらせたながら言った。
「あかん!スネッかじりが!パーマなんぞ100年早いわ!」
「せやけど!こんな頭で東京行ったら田舎モンやてバカにされる」
「田舎モンで何が悪いんや。岸和田より東京が偉いて誰が決めたんや!言うてみ!」
「お母ちゃんにはかなわへんわ。…カットで我慢しよっか!(笑)」
八重子はスタッフに直子のパーマをやめるように指示をした。

「何で、こんな時に来るんよ~」直子はふてくされてしまう。
「せや!こんなで来たんちゃうかった!八重子さん!よう見せて!」
「おかげさんでなあ、センスが良くてモダンやてお客さんにも評判なんやし(笑)」
「せやろ?うちもごっつい自信作や~(笑)」
>この春、八重子さんに頼まれて安岡美容室の制服を一新しました。

「せや!糸ちゃん!ディオールの最新のデザイン見た?」
糸子は八重子と雑誌に掲載されていたフランスのデザイナーである“ディオール”と“サンローラン”のデザインを見て話し合う。
「…何これ?こんなん、ただのアッパッパやん!」糸子は写真の服を見て言った。
「せやろ?トラペーズラインとかいうらしいんやけど…台形ちゅう意味らしいねん」
「あかんわ!『ただのアッパッッパやで』ちゅうて誰か怒っちゃったらエエのにな!」
残念がる糸子の後ろで直子はまだパーマをあてられなくなったことに落ち込んでいた。

>変なとこで妙に気にしいの直子は
「あんた荷造り、まだすんでへんけ!?」
「東京に持って行ける服ない!」
>急にこんなことを言い出します。

「コラ!聡子!うちの階段で足鍛えんなちゅうたやろ!」
糸子は階段を行き来する聡子を注意した。
「はあ…」大きくなった聡子が不思議そうな顔で返答する。
>聡子はネジ五本くらい抜けてるようなカオして、これで案外テニスは強いらしい。

糸子が居間に戻ると北村と千代がお茶を飲みながら談笑していた。
「コラ!誰の許しをもろて勝手に家あがってんじゃ!」糸子は北村に言った。
「昌子が言うさかい…ワイかて、ごっつい忙しいのに上がっちゃったやんけ!」
「ほな北村さん、今日はええ塩辛がありますよって。あとで」
千代は微笑んで席を立った。
「あら!そんなお母ちゃん構わんとってよ~(笑)」
「ないない!こいつに食わせる塩からなんかない!」糸子は台所へ言った千代に言った。
その隙に北村は胸ポケットから手帳を出すと名前を確認した。
「ところでよ“サンローラン”が新作出したの見たけ?春夏のトラペーズライン!」
「…なんで知ってんや?」糸子は意外に思って北村に尋ねる。
「常識でしょう!ワイもこの道10年やってるさかいのう!
ワイとこの店も売り上げ伸ばしてんやし…レディメードはこれからもまだまだ伸びる!
…せやからよ…ワイここいらでよ、一発勝負かけちゃろ思てやんし」
「ほうけ?」糸子は興味なさそうに言った。
「ほんでやな…わいと組まへんか?」
「嫌じゃ!何が悲しくてホラ吹き男と手組まなあかんねん」
糸子は、そのまま体を横にした。
「ワイは商売ではホラ吹いた事無いちゅうねん!」

「あ、ええとこきた、あとこいつの相手をして」
糸子は降りてきた直子に北村に相手をするように言う。
「知ってけ?トラペーズライン…今年のディオールの新作や」
北村は雑誌を取り出し直子に見せた。
「…ええな」直子は写真をみて短く言った。
「せやろ?おっちゃん、夏に向けて一発打ち上げちゃろ思てんやし」
「こら!ええかげんな事言うな!どこがええんやそんなアッパッッパ!」
直子の反応に驚いた糸子は直子を注意する。
「そんな事ないで?ええで」直子は糸子にもう一度伝えた。
「…分かってへんな。日本人が来ている所想像してみ?腰のくびれもない丈も中途半端…こんなもんこさえたかて売れるかいな!」
興奮した糸子は体を起して力説を始める。
「ほな、どんなんやったら売れるちゅうのよ?」北村が尋ねた。
「今まで通りののこう…やめとこ…なんで説明せなあかんねん」糸子は再び体を横にした。
「ええんやけどな…これ」
直子が三度服のデザインを褒めたので糸子は直子をみつめた。

