カーネーションあらすじ 『移りゆく日々』 第38回(11月15日放送)

紳士服ロイヤルでの踊り子達のドレス作りは順調に進んでいたが、注文分の半分が終わった頃頃に最初の踊り子が店にやってきた。
「こないだはおおきに」踊り子が笑顔で糸子に挨拶をした。
「あれ?ドレス、何かまずい事ありました?」糸子は不安になった。
「ちゃうねん。あんたドレスと違うて普通の洋服も作れるけ?」
「もちろんです。どうどうぞ!」
そのやり取りを聞いていたロイヤルの店主は上機嫌で踊り子の客を案内すると自分の席に戻り嬉しそうにソロバンを使い始めた。
大将が何をそない嬉しそうに計算してるんかうちは見んでもわかりました。
この調子で踊り子さんらが次々洋服を注文してきたとしたら儲けがどんくらいになるかです『こら玩具は儲かんで』そんなとこでしょうか

― 小原呉服店ではサエが持ってきたケーキに妹達は喜んだ。
「色々買うてきたよって好きなん選んで」サエは静子達に声をかけた。
サエはロイヤルではなく小原呉服店に直接会いに来る様になっていた。
「せやかて、うち、あの店主嫌い!あいつ、愛想はいいけど、絶対うちらのこと小馬鹿にしてるやろ?糸ちゃん嫌いちゃうん?」サエは不満そうに糸子に言った。
「そら嫌いは嫌いやけどな…」糸子はケーキを口に入れた。
「うちが仕事頼みたいんは糸ちゃんやねん。お金かてまるまる糸ちゃんに払いたい。
一銭でもあいつに流れる思たら腹が立つ!」
「そこまで嫌いか?」糸子は思わず笑ってしまう。
「なあ!糸ちゃん!はよ自分で店しいよ?他の子らかてすぐ顧客になんで。
この店ですぐ出来らし。ミシンあるし」サエは傍らにあるミシンを叩いた。

― 善作が一人で晩酌をしていた。
「よっしゃ!」台所で熱燗を準備しお盆に載せた糸子は気合を入れた。
「うちの徳利はあと4個しか残ってへんさかいな。割れん様に話しいや」ハルが言った。
「…そら分からん」糸子は善作に徳利を運んだ。
「…お父ちゃん、話あんねん。…今の洋服屋でかなりお客つかめてるんや」
「ふーん」善作は興味なさそうに相槌を打った。
「ウチに客がついたよって洋服屋ごっつ儲かってる。…けどうちがホンマに繁盛させたいんはうちの店や。小原…小原洋裁店や!ドレスの仕事が一段落したらロイヤル辞めさしてほしい。ほんでもう一回ここで洋裁屋始めさして欲しい」糸子は真剣な眼差しで善作に言った。
「小原洋裁店…お前、何勝手に看板変えてんねん。うちはな~小原呉服店じゃ」
「…そやけどもう呉服も置いてへん」
「あかん!お前、ちょっと客がついたくらいで何調子乗ってんねん。
ええか?わしはお前に商売の勉強してこいちゅうたはずや。
今の店でお前がやっていることは相も変わらず職人ごっこやないけ。
ワシはお前に商売人として成長せいちゅうたはずや」
「もう成長した」
「し・て・な・い」
「ほんならウチがどうなったら認めてくれんの?」
「せやな~もう一軒別の店、繁盛させたら認めてやらん事もない!ハハハ」
くっそぉ!この酔っぱらいが!!糸子はアタマに来て家の外に飛び出した。

― 紳士服店ロイヤル。
「辞める!?」店主は糸子の申し出に驚いた。
「はあ…」糸子は気の無い返事をした。
「『はあ』やないよ!何でやねん!注文どないすんねん!」店主は大声を出した。
「ドレスは最後までやらせてもらいます…洋服はお客さんに謝るしかないです…」
「謝って住む事と違うど!…そうか!ちょっと客ついたもんやさかい調子のって独立け!」
ちゃいます!…ホンマはそんつもりやったけど。父に言われて他の店繁盛させなあかんのです」
「なんじゃそれ?…何の為に!?」
「うちが聞きたいです…」糸子は不服そうに言った。

― 安岡髪結い店に吉田奈津が訪れていた。
「丸髷に結うて。明日入籍すんやし」奈津は女将・玉枝に頼んだ。
「そらおめでとうさん」
「なんもめでたないわ。喪中やさかい、式も挙げられへんやで…お父ちゃんせっかく高い花嫁衣装張り込んじゃったくせに。自分でパーにしまいよった。あほらしい」
「大変やったなあ。奈っちゃん。
「こないだ…おばちゃんとこの上のお兄ちゃんにも同じ事言われた。あの人うちの名前知っちゃってんな。びっくりしたわ」
「そら知ってるやろ。吉田屋の奈っちゃんいうたらここらで有名な別嬪さんやんか
こないして髪下ろしたら奈っちゃんまだ女学生みたいやな」
「…うちな、チビの頃、あのお兄ちゃんの事…好きやってん」
「…そうか」
「うん。…ずっとな…好きやってん…」奈津の目から涙こぼれた。
玉枝は帰ってきた八重子を追い返し店の看板も外して店に誰も入ってこないようにした。
「泣き!奈っちゃん」
「ううっ…!うう!(泣)」玉枝に声をかけられると奈津は声をあげて泣き出した。
大泣きしている奈津の髪を玉枝は優しく結うのだった。。


【NHK カーネーション第38回 感想・レビュー】

今日の最後の奈津と玉枝のシーンはとても見ごたえがありましたね。
奈津エピソードでここまで深くなるとは…
奈津が何で泣いたかには人それぞれ違うと思いますが、私の感想としましては・・・父親が亡くなり母親が力を落としているため若女将として気丈に振舞わなければならない奈っちゃん。
母親に厳しく若女将になるよう育てられた奈津にとって小さい頃から髪を結ってもらっている玉枝はある意味、安心できる2番目の母親みたいな存在。
そんな玉枝から『女学生みたい』って言われたもんだから、若女将として背伸び(?)していた緊張の糸がプッツリ切れてしまった。
で、泰蔵への想いと決別しなければいけないという現実からお父さんの事を実感してしまったのかな?って思いました。…あれ?書いてる私も意味がわからん(笑)

まあ…とにかく、奈津と玉枝のシーンは本当良かったです。
あとは…まあ、サエが急にケーキを買ってきてくれる程仲良くなったのなら、いつか勘助と鉢合わせするんじゃないかな?って。
和菓子を買いに行く可能性もありますし…