カーネーションあらすじ 『乙女の真心』 第36回(11月12日放送)

サエが帰った後、ロイヤルの店主は糸を怒鳴りつけていた。
「なんちゅう事してくれたんじゃ!なんも分かってへん!洋服屋ちゅう商売はな!背広の売れん夏をどない乗り切るかにかかっとるんじゃ!せっかくあんな上客着たっちゅうのに!アホかお前!うちの店つぶす気か!」
人間、こんな長い事怒れんねんな思うくらい延々怒られました。

店主の説教から開放された糸子は店の外で待っていた同僚・川本勝に声を掛けられる。
「おつかれさん。氷でも食うか?」

川本と糸子は広場に置いてある長椅子に腰を下ろしカキ氷を食べていた。
「泣きながら出て来ると思ったのに。ケロッとしてんな」川本が糸子に言った。
「何で?さっきの説教?」
「うん。あんな長い事どやされてしんどなかったか?」
「うちより大将の方がしんどかったちがいますか?こんな暑いのにあんな長いこと
…そやけどうちの悪い癖なんですわ…すぐ儲けっちゅうもんが頭から飛んでしまう。
お父ちゃんにもそれでさんざんしばかれてるのに…またやってもうた(笑)」
糸子は皿に残ったカキ氷を一気に飲み干した。
「あー美味しかった!ほんまおおきに。ごちそうさんでした。ほなまた明日」
「明日…」川本は帰っていく糸子の後ろ姿をみていた。

― 翌日、ドシャ降りで雷鳴が響いていた。
ロイヤルの店主はイライラしていてゴミ箱をわざと倒し、糸子に拾うように命じていた。
糸子が散らかったゴミを拾っていると店にサエがやってきた。

「言うとくけど昨日言うたこと取り消さへんで。うちは場末のダンスホールの踊り子や。
…けど1人だけ…『他の子の踊りと全然ちゃう』て言うてくれたお客さんがいてたんや…」
試着室に糸子が連れて行くとサエはゆっくりと語りだした。

「その辺の男とちゃうで?それなりの道で大成している立派な玄人の人や。
あんたには踊りの勘ちゅうもんがある。…ちゃんと修行を積んだらもっとええとこまで行けんでって言うてくれたんや…そやのにうちは何もせえへんかった。
修行なんかつめるかいな思て、毎日同じ様に適当にダンスホールで男の相手しちゃった。
そしたらその人…指名してくれへんようになってしもうたんや」

「その人がイブニングドレスの話をしてくれた人け?」糸子が尋ねた。
「そうや。着物がドレスに変わったくらいで全部どないかなると思う程うちかてあほちゃう。中身は一緒や何も変わらへん…」サエは微笑した。

「人は着るもんで変わるんや。根岸先生がそない言うちょったわ」
「根岸先生?」

「ようわかった。あんたみたいなアホ程うちはやる気でるちゅうねん!
うちがホンマの本気でドレス作っちゃる。ごっつい上物の一流のドレスや。
あんたは毎日着て踊ってちょっとずつでもドレスに釣り合うだけの踊り子になり!」

糸子が店の玄関まで送るとサエが手を差し出した。
2人の硬く握手する姿を店主は不思議そうな顔で見ていた。

それからのサエはビックリする程ええお客さんでした。
仮縫いにも仕上げにもホンマ根気よう付き合ってくれました。

完成したイブニングドレスを受け取ったサエは糸子に礼を言った。
「ほんまにおおきにな。もう早速今日から着るで」
「こっちこそ」
「な、見に来てよ!うちがいうちゃった人来るかもしれへん」
仕事が終わったら店に寄る事を糸子は約束した。

糸子がダンスホールに行くとドレスを着たサエは沢山の男性に取り囲まれていた。
楽しそうに踊るサエを糸子は遠くから見ていていると白いタキシードを着た客が入って来た。その男性に気がついた客達がざわついた。
その人がやって来た時うちにはすぐにわかりました。

その男性客はサエに手を差し出すとサエは涙目になりダンスの誘いを受けた。

糸子はサエが幸せそうに踊る様子を温かい目で見ていたが…相手の男性の顔を見て驚いた。
は…春太郎?
「え?なんであいつやねん…あかんわ…」
糸子は脱力してしまい、そのまま座り込んでしまう。

春太郎が相変わらずのにやけっ面でサエと踊ってた。
ちょうど同じ頃、奈津のおっちゃんが亡くなりました。


【NHK カーネーション第36回 感想・レビュー】

仲直りからの凄いドレス完成って流れは予想通りの展開でしたが…「ホンマの本気だしちゃる」からの展開早すぎです(笑)。

見返したいからドレス着るって言ってましたが…強がりだったんですね。あらやだ可愛い。しかもその相手がとっとこハム太郎だったとは(爆)
今日はオープニングすっ飛ばして観たから春太郎が出てくるとは知りませんでしたが、あの登場の仕方はズルイです。
春太郎の顔がスローで映る→このドラマの感動するシーンによく使われるBGMが止まる→微笑んでいた糸子の表情が固まる→「は、春太郎?」ですから(笑)
なんかNHKっぽくなくて新鮮でした。
それとサエちゃん、根岸先生の名前で一瞬固まりましたが知ってるんでしょうかね?