― 直子が東京へ旅立つ日、朝から直子は東京へ行く服について決めかねていた。
糸子に注意されると、しばらくして直子がセーラー服を着て降りて来る。
「あんた…あんだけ騒いで結局それかいな…」
「中途半端な格好しか、でけへんやったらこれのがマシや」直子は仏壇に手を合わせた。
>はあ~このけったいな見栄っ張り、誰に似たんやろな?
糸子は父・善作、祖母・ハル、夫・勝の写真を見た。

>ほんなややこしい娘でも、おらんようになってまうと…寂しいもんやなあ…
直子を駅まで送った後、糸子は直子が使っていた机の上にてを置いた。
机の上にあるノートを取り出し、“小原直子”と書かれた名前を指でたどった。

― そんなある日
「せーの…ほい!」糸子が布をめくり上げるとテレビが現れた。
「わあー!!」テレビの前に集まっていた千代や縫い子達、木之元、気岡は歓声をあげる。
>とうとうウチもテレビジョンを買いました!
糸子達は早速テレビをつけ“のど自慢”を観て皆で楽しく大合唱するのだった。


【NHK カーネーション第104回 感想・レビュー】

聡子だけ一週間で役者交代…いいと思います。
とてもよく天然さが受けつかがれているキャスティングかと。
今日は、優子が出なくて直子が昔の糸子とダブるようなシーンが数多くありましたね。
先週末に北村の顔を見て「その方がオモロイ」って不敵に笑うところは善作、今日の服とかで悩んで部屋で寝転がるのは糸子と…とてもわかりやすくDNAを受け継いでます(笑)
優子は静子に似てるから先週に少し静子が出てたのかな?
直子が居なくなって寂しくてテレビを買う糸子ですが、昔、善作もそんな理由でラジオを購入してましたね。いやいや、こういう演出好きです。

カーネーション あらすじ 『ライバル』 第103回(2月4日放送)

「ついでがあったもんですからね~厚かましいとは思ったんですが寄らせて頂きました」
原口は上機嫌に糸子に挨拶をした。
「まあ!あがって下さい!何もありませんけど」糸子も愛想よく招き入れる。

「はあー!素晴しい!一流の生地を揃えておりますな!」
原口はオハラ洋装店の店頭に並んでいる生地を見て大声を出した。
「流石!…うちは生地だけは最高の物を扱う様にしてます(笑)」
「元は呉服屋さんでいらっしゃったとか」
「そうなんです~父がやってました。呉服屋はとにかく反物勝負やさかいその気質がうちにも残ってやんと思います」
「うーん!なるほど!!」

一方、突然の原口の訪問に千代は店の奥でうろたえていた。
「そんなわざわざ…優子はまだお嫁に行く歳ちゃうし…年離れてるし…」
「おばあちゃん、何の話!?」千代の慌てようをみた直子が声をかけた。
「直ちゃん~勘違いかもしれへんけど…結婚の申し込みに来たんとちゃうか?」
そして千代はそのまま泣き出してしまう。

糸子達は原口を囲んで夕食を食べる事になる。
「いや~皆さん!デザインの力というのは物凄いものですねー!」
原口は酒を飲みながら機嫌よく熱弁をふるっていた。
「そう!先生!わしもデザインが気に入らなくて電気屋辞めたんです!」
木之元栄作が賛同した。
>優子がかぶれるだけあって確かに原口先生はごっつええ先生でした。

2時を回ると千代や栄作達はすっかり寝てしまうが原口の熱弁は止まらないでいた。
「これからはですね広い視野を持たないと。私は今ヨーロッパから目が離せません!」
原口の話を聞いているのは糸子と昌子、そして直子だけだった。
「あれー!もう二時!?」原口は時間に気が着くと驚いた。
糸子は原口に泊まっていく様に言い寝室(直子と聡子の部屋)に案内した。

