カーネーション 『あこがれ』 第6回(10月8日放送) あらすじ

「和服に比べて女性の洋服は活動にも衛生にも至極適当でまた経済的である事は明らかだ。国際生活に進みつつある日本が世界的服装である洋装にまでいく事は当然である…
かなんな!新聞にこんな事をいうてもうたらな!!」
小原呉服店の隣にある木岡履物店主人・木岡保男は読んでいた新聞を叩きつけた。
「昔から日本人は着物で滞うてきた!何で今更洋服に着替えなきゃあかんねん!」
木岡履物店を訪れていた小原善作も声を荒げて言った。
「善ちゃん!わしは下駄屋やるだけじゃ!」
「嬉しいな!お前からそないな事が聞けて!」
二人はこの頃の西洋化する世間に不満を言い合うのだった。

その頃、糸子は祖母が送ってきたドレスを町の主婦達にみせていた。
彼女達は糸子のドレスを手にもって感心していた。
「こりゃ珍しいもんみせてもろた。おおきに」
「せやけど、子供やったら可愛らしいけどウチら着られへんもんな」
「そらそうや!ウチらこの顔でこんなもん着て歩いてみ?獅子舞やんか(笑)」
「ホンマや!ははははは(笑)」主婦達は豪快に笑った。
「せやけどこの頃、心斎橋なんかよう歩いちゃるで洋服着た人」
「洋服な~アッパッパくらいだったらウチかて着るけどな」
「アッパッパって何?」糸子は尋ねた。
「アッパッパって言うたら夏になったらこの頃ようけ着てる人いるやろ?洋服や!」
「おばちゃん洋服持ってんの!?」糸子は目を輝かせた。

機嫌良く着岡履物店から小原呉服店に戻る善作と入れ違いに糸子が主婦達に連れらて木岡履物店に入っていった。木岡履物店の女将が一枚のシャツを糸子に見せた。
「なんや、これか?知ってる。おばちゃん着てんの見た事あるわ。これも洋服やったんけ?」「けど見てみ?日本の着物と全然違うやろ?」
「おばちゃん、どないしたんこれ?」
「縫うたんやし」
「縫うたん!?自分で!?凄いなぁ!」糸子は驚いた。
「なんもスゴないで?布、ビャー切ってピャー縫ったらお終いや」他の主婦が言った。「ホンマ?ウチにも縫える?」
「縫える縫える。学校でお裁縫習うてるやろ?」
「習うてる!」
「アンタんとこ呉服屋なんやさかい要らん布ぎょうさんあるし縫うてみたらええねん」糸子は木岡履物店の女将に手本として洋服を借り、急いで小原呉服店に走って戻った。
「おばあちゃん!これ綺麗!これも!」
糸子は祖母・ハルが出してくれた箱に入っていた布を引っ張り出して言った。
「綺麗でもそれはアカン!木綿と違うさかい。肌に合わへん。直に着るもんちゃう」
「ふーん」
「布もな肌に近いもんがええの、遠い方がええの…いろいろあんやし」
糸子は初めて布の事をオモロいと思った。
そしてハルから貰った古いサラシ布で早速、部屋に戻り裁縫を始めた。
糸子の作業は深夜にまで及んだ。
「できたー!」糸子は満足そうに完成した洋服を見た。

翌日、糸子は完成した洋服を善作達に披露した。善作や千代は拍手して糸子を誉めた。「こりゃー将来有望やな。おい!糸子!売ってる着物、全部縫うてくれ!」と善作は上機嫌になり糸子を褒めたので糸子はますます裁縫に没頭するようになった。

「糸子からなんや送って来た」糸子の母方の祖母・貞子が清三郎に箱を持ってきた。
「これ僕に?」一緒に居た従兄弟・勇はシャツを広げて貞子に確認した。
「そう書いてあるわ…『夏になったら着て下さい』」
「…で、ワシのこれは何や?…そうか、シャツかいな?」袖を通そうとした。
「『おじいちゃんには…』…ステテコですって」貞子が言った。
「ステテコ?ああそうか!こうか!あはっはっは」清三郎は笑った。

― 昭和二年(1927年)糸子は女学生になった。
「糸子姉ちゃん!もう8時やで!?」次女・静子が寝ている糸子に言った。
「わかってる…八時!?なんでもっと早う起こさへんのや?!」糸子は飛び起きた。
「…起こしたわ」静子は呆れた顔をして一階に降りていった。
「糸子起きたか?…あ、起きたな(笑)ほないっといで!」
祖母・ハルは二階から聞こえた音で糸子が起きた事を確認すると3姉妹を見送った。

「エライこっちゃ!エライこっちゃ!エライこっちゃ!エライこっちゃ!」
糸子は慌しく髪を編み、千代の注意も聞かず台所で立ったまま御飯を口に入れ、走って学校へ向かうのだった。
「奈津!傘入れて!」雨が降ってきたので歩いていた吉田奈津に糸子は声をかけた。
「は?嫌や!なんでアンタなんか入れなアカンねん!」奈津は断った。
「どケチ!!」糸子が言ったとき奈津は走っていた泰蔵を見つけると
「…糸ちゃん、傘はいり。濡れるで?」と糸子を傘にいれた。

「泰蔵兄ちゃん!おはようさん!」糸子も泰蔵に気がつき挨拶をした。
「おう!」泰蔵は短く返事をすると雨の中、そのまま走って行くのだった。
走り去る泰蔵を見ながら糸子は思うのだった。
『相変わらずだんじりは大好きやけどウチの夢はもう大工方やありません!』


【NHK カーネーション第6回 感想・レビュー】

残念ながら糸子の子役は今日でおしまいのようです。
他の方がカーネーションの感想を書いているブログでも子役が上手で面白いと書かれていました。うん、本当に上手だと思います。
子役とかって興味ないですが、子役の子、二宮星(あかり)さんの他のドラマ見てみたいです。業界の人、ひとつ宜しくお願いしますわ(笑)
そんなわけで今日から糸子の大人バージョン、尾野真千子さんの登場です。
突然、昭和2年に飛びましたが、わりとスムーズに違和感の無いスイッチだと思いました。
『おひさま』のとき感じた違和感も感じませんでした。
ほら『おひさま』の時は子役の子、井上真央さんに比べるとちょっと暗い印象うけたんで。
尾野真千子さんが登場しいよいよ糸子が洋服業界に入り込んでいくと思うのですが子役が素晴らしかったのでもう少し子役の演技が見たかったです…