カーネーションあらすじ 『移りゆく日々』 第41回(11月18日放送)

末松商店に来た長谷ヤス子は店の繁盛振りに驚き、糸子に連れて来た2人の娘を紹介した。
ヤス子は正月用の洋服を娘二人のと合わせて3着を作りにきたと糸子に言う。
2着目ということと腰がピタッとしていて尻が目立つので形を変えたいと言ったので糸子は
「ほなギャザー入れましょうか?」と提案した。
「ギ…ギャザー?」聞きなれない単語にヤス子はクビをかしげる。

口で説明しても分かってもらえなかったので糸子は簡単なスケッチを描いて説明した。
「こんなんです。これがギャザー」
「あんた絵もうまいんやな!」
ヤス子が糸子のデッサンを褒めると、他の客達も描いて欲しいと騒ぎだした。
「そうや描いちゃり!お客これ皆喜ぶで!」ヤス子は糸子に助言した。

そういった流れで裁断のついでにデザイン画も描いて渡す事になり、それがまた凄い評判になって末松商店はますます客で賑わった。
夜になっても店の外には長蛇の列が途絶えず、末松店主が断わらなければならない程だった。結局、末松商店でも糸子が商売人として成長したかも分からないうちに店が繁盛した。
そうか!この岸和田にもやっと洋服を着る人が増えてきたっちゅうことや。
今や。もうお父ちゃんが何言おうが迷てる場合ちゃう。うちは今はじめなあかん!

糸子は仕事帰りにクリスマスケーキを買った。
小原家(善作以外)はそのケーキを囲み幸せなひと時を過ごしていた。
幸せそうにはしゃぐ妹達を少し離れたところで糸子は嬉しそうに見ていた。

「おーい!今帰ったぞ!お前らお父ちゃんが帰ったんや!ちゃんと迎えにこんかい!」
父・善作が酔っ払って帰ってくると、楽しそうにしていた妹達に緊張が走る。
「なんやそら?」善作はテーブルにあったケーキに気がついた。
「…クリスマスケーキや。糸子姉ちゃんが買うてくれたんやし」
静子がむくれた表情で善作に説明した。

「お父ちゃん。うち歳開けたら洋裁屋始める」糸子が言った。
「…あん?」酔っ払って上機嫌だった善作の顔が真顔になった。
「今の仕事は今年いっぱいで辞めてここで小原洋裁店始める」
「誰がそんな事許した?お前、誰の許しを得てそんな勝手な事言うてんや?」
「誰の許しももうてへん。けどうちは許しなんかいらん!ウチが決めたらそんでええ」
「なめんとんのかおんどれ!」ドカン!善作はテーブルを叩いて立ち上がった。
「わがが決めたらそんでええ?はぁ~偉うなったもんやのう!」
「そうや。偉なったわ!」糸子も勢いよく立ち上がった。
「お父ちゃんが毎晩毎晩酒ばっかり食ろうて酔っぱらっているうちに偉なったんや!悪かったな!毎日朝から晩まで働いて洋服屋と生地屋繁盛させた。
賃金全部家入れて電気扇かて買うた。今日かてクリスマスやさかい妹らにケーキ買うて帰っちゃったんや!悪いけどなお父ちゃんより今はうちのがよっぱどこの家支えてるんや!」
「…なんやと!」

「殴りたいんやったら殴ったらええ!けど商売だけはうちがしたいようにさせてもらう!」
「このガキが!!」バッチーン!!善作は思いっきり糸子の横顔を叩いた。
「こんなもんがなんぼのもんじゃ!半人前がなめんなよ!」
テーブルにあったケーキをひっくり返し部屋を出て行ってしまう。
妹達は全員泣いてしまい、糸子は膝から崩れ落ち呆然となった。
祖母・ハルは善作がひっくり返したケーキを元に戻していた。
「食べれる!食べれる!ちょっとへちゃがっただけや。味変わってへんて!」
「ほれ!アンタが一番にお食べ」千代は涙を流しながら箸とケーキを糸子の手に持たせた。
糸子は泣きながら一口ケーキを食べた。
「よう買うて来てくれたな。おおきにな糸子な」祖母・ハルは糸子に礼を言った。

「ううっ…うぅーっ!もう嫌や…(泣)」糸子は涙をポロポロと流してしまう。
そして勢いよく立ち上がると部屋に戻り荷物をまとめて玄関に向かった。
「堪忍!しばらくお父ちゃんと顔合わせたない。神戸のお祖父ちゃんとこいさしてもらう」
糸子は泣きながら家を出て誰もいない岸和田商店街を早足で歩き始めた。

神戸の家― 糸子がソファで寝ていると従兄弟の勇が友人達を伴って帰って来た。
「誰?…糸ちゃん?なにしとん?」勇はソファで寝ていた糸子に驚いた。
「はあ…おはようさん」糸子はあくびをしながら勇に挨拶をした。

朝食(?)を食べていた糸子に勇は以前紹介したことがある坂崎を再度紹介した。
坂崎は糸子の事を覚えていたが糸子は忘れてしまっていた。
糸子はそれよりも勇が東京弁で話している事が気になった。
「勇君、なんでそんなしゃべり方してんよ?」
「東京の大学にいるだろ?友人達のがうつっつまってさ」勇はウインクした。

祖母・貞子と祖父・清三郎がいる部屋にココアを運んだ。
貞子は刺繍をして、清三郎は椅子に座ったまま転寝をしていた。
なんちゅうかこの家の主はおじいちゃんらとちゃうんやと思いました。
「気ぃがすむまでゆっくりしてったらええんやで」祖母・貞子が優しく言った。
「おおきに。よう考えたら仕事ほったからしやわ。大将相当困ってると思うよって帰るわ」
「もう帰るんか?」貞子は残念そうな声で言った。
「うん。また来る」糸子は貞子の肩にそっと手を置いて言った。
糸子は椅子で眠ていた祖父・清三郎の膝掛けを丁寧に戻した。
祖母と祖父を糸子は見て切なくなってしまう。
この人らは守ってくれる人らやのうて…うちが守っちゃらなあかん人らなったんや
ここはもう…うちが甘えられる場所やない


【NHK カーネーション第41回 感想・レビュー】

傑作の回です(笑)…何が凄いて善作VS糸子でしょう。絶対に本気で叩いてました。
前にどこかで尾野真千子さんはリハーサルから本気で泣く演技をするって書いてありました。今回も本気で叩くように小林薫さんに頼んだとか頼まないとか。
役者魂凄すぎ!確かに“叩いてない”ケンカシーンとか見ると歌でいうところのクチパクみたいな感じがしてしまうんですよね~いや、だから今回、糸子の頬が真っ赤になってるのみて息を飲みましたよ…カメラもズイーッとアップで映してましたね。
そんでまた、仕切りなおしをしようとするお祖母ちゃん…なけてきます。
糸子の最大の味方だった祖父母コンビの力がなくなってしまいましたね…。
恐らく、息子の正一に会社を任せて引退したらめっきり老け込んでしまったんでしょう。
それに引き換え勇がなんかいけ好かないナンパ野郎になってました(笑)女の子に『可愛くなったね』とか言ってるし…挙句、『うつっちまってさ(笑顔)』…すっかりアホっぽくなってる(笑)