寝室に入ると原口は壁にかけてある絵を見て驚いた。
「ほぉー!こ…これは!!これはどなたが描かれたんですか!?」
「これは次女です。直子の絵です」糸子が答えると直子が原口の寝室にやってくる。
「…君か!?君が描いたのかい!?」
「はい」
「あとはアンタらお話しい」糸子は直子を部屋に残して襖を閉めた。
>結局、朝方まで原口先生は直子と絵の話をしたようでした。

― 翌朝、千代に壁の“亀裂”を相談された原口は直子にペインティングナイフを借りて修復作業をしていた。その姿を直子は後ろで黙って見ていた。

「君は高校出たらどうするんだい?」原口は作業しながら尋ねた。
「美大にいきます」
「美大か…だけどお母さんの跡を継ぐなら美大は遠回りじゃないかい?お姉さんの様にすぐに服飾の専門学校に進んだ方が早いよ」
「跡なんか継ぎません。ウチは画家になるんです」
「あ…そうか、それは悪かったね(笑)…君は服よりも絵が好きってことか」
「いや…そういう訳でもないけど…店はもう姉ちゃんが継ぐって格好つけてるし…」
「なるほど。…じゃあ継がないで自分の店を持てばいいじゃないか…
「え?」
「それもそれで格好いい」

「…先生、もしうちが東京に行ったら教えてくれますか?」
「うん。…いいよ」原口はにっこりと笑った。

糸子は、原口を見送る直子の表情に気が着いた。
>直子はホンマに嬉しいと笑ってんのか怒ってんのか分からんようになる事があって
>こん時はどっちか解りませんでした。やっとどっちかわかったんかその夜…


「お母ちゃん、高校卒業したら東京へ行かさせて下さい。
お姉ちゃんと同じ学校へ行って原口先生のご指導を受けたいと思います。お願いします!」
直子はラジオを聴いていた糸子に土下座した。
「…そら、まあ…ええけど」糸子が答えると直子は不気味に笑った。

― 喫茶店“太鼓”で直子と聡子は北村にホットケーキを食べさせてもらっていた。
北村は優子と直子が糸子の跡を継がないと言っていた事を指摘した。
「…せやけどよう考えよ?
おかんとおねえと一緒の仕事ちゅうことは案外キツい話やど?
いっぺん同じ土俵にたったらな身内や言うてもお互い敵になるっちゅうことやからな。
おかともおねえとも…いつか闘わなあかん日が来るかもしれんど?」
「かまへん」直子は即答した。
「…ちっとは離れちゃあた方が気ぃは楽ちゃうか?」
「そら楽かもしれんけど…楽ちゃう方が…オモロい」
北村は言葉を失っていると聡子が北村の食べ物を凝視していることに気が着いた。
「…食えや!もう!言え!」

― 昭和33年元旦。
「ちょっと、このお豆さん、食べてみて。今年はうまくでけたんや」
千代は二人の孫を連れて来た糸子の妹・静子に黒豆を試食させた。
「うん、いや、美味しいわ!」

「はあ?嫌や!困るわ!そんなん勝手に決められたかて!」
優子は、興奮して大声をあげてしまう。
「何が困る事あるんよ?妹が一緒に住む様になるだけのこっちゃないか…
うちは東京の家賃2人分払える程お金ないんや」糸子はなだめようとする。

「大体、あんたは絵描きになるんちゃうんけ!?」
そ知らぬ顔でミカンを食べている直子を優子は睨んだ。
「…なんや知らん。考え変えよったんや」糸子が答える。
「なんで今更洋裁なんか始めるんよ!洋裁はうちの道や!」
「うちの道て1人しか通れん道ちゃうがな。一緒に仲よう目指したらええやろ?」
「嫌や!絶対嫌や!!」
「はあ?何がそこまで嫌なんや?」糸子は首を傾げる。

