カーネーションあらすじ 『熱い思い』 第14回(10月18日放送)

「お前らもはやく食わんかい。待つ事ない!」
糸子の父・善作は糸子の帰宅を待たずに夕食を食べ始めた。

「せやけど可哀想やんけ?初めて一日中働いて帰ってくるんやで?」祖母・ハルが言った。
祖母と母・千代と3人の妹達は食べずにいると糸子が帰ってくる。
「遅うまでよう働いたなぁ。どうやった仕事、しんどかったか?」ハルが尋ねた。
「なんちゅうことないで(笑)新米やさかいこき使われるけどな。
たいした事あらへん!ウチにかかったら『へ?こんなもんけ?』ちゅうくらいじゃ!
みんなごっつ優しいしな!ウチ、桝谷パッチ店で働く事にしてホンマよかったわ!」
笑顔で答える糸子の横で善作は何も言わず黙々と食べていた。

ミシンに使えるまであと10年…10年前のうちは…まだこんな(うどんを小さな手づかみで食べてる)もんや…それがこないなるまで長い時間やなぁ…そんな長い事、ウチはこれからずーっとミシンに触られへんやろか?
家族の前ではエエカッコしいちゃってもホンマの所…ウチのパッチ屋修行はボロボロちゅうこと、みんな薄々気づいているようでした。
「これ持って行き!おにぎり!お腹すいた時食べ」
ハルは出勤前の糸子にオニギリを持たせた。
「これ持って行き!こんぺいとう。誰かに怒られたらな隅っこ行って食べ!」
母・千代は新聞にくるんだコンペイトウを持たせた。

― 糸子は桝谷パッチ店の台所の脇で泣きながらコンペイトウを食べていた。
こんぺいとうはすぐに無くなりました・・・。
実際、朝から晩まで怒られっぱなしで近づいたと思うたミシンはどんどん遠なって行くばっかしでウチなんかもう一生触られへんのちゃうかという気がしました。

磨くんはこんなに大変やっちゅうんも知らんとウチはベッタリ貼りついちょったなぁ…
女学校の皆は元気やろうか?奈津でええから会いたいなぁ…
糸子が窓を磨いていると桝谷パッチ店の前に同級生の吉田奈津の姿見えた。
「奈津!!!…アンタ何してんの?なにしにきたん?」
「別に…何もないけど…」

「こう?こうかな?キャー!」
奈津はかつての糸子の様に“優しい”従業員に囲まれてミシンを体験させてもらっていた。
「なかなか筋ええがな!!最初は皆、こない上手く行かへんもんやで!!」
桝谷パッチ店の大将・桝谷幸吉のセリフを糸子はつまらなそうに聞いていた。

― 夜、閉店後、糸子が掃除をしていると見習い2年目の山口が声をかけてきた。
「もう帰ってええで!あとはワシがやっとくさかい…」
「へい…あ、お湯のみ洗うてへんかったな」
「ええて!後はワシが洗うとくさかい早よ帰れ!もう!」
糸子が不思議に思いつつ店を出ると店の外に吉田奈津が立っていた。
「あれ?アンタ何してん?まだいてたんけ?もしかしてウチの事、待ってたん?」
「ちょっとな…聴きたいあんやし」奈津がいい辛そうに言った。

糸子は帰り道、奈津から大工方の安岡泰蔵が結婚するという話を耳にした。
「あんた知らんかったんっけ?」
「今、初めて聞いた」
「…ウチは嫌や!ウチは絶対嫌や!」
「なんでアンタが嫌やねん?ちゅうか泰蔵兄ちゃんの事知ってたん?」
「よう知ってるわ!毎朝、学校行く時すれ違うてるやん!」
「…そんだけ?(笑)ふふふ…知ってるっていうんけ?」糸子が笑った。
「笑いーな!笑いな!」奈津は恥ずかしがって糸子を叩いた。
「もう笑わへんて(笑)…あんた………泰蔵兄ちゃんの事好きなん?」
糸子が真面目な顔で尋ねると奈津は大きく頷いた。
「せやけど…真面目な話な…泰蔵兄ちゃん、アンタの事知らんと思うで?」
「それはウチがまだチビやからや。もうちょっと大きなったら、もっと綺麗になって嫌でも目に入るようになる。今日かてアンタの店のおっちゃん達皆ウチの事、可愛らしい言うた」
「あぁ…」糸子は苦笑した。
「せやさかい、ウチがもうちょっと大きなるまであの人は結婚したらあかん!」
糸子は奈津の話をアホみたいに感じたが一時女学生に戻った気がした。

― 糸子は風邪をひいてしまい、家族の反対を押し切って仕事へ向かう。
誰もいない職場に到着した糸子はフラフラになりながら雑用をはじめた。
桝谷パッチ店の下っ端は朝、誰よりも早く店にいかなあきません。まず窓を全部開けて。炭をおこします。水瓶に水を入れて…これから皆が使う所を拭いておく。

糸子が辛そうにしていると従業員の田中と岡村が店に出勤してきた。
「風邪か?熱あるんなら帰れ!お前みたいなモン、いててもいんでも一緒じゃ!
いっそいてん方が早よ進む。風邪移される方が迷惑じゃ!
さっさと帰って治せ!大将にはワシから言うとくさかい!」
岡村が注意をすると糸子は小さく返事をして桝谷パッチ店を後にした。

「おい!お前な!あらないで!あいつにあんな言い方したら全部真に受けよんで?
いてへん方がはかどるやら移されたら迷惑やら全部ホンマの事やないけ!」
糸子が店を出て行った後、田中が岡村を注意した。
「…ワシ、そんなつもりでいうたんちゃうけどな…」
「ホンマの事はいうたらあかん…」

糸子は川沿いの道を俯きながら歩いていた。そして持っていた風呂敷を地面に叩きつけた。

「…辞めたい!!…あんな店! 辞めてやるー!うあぁー!!」
糸子はそのまま泣き崩れてしまうのだった。

【NHK カーネーション第14回 感想・レビュー】

昨日に続いて『糸子、試練の時』で今日も見ていてなんか辛かったです(笑)
色々と見所や伏線がありましたね。
見習い2年目の山口がそわそわしながら糸子を自分より先に帰すところ、怪しすぎる(笑)。
あと父・善作が何も言わずに糸子を観察したり…泰蔵兄ちゃん結婚することになったり…
ちょっと思ったのですが、糸子は子役からスムーズにバトンを渡せたと思うのですが、奈津はすこし子供っぽすぎやしませんか?
それにしても糸子役の尾野真千子さん、演技上手すぎですよ…実際の年齢は29歳らしいですが、あの泣き方…もう16歳くらいにしか見えません。