カーネーション 『運命を開く』 第7回(10月10日放送) あらすじ

糸子の通っていた女学校では裁縫の授業は週に4回あった。
当然、糸子は大張り切りだったが…

「先生!」裁縫の授業中-生徒達が黙々と裁縫をしている中、糸子が挙手をした。
「はい小原さん」教師が糸子を指した。
「あのアッパッパの事なんですけど」
「小原さん、今皆が縫っているのは何ですか?」
「浴衣です」
「そう!浴衣です。今、アッパッパは関係ありませんね?」
「せやけど浴衣はもう縫うてしもうたんです。あのアッパッパの裾にこんな三角を入れたい思っているんです」糸子は手にしていた三角の紙を教師に見せた。
「三角でも四角でもお家で好きなだけ入れたらよろし!
縫い終わったんやったら静かに教科書でも読んでなさい!」
糸子はしぶしぶ座った。その姿を見た奈津はフフと笑った。

好き過ぎるというのも具合の悪いもんで教科書なんて4月にもろてからもう100回は読んでるし…書いてあること全部覚えてるしで裁縫の授業は眠たーてしゃあなありません・・・

女学校は小学校と違って終わるのも遅いし宿題も出るため裁縫の時間が無かった。
なので毎日、全ての授業が終了すると糸子は走って帰宅するのだった。
帰宅すると糸子は裁縫をはじめる。

「できたー!光子!ちょっと着てみ?」糸子は妹の光子に完成した洋服を着せた。
「うわ~このアッパッパええな!」次女の静子が洋服を褒めた。
「ホンマやなんかちゃう」三女の清子も光子の薄桃色の洋服に目を輝かせていた。
「せやろ?…三角や!」糸子は自信に満ちた表情で妹達に三角の紙を見せた。
「ここに三角入れたや!そしたらこない“ふわぁ~”ってなんねん!」
糸子は光子の着ている洋服の裾についてのカラクリを説明した。
「ええな!ウチもこんなん欲しい!」「ウチも!」静子と清子が言った。
「よっしゃ!つくったろ!」糸子は嬉しそうに言った。

― 深夜、妹達の寝ている横で糸子は静子達の洋服を縫っていた。
すると祖母・ハルがその姿を見つけて注意した。
「はよ寝り!そんなことしてるさかい寝坊するんやで?」
「わかってる。これ終わったら…」
「ア・カ・ン!!」ハルはランプを消した。
糸子は灯りも消されたので仕方なく寝ていたが…ハッと目を開けた。
「せや!宿題やってへんわ!」
宿題にとりかかる糸子だったが、そのまま居眠りをしてしまうのだった。

早う大人になりたいです。
早う大人になって毎日好きなだけ裁縫できたらどんなけええろ。

糸子の父・善作が去年からが歌の教室を始めた。お弟子さんからの月謝が稼ぎになるのとついでに着物も買って貰えるという善作の算段だった。
教室は賑わっていたが着物はなかなか思うように売れなかった。

祖母・ハルが売れ残った着物を千代と二人で棚に片付けていた。
「こない売れんとどないすんねん。糸子の学費かてまだ半分残ってる。
あと娘、三人おるやんでここは…」ハルが言った。
「ブツブツブツブツ文句があったらはっきり言わんかい!」善作が怒鳴った。
「学費や!アンタな気前よう娘、女学校に入れたかて学費払えんかったら辞めさせなしゃあないんやで!?」
「じゃかましい!わかっとるわい!それくらい!」
「ハッキリ言え言うから言うたんやんか!!」
「じゃかましい!飯や!飯、食うど!!」そう言って善作は部屋を後にした。

その日も糸子は走って学校から帰宅すると部屋に戻って裁縫をはじめた。しかしすぐに善作から集金を頼まれてしまう。相変わらず善作は集金が苦手だったのでこの頃では糸子に任せっきりで知らない街にも行く事があり糸子は参っていた。
「ここを曲がって…ん?…何や、あれ」
糸子は地図を手に目的地を探し歩いていたが、いましがた視界に入った光景が気になって足を止めた。そして3歩ほど戻って、店の中を覗いた。
店の置くには1台の黒ミシンがあり、糸子には眩しく感じられた。
なんでか知らん…それが何するモンかわからんうちからウチの目はそれに釘付けになりました。
やがて作業員がミシン台の前に座り、作業を始めた。
ミシンはカタカタカタカタと速いスピードで布を縫いこんでいく。
「おお!!おわー!!!」糸子は目を見開いてその光景を見た。

集金の帰り道、糸子は目にしたミシンを思い出してボーっとしていた。

・・・走っちゃった、布が走っちゃった…あの早さ!あの駒!
“だんじり”や!!見つけてしもうた!あれはウチが乗れる“だんじり”なんや!

糸子は自分がミシンの形をした“だんじり”に乗った姿を嬉しそうに想像した。


【NHK カーネーション第7回 感想・レビュー】

ドラマの流れが若干、前回の『おひさま』に似てますね。
6回目の最後の方で子役と入れ替わりからの通学の流れが。
ただ全く異なる事が多すぎで意図的?と思うほどです。

いきなり学校でカリスマ的な友人と親友になる陽子と違って、一人で黙々と三角形をノートに書くあんまり友達がいなさそうだったり裁縫を苦手としていた『おひさま』の陽子と違って裁縫が物凄い好きだったりと…まるで違います。
今日は、成長した安岡勘助も出てきますがセリフがありません。
勘助は『おひさま』でいうところのタケオ?