「姉ちゃんはな…うちの才能が怖いんや…」直子が不敵な笑みを浮かべた。
優子はみかんを直子に投げつけると勢いよく外に出て行って号泣してしまう。

>優子が笑たら直子が泣き、直子が笑たら優子が泣く
>お父ちゃん、おばあちゃん、勝さん、…手に負えんわ。


【NHK カーネーション第103回 感想・レビュー】

もう誰が主人公かわからない展開になってきましたね。
原口先生、特に用事も無く寄った割りに直子の人生を変えていくとは…
最初、フジテレビの天達(アマタツ)かと思った(笑)
そんな天達先生、「なるほど!」「こ…これは!」等いちいちオーバーリアクションがウザ過ぎと思ったら直子に「それもそれでカッコいい」…直子が進路を変えるのもわかる渋さ。
直子が服飾の進路を選んだ理由が原口先生に惹かれてなの何となくわかったんですが、どこかに優子に勝ちたいという願望もあったと思いました。
そして優子が最後、泣いてしまう理由ですが…いまいち判りません。
本当に直子の才能が怖かったのでしょうか…それとも単に目障りに感じた?
この2人の関係が面白くなってきましたよ。
あ、あと静子は今日限定の復活なのかな?

カーネーション あらすじ 『ライバル』 第102回(2月3日放送)

昭和32年(1957年)秋、20歳になった優子が東京から帰って来た。
小原家では優子を囲んで美代や八重子、玉枝も加わり夕食を食べていた。
「ただいま~!」テニスですっかり日焼けした聡子も帰ってきて夕食に加わった。

「続いてんだ…強いの?」
優子は聡子がテニスを続けている事を喜んだ。
「まあまあや(笑)」聡子は照れくさそうに答えた。
「…強いらしいで?こないだかて大会1位やもん」直子が言った。
「凄いじゃない!直子はどうなのよ?」
「…その前に何なん?その喋り方…気色悪いんやけど。普通に喋りぃや」
直子は優子の言葉使いを指摘した。
「ちょっと普通ってなによ(笑)あのね世間じゃ岸和田弁の方が普通じゃないのよ?」
「は?格好つけなよ!」
直子と優子が言い合いになりそうになったので糸子は止めた。
「直子もなあ、絵が凄いんやで?賞とったしなあ?」千代が直子の絵の話に戻した。
「毎朝新聞の大賞や。姉ちゃんが佳作になったやつ」
直子は勝ち誇った表情をすると優子の表情が僅かに曇った。

>優子が東京へ行って二年、最初の頃こそ弱音を吐いていたものの
>この頃はいっぱしの東京娘のような顔で帰ってくるようになりました。

ある日、店の客を頭を下げて見送る糸子に優子は切り出した。
「そんなにいちいちお客に頭を下げる事なんかないわよ。洋裁師ってもっと誇りを持った方が良いと思うわ。原口先生もそう仰ってた」
「…また原口先生かい」
>原口先生っちゅうのは東京に優子を呼んでくれた先生で
>すっかりかぶれてしもてる優子は二言目には原口先生原口先生って…

夜、千代は原口先生と優子が怪しいのではと言い出したので糸子は鼻で笑った。
「あほらし。ほんな訳あるかいな。そもそもええ年やろ原口先生て…」
「せやから余計心配なんや…あんな若い娘があない原口先生、原口先生て…」
「あの子は昔からそうやんか。先生に言われてごっついありがたがる性格なんや…そもそもお母ちゃんはな若い頃別嬪やったよって男ちゅうたら寄ってくるもんて思てやろ?
うちかてお母ちゃんいちいちうれしがる程何もモテてへん。優子かて東京行ってあか抜けたか知らんけど、まだまだじゃがいもみたいなもんや。東京の先生がかまてくれるかいな…」
「いや、ほんなことないで。優子は今日帰ってきやったときかて『はれ?どこの女優さんや?』ってくらい綺麗になってたしな~」
「身内の欲目や…」糸子は呆れてしまう。

