カーネーションあらすじ 『誇り』 第24回(10月29日放送)

「洋服作りで一番大切なのはいわゆる『基本』。今日から基本を教えて行きます。
聞き逃さないで!後戻りしてたら間に合わないわよ?」根岸は厳しい顔つきで言った。
「はい!」
それからあとの6日間、うちは必死でした。必死で教われるだけのことは教わろうとしました。先生は厳しかったけど…
「うん、いいわね。これができれば後は応用でなんとかなるわ」
完成した洋服を見て根岸が言った。
「はぁ…」糸子は自信なく答えた。
「なるの!!やってみればわかるわよ!」根岸は厳しく言った。
けどウチとおなしくらい必死で教えられるだけのことを教えようとしてくれました。

― 採寸の取り方や洋服の構造などを根岸が糸子に教える授業も最終日となった。
「こんばんわ」安岡玉枝と勘助が小原家に鍋をもってやって来た。
「あれ?えらい早いやないか?」糸子の祖母・ハルが二人を出迎えた。
「勘助がそのべっぴんの先生をはよ見たいって騒ぐよって」玉枝が勘助の肩を叩いた。
「ちょっと早いけど始めるか!勘助、上行って先生と糸子呼んで来て。
最後の夜やしな早めに終わってお別れ会しまひょ言うて」
「それ何?」ハルが玉枝が持っていた鍋の中身を尋ねた。
「これな、カレー作ったんやし」玉枝が笑顔で答えた。

「失礼します。ご飯やで~」勘助は糸子の部屋を覗き込んだ。
「全然ダメ!!どうするの!?今日でなんか終われないわよ!」
根岸は糸子が縫った裾をもって物凄い剣幕で言った。
「すんません!」
「はい!やりなおし!!」
根岸が糸子に怒っていた場面を見て勘助は肝を冷やすのだった。
その夜、根岸のお別れ会には木之元夫婦も来て大いに盛り上がった。

翌日、糸子は東京に帰る根岸をタクシー乗り場まで見送った。
「がんばりなさい」根岸が糸子に言うと糸子は涙を流して頷いた。
発進したタクシーに糸子は頭を下げて、大きな声で言った。
「さいなら!根岸先生ありがとうございました!」
糸子は根岸の乗ったタクシーが見えなくなるまで見送るのだった。

糸子が家に帰ると小原家は静まり返っていた。
根岸先生がおらん家は灯が消えたみたいで、売れへん反物と季節外れたアッパッパ
「お父ちゃん…もうアッパッパしもうた方がええんちゃう?」糸子が善作に尋ねた。
「…やかましい。買う人がおるかもしれんのじゃ…」
機嫌の悪いお父ちゃん。いつものことやのに、なんでかますますこの家はあかんようなってもうた気がしました。

そんなある日、小原家にラジオがやってきた。
「いやー!ラジオや!!うわー!」糸子はラジオを見て笑顔になった。
「まあ中古やけどな、買うちゃってん、木之元のとこで」善作は嬉しそうに言った。
「またこんな流行もん買うて…やかましやかまし」祖母・ハルが小言を言った。

根岸先生と入れ替わりでやって来たラジオは最初こそ、お父ちゃんが
「スイッチ触ってええのはワシだけや、一日一時間。わかったか?」
って怖い顔で言うてたけどそんな決まりはすぐにどっかへいってもて…朝も、昼も夜も…一日中ずーっとついているようになりました。

― それから2年が経過し、時代は昭和7年・冬-糸子は19歳になっていた。
小原呉服店では、その年から冬用のアッパッパを売り出していたが全く売れなかった。
糸子も洋服を作れるようにはなったが岸和田では需要がないため商売にならず、糸子は前掛けや手提げを縫う日々を送っていた。

そんなある日、善作が外出したので糸子はラジオをつけた。
すると銀座の百貨店『黒田屋』が火事になったというニュースが流れた。
最初、特にそのニュースを気を止めなかった糸子だったが新聞の家庭欄で『黒田屋』の火事についてその後も目にする事が多かったので糸子は試しにその新聞記事を読んでみた。

『黒田屋の火事以来、女性従業員の服を洋服にすべきだ、若い女の裾の乱れが気になったことで事故につながり改善を求める』といった記事だった。
新聞記事を読み興奮した糸子は自分に言い聞かせた。
落ち着け…これは大事な事や…よう考え

糸子は何か閃き、勢い良く立ち上がった。
新聞記事をハサミで切り抜き、店の洋服を風呂敷に包むと祖母・ハルに言った。
「あ、おばあちゃん出かけてくる!」
「急ににドコ行くんや?」慌しく出かけようとする糸子にハルが尋ねた。
「心斎橋や!百貨店探しに行くんや!いってきます!」
糸子は小原呉服店を出ると駆け出した。
走って心斎橋に向かう最中糸子は心の中で願った。
うちがたった今思いついた事、まだ誰も思いついてませんように!
岸和田で…心斎橋で…いや大阪中で!
ウチが最初に思いついた人間でありますように!

「…あった!」
心斎橋に到着した糸子は、大きな百貨店を見上げた。


【NHK カーネーション第24回 感想・レビュー】

銀座で火事ってニュースが流れたので、根岸先生が巻き込まれたと思っちゃいました(笑)
火事の記事を読んでから百貨店に洋服を売り込みに行く機転の良さと行動力、確かに女性にしておくのは勿体無いと善作や桝谷幸吉が言うのはわかります。
根岸先生はあっさり授業が終わって東京に帰っちゃいました。
もう少し授業でエピソードとかあるのかな?って思ったんですが…。
授業のシーンで根岸先生が糸子に怒る様子をみて『美人で評判の根岸先生と会える』と浮かれていた勘助はあっけなくショックを受けたのが笑えました。こういったところどころに笑いが入っていて楽しいです。
視聴率も最初こそ振るいませんでしたが、ここに来てじわりじわりと上がってきて大台の20%がもうすぐです。今週は見ごたえありましたね!!