カーネーションあらすじ 『移りゆく日々』 第39回(11月16日放送)

「おーい!糸やん!」紳士服ロイヤルを辞めた糸子は帰り道を歩いていると自転車に乗った幼なじみの安岡勘助が後ろから声をかけてきた。
お!ええとこ来た
「おりゃ!」糸子は持っていた枝で斬りつけた(真似)をした。
「うわー!」勘助は糸子の斬られたフリをし糸子にのってあげた。
「仕事の帰りけ?俺もや。うち今晩カレーやで?食うて行けや」勘助が言った。
「そら遠慮のう呼ばれるわ」糸子は嬉しそうに言った。

「何でこんな時間に店閉まってんねん」勘助は髪結い屋の看板が外されている事に気づいた。すると店から吉田奈津が店から出てきた。
「奈津…」勘助が驚くと奈津は勘助の頬をつねった。『イテテテ!』勘助は痛がる。
「吉田さんて呼び!明日から人妻やさかいな。慣れなれしい呼び方してもろたら困る」
奈津は、そういうと颯爽と歩いて立ち去った。

安岡髪結い屋に入って糸子は安岡玉枝から事情を聞いた。
「ほうか…良かったな奈津…泣けて良かったで」
「…そやな」玉枝は髪結い道具を手入れしながらニコリと笑った。
何やろな?安岡のおばちゃんには奈津が気ぃ許せる何かがあんねやろな

善作が繁盛させるよう糸子に命じた店は生地屋だった。
「おはようさん!」店主が糸子に挨拶をした。
「おはようございます。よろしゅうお願いします!」糸子は元気良く挨拶する
「ほな、ちょい来て」店主は糸子を店の奥の部屋に連れて行く。
奥の部屋では主婦5、6人がミシンを使い服を縫っていた。
店主は糸子に生地を売る事ではなく縫い子(セーラー服などの縫製をやる)だと説明した。
糸子はミシンでセーラー服を縫い始めると主婦の一人がお菓子を薦めてきた。
「え?今仕事中やさかい…」糸子は遠慮したが
「かめへんて」無理矢理糸子の手にお菓子を渡した。
周りを見ると主婦達がお菓子を食べながら仕事をしていたので糸子は驚いた。
色んな仕事ばがあるもんやな…糸子は貰ったお菓子を口に入れた。

主婦達は休憩時間は楽しそうに歌を歌ったりお菓子を食べたりしていた。仕事になると糸子はまたお菓子を貰う。
こら、ええ職場やなあ。そやけど…
ここでどんだけセーラー服縫うた所でお父ちゃんを認めさすことはでけへん!
そうや!うちはどないかしてこの店を繁盛させちゃらんとあかんのです。
ぼけーっと菓子食うてる場合やないど!
就業時間が終わると糸子は店主に駆け寄った。
「縫い子やのうて生地屋の売り子をさしてもらいたいんです。絶対繁盛させますよって」
「はあ?いらん仕事されたかて給料は出されへんで!」店主は困った顔をした。
「ほな、昼間は売り子をさしてもらう、そんかわりセーラー服の仕事は持って帰って夜のうち家出し上げて来ます。これやったら店は絶対損しません!」

― 夜、小原家では祖母、母、妹3人が糸子の仕事の手伝いをさせられていた。
「またあんた何でこんな仕事引き受けてくんよ?」祖母・ハルが糸子にぼやいた。
「堪忍。ほんま堪忍」糸子は平謝りしながら作業を続けた。
「けどうちは嬉しいわ久しぶりやわ」妹の清子が手伝いながら楽しそうに言った。
「あれ思い出すな~心斎橋の…」
「百貨店の制服やろ?」他の妹達や千代も久しぶりに手伝う糸子の仕事を楽しんでいた。

そうして糸子は晴れて売り子として店に出させてもらうことになった。
「繁盛させちゃるで!」
糸子は気合を入れたが生地屋の客はだいたい買うものは予め決まっていて、糸子が勧めてもそれ以上買う事はほとんどなかった。生地屋を繁盛させる事の難しさを糸子は実感する。

店に客がいないので店の玄関にいた猫と遊んでいた糸子に店主は声をかけてきた。
「ちょっとも繁盛せんけどいつすんねや?」
「します。もうちょっとしたら…。見といて下さい。絶対繁盛させますよって」
「まあ、セーラー服さえきっちり仕上げてもうたらうちはかまへんけどな」
そのまま店主は店番がいるからと立ち読みしに本屋へ行ってしまう。

糸子が一人、店番をしていると婦人の客・長谷ヤス子が店にやってきた。
「洋服を縫うてみたいやけどな、ワンピース一着ちゅうたら生地どんくらいいるんやろ?」
「ワンピースはお客さんが切るんですか?」糸子は目を輝かせた。
「そやねん、そやけど初めて縫うよって要領がようわからへんやし」
「任せてください!」
糸子は、洋服の事となると儲けやら繁盛やらどうでもよくなってしまい
『とにかくお客さんに似合うものを着せてやりたい』と長い時間をかけて生地を選んだ。

客・ヤス子は糸子が選んだ生地に満足していたが
「そやけど、うまい事できたらええんやけどなあ」と不安そうに口にした。
糸子は店の外を確認すると小声で呟いた。
「まあええわ。いてへんのが悪いねん…」
素早く糸子はゴザを引いてヤス子にそこに立つ様に指示した。
「ここ立って下さい!じっとしてください!」
ヤス子に生地を当てて糸子は物凄いスピードで生地を裁断していく。
「大将いてへんさかいこんなんして悪いかわからへんけど…裁断はおまけしておきます」
「あんた凄い事するな~器用やなあ」ヤス子は糸子の仕事にただただ感心するのだった。

「こことここを縫うたら形になります。できたら見せに来て下さい」
糸子は裁断が終った生地の説明をした。
「そやな!店にくるわ!良かった!楽しみやわ!作るの!ホンマおおきになあ!」
ヤス子は糸子に感謝し店を後にした。
「ただいま。あぁ~いつ繁盛すんやらのう?」帰ってきた店主は大きくため息をついた。

― 小原家では糸子のセーラー服の仕事を誰も手伝わなくなっていた。
たまに母・千代が手伝うがいつものように失敗してしまう。
お母ちゃんの手伝いはありがたいやらありがたないやら
そやけど一番腹立つんは…
「ダハハハハ!(笑)」玄関から善作が大笑いする声が聞こえた
「重たいわー善ちゃん!(笑)」千鳥足で木之元栄作が担いでいた善作を玄関に座らせた。
「すんません!木之元さんいつも!」善作を届けてくれたことに千代は頭を下げた。
「アホやな~こんな奴に謝る事あるかい!(笑)お前は酒に弱い!(笑)」
酔っ払って上機嫌に倒れている善作を糸子は睨らむのだった。


【NHK カーネーション第39回 感想・レビュー】

勘助と糸子の小枝を使ったやりとり、サイコーでした(笑)
2回目はアドリブ?だとしたら勘助うまい!
今日から板尾審査委員長が出てましたがこの人は独特の雰囲気があっていいですね。
そんな2店舗目の修行ですが、ロイヤルの職場と違いすぎです。
糸子がロイヤルを辞めるエピソードは終わりみたいですね・・・
もう少し描いて欲しかったかも。川本さんの反応とか観たかったし・・・