― 髪をとかしながら壁にかけてある絵をみながら直子に尋ねた。
「これ?大賞とったってやつ」
「そうや」直子は左手のデッサンをしながら答えた。
「いいじゃない。すごく…やっぱりあんたは才能あるわよ。本気で絵描き目指すと良いわ」
「なんやそれ。…自分は途中で投げたくせに」
「そうよ。だって長女だもの。姉妹の誰かが背負わなければいけないものを私が背負ってあげたの。だからアンタ達は私の分も本気で自分の道、進まなきゃダメよ」
優子は直子と聡子に言うが直子は返事をしなかった。
そして優子は最後の最後まで原口先生を連発しながら東京へ戻っていった。

― 昭和32年11月、泉州繊維事業組合事務室。
「元気やで周防も!こないだ紳士服の経営者の会合があってな、そこに顔出しよった!」
組合長の三浦が事務室を訪ねてきた糸子に話した。
「うちも恵さんが月に一回集金に行ってますけど、ええ店になってるって言うてました」
糸子が普通に嬉しそうに報告したで三浦は満足そうにうなづいた。

すると女性達数名が事務所にやってきた。
>この頃繊維業はごっつ栄えてきてます。女の経営者も今ではウチ1人ではありません。

糸子は女性経営者と流行の生地や海外のデザイナーの話などをするようになっていた。
「なんぼか時代が変わってきてるちゅうても、まだまだ男が強い!」
喫茶店“太鼓”に集まった女性経営者の一人が糸子達に言った。
「そんな簡単に世の中変わらへんて」他の経営者がうなづいた。
「…せやけどだいぶ変わって来たで?」
糸子は子供の頃に女の自分が店をもてるとは夢に思わなかったと説明した。
「とことん好きなだけやったらんと損やで?
おばあちゃんがよう言うちょったわ…女には女のやることがあるし
この頃はホンマそう思うわ。女にしかでけへん商売ちゅうのがある気がする」
「わかるわぁ!男の人の商売みとったら何で意地張るのならんの?ちょろっと頭下げたらええやんて思う!」
「女は張らん意地なんてないさかいな…これは強みやで(笑)」
>同じ志の女の人らがおるちゅうことはお互いホンマに嬉しい頼もしい事で
>それからも度々寄り合っては色々な意見や情報の交換をする様になりました。

― ある日、木之元栄作が店に戻ると中年男性が木之元の店をジロジロ見ていた。
「すばらしい店ですね!非常に何ていうか情熱を感じますよ」
中年男性は木之元が店の主人である事を聞くと店を褒めた。
「そら、うれしいなあ!立ち話もなんなんで座って下さい!」
木之元は、店が褒められて気分が良くなり2人はしばらく店の前で話し込んでしまう。

「ただいま」学校から帰ってきた聡子が店の前で話し込んでいた木之元に挨拶をした。
「お!聡ちゃん!お客さんやで?東京からの」木之元が聡子を呼び止める。
「…東京?」
木之元は聡子がオハラ洋装店の三女であると男性に紹介した。
「どうも初めまして。東京で優子さんの指導をしております…原口です」
男性は立ち上がり聡子に微笑みながら挨拶をした。


【NHK カーネーション第102回 感想・レビュー】

いきなり二年経過(笑)
周防さんが活躍していた年から9年が経過したことになります。
優子は得意だった絵で抜かされてしまい、直子も優子が絵を辞めたことが面白くない。
2人が互いを凄い意識しているのが伝わってきて面白い回だったのではないでしょうか。
原口先生、とてもいい人そうですが何しに岸和田にきたんでしょうかね。
そんな中、気になったシーンが2つ程。
まず優子が再び東京へ行くところで千代が貧血?そして糸子達、女性経営者達と北村が賑やかに洋服について盛り上がっているのを組合長の微笑み…なにか起こりそうな予感。

カーネーション あらすじ 『ライバル』 第101回(2月2日放送)

昭和30年9月、優子の機嫌良く歌う鼻歌で目を覚ました直子は朝から面白くない。
「ほないってきます!」
「ご苦労さん!行っちょいで!」
学校へ楽しそうに向かう優子に千代が声をかけた。

