カーネーションあらすじ 『果報者』 第48回(11月26日放送)

― 昭和10年(1935年)1月
糸子が結婚して2ヶ月が過ぎると勝、ハルの3人の暮らしは板についてきていた。
勝が二階で紳士服を始めたので小原洋裁店は広く知られる様になり、男性客も増えた。

糸子は『家内安全!商売繁盛!結婚してホンマよかったな』と喜んでいたある日…
「あんたな!新しい職人雇うたんちゃうんやで!勝さんはアンタの旦那さんなんや!
あんたらみちゃったら一個も2人で話してへん!」ハルは糸子に説教を始めた。
「…してるやん毎日」糸子は面白くなさそうに言った。
「あんなん話ちゅわへん!注文がどウチゃら、納品がどウチゃら…あれはただの連絡や!
今日こそ、ちゃんと同じ部屋で寝りや!2人でちゃんと話しぃ!」

その夜、糸子はハルの言う通り同じ部屋で二組の布団を敷いた。
「勝さん…あんな…ウチな…仕事好きなんや」
糸子は暗い部屋の天井を見ながら隣で寝ている勝に話かけた。
「そら見ちゃったら分かるよ」勝は笑みを浮かべて応えた。

「そやからこの先、ウチの店がどんだけ繁盛したかてもう働かんでもええちゅう程儲けたかてウチは働くと思う。
勝さんがなんでウチと結婚しようと思てくれたんかわかれへんけどウチはそんなんや。
普通の家の奥さんみたいにこまごました家族の世話やら死ぬまででけへんかもしれへん…」
糸子は隣をチラリと見ると勝は目を閉じていた。
「寝てんか?」
「寝てへん。聞いてるわ」
「そんなんやけどええか?」

「かめへん。ロイヤルでアンタが働いてるとこ見てええなあ思たんや。愚痴言わへん、手ぇ抜けへん。周りにどんだけいびられようが好きな様にやって結果出す。
こいつの仕事っぷり惚れ惚れすんなあ思ちゃったんやし。
アンタは思う様に働いたらええよ。後の事は…おばあちゃんがどないかしてくれるやろ」

「フフフ…そやけどおばあちゃん、大概年やさかいな」
「長生きしてもらおや。2人で稼いでええもん食わして」
「うん」糸子は表情を緩めた。
それから2人は子供の事、店の事、色々な事を話したのだった。
やっぱし結婚して良かったんや。糸子は心からそう思った

― 2年後(昭和12年)1月
小原洋裁店の看板が“オハラ洋装店”となっていたことに善作は声を上げた。
「なあ、お父ちゃん、ええ店になりましたやろ?」隣にいた千代が言った。
「ふん!カタカナやて」善作は面白くなさそうに看板を見た。

オハラ洋装店では新しく縫い子として数名の女性と妹静子を雇っていた。
「静子はどないや?ちっとは役立ってるか?」
善作は店で働く静子を見ながら糸子に尋ねた。
「ぼちぼちな。まだちょっと甘ったれたとこあるけどな」
「せやけど、お前あんまし事せくなよ。欲張って急に店大きいしたろやら考えんな。
店はおできと同じや。急に大きいしたら後は潰れるじゃ」
店の中を見渡しながら善作は糸子に忠告をした。
「ウチの店はおできとちゃうよって」
「ものの例えいうもんじゃ、…そんでどないやねん、そのお腹の子は?」
「重たて重たて…かなわんわ。はよ出てくれな」糸子は辛そうな顔をした。
「ちょっと触らせて!あ~動いてる!」千代がお腹を触った。

店を新しくしたばかりだったため糸子は出産が面倒に感じていた。
まあ、産むだけ産んだらその日からまた店でちゃろ

そう思っていた糸子だったが出産は思いのほか辛いものだった。
当然、出産した後に店にも出られず、夜泣ききに悩まされたりしたが赤ん坊の予想外の可愛さに癒されるのだった。

お祖父ちゃんとなった善作は糸子の子供にのぼせていた。
「ええ子じゃ!ええ子じゃ!」赤ん坊をデレデレ笑顔で抱っこする善作。
「お腹へってんちゃうんか?貸してみ!」赤ん坊が泣いているのでハルが善作に言った。
「嫌じゃ!何人育てたと思ってんじゃ!わしが泣き止ます!」
糸子の子供は優子と命名された。

あのなあ、明日から昼間、わしが優子の面倒を見ちゃら!
は?
お前な!乳飲み子背負うて本気で仕事はでけんど!
わしに任せ。心配すな!はよかせ!はよ!はよ!はよ!ああもう!
明日からな善ちゃんがな〜世話しチャルよってな〜

昭和12年9月-
「今日はもう店終わったよって今から迎えにいくわ」
糸子はオハラ洋装店にある電話の受話器を置いた。

忙しい一日が終わって優子をおぶって歩く、糸子はその時間が好きだった。
糸子はその日も優子をおぶって散歩をしていると仕事帰りの勘助が自転車でやってきた。
「はぁ…」勘助が大きくため息をついた。
「また女にでもふられたんか?とうとう菓子屋のおっちゃんに愛想つかされたんけ?」

勘助は沈んだ顔で糸子に言った。
「赤紙きてもうた」


【NHK カーネーション第48回 感想・レビュー】

いきなり糸子が母親になってしまいましたね。
フリー→結婚→出産までが早すぎ、前の作品『おひさま』と比べると相当です(笑)
影にはハルは、お祖母ちゃんの知恵袋的に物凄い大活躍があってのことですが『今日こそ一緒に寝り!!』って…(汗)
そんなハルお祖母ちゃんも…晴れて曾祖母ちゃんになりましたな。
糸子の出産シーンでは髪の毛が2年前より白くなっちゃいましたが元気そうです。
勝は長生きさせよう!とか言ってましたがこの時点で一体、何歳なんでしょうかね?
でも2年経過して縫い子を何人も雇えるようになっていると言うことは、勝と糸子はお祖母ちゃんに良いものを食べさせられるほど稼いでるって事ですよね。
でも…その何人もの縫い子さんの昼食やらを用意するのはお祖母ちゃん?
来週の予告、何やら今までに無いような雰囲気でした。
勘助、生きろー!!