【カーネーション 第1回 あらすじ】
― 大正13年(1924年)9月早朝 大阪府岸和田市
まだ日も出ない時刻に小原善作(小林薫)の出かける音で糸子(二宮星)は目が覚めた。
「なんでこんな朝からお父ちゃんどこいくんだろ?」
糸子はしばらく考えてだんじり祭りということを思い出し飛び起きた。
だんじりに向かう父を元気よく見送るのだった。
“だんじり”は岸和田の年に一度の祭りでその日はみんな朝から大忙し。
男はだんじりをひく準備、女の人はゴチソウをたくさん作る。
小原家でも糸子の祖母と母が夜の食事を慌しく用意をしていた。
だんじりに間に合うように糸子は妹達をせかして朝食を食べていると近所に住む髪結いの安岡玉枝(濱田マリ)が息子の勘助を連れて訪ねて来た。
玉枝の息子、泰蔵は安岡の長男で今年初めて大屋根で大工方をやることになった。
大工方というのはだんじりの屋根の上で合図を出す最もかっこ良く最も危ない役だった。
糸子は玉枝と勘助を二階に連れて行って見晴らしがいい窓に連れて行った。
「昨日から寝てないんよ…泰蔵の事が心配で心配で…落ちるんじゃないかな?ヘタこいて恥かくんじゃないかって…」と玉枝は具合が悪そうにしていた。
玉枝の息子、勘助は糸子と同じ小学校の5年生で弱いクセにすぐにいばりたがる少年だ。
「わいの兄ちゃん、大工方なんねんぞ?」
「知ってるわ!」
「かっこええやろ?羨ましいやろ?わいは大工方の弟やさかい、お前もこれからもうちょいわいの言う事きかなあきまへんで?」
勘助が団扇で糸子の頭をたたいくと糸子は仕返しとばかりに勘助の足を思いっきり蹴った。
「アホか!調子に乗んな!かっこええのはお前の兄ちゃんだけじゃ!」
すると遠くのほうから歓声が聞こえて来た。
どうやら男達が引く“だんじり”が近づいてきたようだ。
町民が注目する中、だんじりを引いた男達が凄い勢いでやってきた。
糸子は興奮する。
町中にはそうりゃん!そうりゃんと言うかけ声が響き渡る。
糸子達の前をだんじりが通った時、泰蔵が屋根の上で跳躍した。
「かっこええ!泰蔵兄ちゃん!!」糸子は声を張り上げた。
泰蔵の母の玉枝は知らない間にずっと息をとめていて卒倒してしまう。
夜になるとだんじりを子供達がひくことになり糸子はだんじりを見上げた。
「かっこええな、うちも大きくなったら絶対大方になったるで」
「アホか。女は大方に乗れるか!」勘助がに言った。
糸子は力一杯、勘助のほっぺをつねったのだった。
だんじりが終わると元の生活に戻ることを糸子はつまらなく思った。
― 吉田奈津(高須瑠香)は岸和田辺りで一番の料理屋の娘で学校に毎日違う着物で来る。
一方、糸子は呉服屋だったが毎日着物は同じだった。
吉田奈津の前に勘助を含めた数人の男子生徒が走って逃げて来た。
転んだ勘助に糸子はつめよった。
「カエル、いじめたやろ!?このカエルいじえめたらうちがしょうちせえへんぞ!?」
勘助が逃げるのを糸子は追った。吉田奈津はそんな姿をみてため息をついた。
糸子は勘助達を追いかけている最中、泰蔵がやってくることに気づいた。
「泰蔵兄ちゃん、おはようさん!」糸子は持っていた蛙を後ろに隠して挨拶した。
「おぅ!」泰蔵は糸子に短く挨拶すると颯爽と通っていった。
『なっちゃるでー大工方に!』
糸子の頭の中は着物より勉強よりだんじりのことでいっぱいだった。
【カーネーション第1話 感想・レビュー】
糸子と勘助の子役、相当演技が上手です。
なんつーか自然体っつーか…もうこのまま子供達だけでええんちゃいますのん?って言うくらいレベルが高かったです。
いよいよ始まった朝の連ドラ『カーネーション』の記念すべき第1話。
舞台が関西なので全て関西弁でかなりテンション高いドラマに感じられます。
おひさまのようにどうやら語りは、その時代時代の糸子が説明していくようで、私としてはこっちのほうが好きかな?
おひさまの場合、過去を振り返るといった形式でナレーションが展開されていくため早い段階でネタバレされた私にとっては苦い記憶があります。
第1話で、内容は『だんじり祭の紹介』『登場人物紹介』が主でしたが、なんとなく雰囲気が明るくて『おひさま』のように楽しめるように感じました。
皆さんはどうでしたか?