「…別に何もご苦労なことないやん。仕事してる訳ちゃう。学校行ってるだけやのに」
優子がいなくなってから直子はつまらなそうに千代に言った。
「店継ぐつもりで洋裁の学校へ行ってくれてんやさかい『ご苦労』ちゅわな」
千代は笑いながら直子に説明した。

>優子が店を継ぐつもりでおるんかどうかホンマの所はようわからんけど
>ご近所では、すっかり、もうそういう話になってしもてて
>あっちこで褒められるんは優子とて“まんざら”でもないらしい。

従兄弟である松坂勇が珈琲農園を営むセレベス島からチョコレート送ってきた。
糸子と千代は学校から帰ってきた直子と聡子と共にチョコレートを食べていると優子が糸子の所に布と針を持ってやってきた。
「お母ちゃん!課題な、教えて欲しいとこあんやし」
「どれどれ…」
チョコレートに見向きもせず一生懸命に母に縫い方を学ぶ優子を直子は眺めていた。

― 昭和30年9月14日夜、“だんじり”祭が終わって宴会がオハラ洋装店で開かれていた。
料理にカニが出てきたので店に集まっていた連中のテンションがあがった。
そんな中、帰ってきた優子が忙しそうな糸子に話しかけてきた。
「ウチな、お母ちゃんにお願いがあんねん」
「あとでええやないか。いま祭りなんやさかい」糸子はめんどくさそうに応えた。
「皆にも聞いてもらいたいんやし…」
優子の言葉に宴会で盛り上がっていた人々は静かになった。

「…洋裁学校の先生が東京の学校に行った方がええっていうねん。
先生が言うにはうちは『大阪におったらもったいない』やて…『東京に行ってもっと本格的にスタイルがを学びなさい』て」
優子は東京の有名な先生に東京へ行っていいかスタイル画を送った事を説明した。

「そしたらな…『素晴しい才能や!是非来なさい』て言ってくれたの!」
「すごいやん!」店にいた人々は一斉に優子を絶賛した。
優子は手に持っていた封筒を糸子に渡した。
中からは優子が東京に送ったスタイル画が出てきた。
糸子はその完成度の高さに驚き、昌子や千代達も感嘆する。

「お母ちゃん!ウチは今度こそ本気です。東京へ行かせて下さい!お願いします!」
優子は両手をついて頭を下げた。
「…」糸子は何も言わず頷いた。

「エライ!…偉いわ優ちゃん!」玉枝が声をかけると一斉に拍手が起こった。
「おおきに。お母ちゃん!うちな…がんばるよって!」優子は涙を流しながら言った。
「凄い!凄い優子姉ちゃん!がんばってな!」聡子が言うと再び拍手がわき起こった。
みんなが祝福するする姿を直子はつまらなそうに眺めていた

― 優子が東京へ旅立つ日、妹2人に優子は挨拶をした。
「お姉ちゃんは東京にいってくるさかい、その間お母ちゃんをしっかり助けてや」
「うん!わかった」聡子は返事をするが直子は机に向かって絵を黙々と描いていた。
「この店は姉ちゃんが継ぐよって、あんたらは自分の進みたい道に進んだらええ」
「うち、テニスの選手になる様にがんばるわ!」聡子が元気に言った。
「本気でやらんあかんで…直子もな絵描きになりたいんやったら本気で本物になりや」
しかし直子は返事もせずに相変わらず絵を描き続けていた。

優子は自分のバッグを荷物に入れてしまった事を思い出した。財布をいれたりするバッグがないことに困惑する優子と糸子だったが松田が落ちていた赤いバッグを差し出した。
「…それ、直子のやけどな…まあ、ほっぽってる方が悪いな。これに入れていき」
糸子が優子に赤いバッグを持たせて家を出ると直子が後ろから走って追いかけて来た。

「ウチのや!このバッグはウチのや!!」
直子は優子からバッグを力づくで奪おうとする。
「…あんたほったらかしにしとった…痛い!」
バッグを取り合いになった直子と優子はもみ合いになってしまう。
「やめ!やめ!やっめー!!」糸子が止めようとするが2人のもみ合いは終らなかった。

>結局昌ちゃんが古い手提げを見つけ出して来て優子はそれを持って旅立ちました。

「ウチがお母ちゃんに買うてもうたんや…」
直子は部屋に残って赤いバッグを涙を流しながら抱きしめていた。

>そんな直子の悔しさなど優子もうちも…だーれも知りませんでした。


【NHK カーネーション第101回 感想・レビュー】

正直なところ、私には周防さん編より、ずっと面白い展開です。
周防さんと糸子の苦悩よりもずっと健全だし。
ただ…ただですよ?…残念なのは尺の短さです。もう少しゆっくりとじっくり楽しみたいのに…まあ、カーネーションではいつものことですが内容が詰まりすぎなんですよね…これだけ内容が濃かったら大河ドラマのように1年間にしてもらいたいたかった(笑)
優等生の優子に負けず嫌いの直子、そしてマイペースの聡子…これから3人がどのように絡んでいくかが非常に楽しみです。
さて、東京に行った優子ですが、昭和30年て言うと映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の時代が昭和33年ですから3年前です。
そろそろオハラ洋装店にも冷蔵庫やテレビが導入されるんでしょうか。

カーネーション あらすじ 『ライバル』 第100回(2月1日放送)

― 昭和30年2月、アメリカ商会の前で木之元親子と直子が最近の歌手について熱く議論をしていた。
「そら、わしは断然江利チエミやのう…」
「なんで!?ひばりちゃんやろ!?ごっつ歌うまいやん!」
「僕は雪村いづみやな…」
3人が盛り上がっていると優子が肩を落として帰って来た。
「優ちゃん、お帰り!…今日、卒業式やったんけ?」
「うん…」優子は力なく返事をした。
「うちも来月中学卒業やで。聡子も小学校卒業やしな」直子が会話に割って入ろうとする。
「どや?お母ちゃん美大受けんの許してくれたけ?」
優子は首を強く横に振ると走って行ってしまうのだった。

「かわいそうに…」栄作の長男・志郎が優子の後姿を見ながら言った。
「引っ掛かったらあかんで?…あないしてなしみたっれた顔さえ見したら、ちやほやしてもらえる思てんやさかい」直子が木之元親子に注意を促す。
「…せやけど、かわいそうやないけ…あんなけ美大行きとうて勉強がんばってなのになあ」
「甘ったれなんや。本気で画家になる気もないくせに…お姉ちゃんはおじいちゃんに可愛がられすぎてアホになったんや。ウチは誰にも可愛がられんかったさかい賢うなったんや」
そういうと直子は意気揚々と自宅へ帰るのだった。
「…善ちゃんのせいや」木之元栄作はポツリと呟いた。

糸子は(図工だけ5)は1か2という直子の成績表を見てため息をついた。
一方で優子の成績表は5と4で埋め尽くされていた。
>優子が受けたがっていた受験日は明後日でした
>とっと受けに行かせちゃった方がどんだけ気ぃ楽かしらん…
>けど…あかんここは辛抱のしどころや
体育のみ5で残りはほぼ1の三女・聡子の成績表を見て糸子は吹き出してしまう。
「見た?なあこれ、見た?(笑)」糸子は善作や勝の写真に成績表を見せた。

夜中の0時を回った頃、優子が仕事中の糸子の元にやってきた。
「お母ちゃん、どうしたらええか…うち、もうわからへん!」
「『どないしたらええん?』て、この期に及んでお母ちゃんに聞く事ちゃうやろ?」
「『急に受けたらあかん』言われて…一体ウチはどないしたらええんよ!?」
甘えな!自分がどないしたいかやろ!?
ほんなもんお母ちゃんの知った事とちゃうわ!自分で考え!」
糸子は一喝すると涙を流す優子に構わず作業を続けた。
直子は階段でその様子を聞いているのだった。

― 早朝、優子が寝れずにいると襖が開いて千代が鞄をもってきた。
「行ちょいで。東京、試験受けちょいで。…受けんかったら悔いが残るやろ?
お母ちゃんにはおばあちゃんが言うといてあげるよって」
千代はやさしく言って鞄とお握りが入った弁当を優子に渡した。
その2人のやりとりを隣の部屋で糸子は聞いていた。

「え?ほな行かしたん?おばあちゃん」
朝食の後片付をした優子が千代に尋ねると千代はうなづいた。
「なんや…あんたもホッとしたんか?お姉ちゃんが試験受けられて(笑)」
千代がつまらなそうにした直子をからかう。
「ホッとなんかしてへんよ!しょうもなあて思ただけや!」直子はムキになって応えた。

>いや~正直ウチはホッとしてました。
>万が一受かってしもたら、またそっから“ひともめ”せんならんのは見えてるけど…
>まあそらそんときや。よかったよかった

― その日の夜、北村を訪ねて優子は組合事務所を訪れる。
「よっしゃ!まず乾杯しようか!無事、卒業、おめでとう!(笑)」
北村は優子のグラスにジュースを注ぎながら上機嫌で言った。
「…おおきに。おっちゃん」
「食えよ!食え!ほら一日大阪駅でボケーッとしちゃっあたら腹も減っちゃあるやろ?」
優子は何も返答せずに黙っていた。

「…ほんで…どないしたんよ?何で東京行けへんかってん?明日試験やろ?」
「お母ちゃんが『受けたらあかん』て…」
「別にお前が美大に行くちゅう事に反対してるんとちゃうんちゃうけ?」
「分かってる。うちが本気で画家になるになるちゅう覚悟がないんが許さへんやと思う」
「…なら本気みせたれよ」
「お母ちゃんに言われて初めて判ったんやけどな…うちなやっぱり本気ちゃうんや」

優子は小さい頃から絵を描く度に糸子に褒められていた事を北村に話した。
「美大に行ったら…お母ちゃんにまた誉めてもらえる思たんやけど…」
「そらのう…それだけでは誉めてくれへんやろ」北村は腕組みをした。

「そんなん誉めてほしいんやったらよ『洋裁屋継いじゃるわ』ちゅうたらええねん」
「せやからそれは嫌や!」
「あの鬼のおかんもちっとは誉めてくれるど!『あんたは親孝行やな』言うてよ」
「ウチは親孝行なんかしたい訳ちゃう…認めて欲しいんや!もっと本気でウチの事を!」
「…面倒くさいのう!お前ら!何や!もう飲め飲…未成年か…もう食え!」
「ふーん、どうしたら認めてもらえるんやろ?」
優子は北村が用意した寿司を食べながら呟いた。
>その夜遅く優子は北村に送られて帰って来ました。

1階から聞こえる北村と千代達が飲んで盛り上がる声と糸子が操るミシンの音を優子は布団の中で聞いていた。その優子の姿を直子は見ていた。
>結局その年の4月、優子は大阪の洋裁専門学校に通い始めました。

「うわあ!!こんな上等なん!高かったやろ?」
糸子から卒業祝いの鞄をプレゼントされると優子は喜んだ。
「まあな、けど一つエエのん買うといたら、どこにでも使えるよって」
「ホンマおおきに!」

その様子を覗いていた直子は、糸子に貰ったばかりの自分の卒業祝いの赤い鞄を落とした。


【NHK カーネーション第100回 感想・レビュー】

ほっしゃん、今日もいい味出してますね~。
3人の成績表、恐ろしかったですね~。なんでしょうか…あれは(笑)
直子の成績も笑えましたが『賢くなるように』とつけた聡子の成績なんて体育いがいほとんど1って…その成績表見ても動じない糸子が凄いです。
美大の受験をやめた優子が洋裁専門学校へ行く事になった経緯とかが全くすっとばされていたのが残念ですが、最後の鞄を貰うシーンを見る限りわだかまりは無いようですね。
一方、直子が優子に対して対抗意識を持つ理由がやっとわかりました。
直子は糸子が忙しい時期に産まれた子なんですよね…気づくの遅すぎかも(汗)