カーネーションあらすじ 『秘密』 第56回(12月06日放送)

翌朝、糸子が店を開けると八重子が店の前に立っていた。
「おはようさん」八重子が挨拶するが糸子はとっさに背を向けてしまう。

糸子と八重子は小原洋装店の裏にある井戸がある場所で話す事になった。
「お母さんの事、堪忍しちゃってな。
正直、うっとこの店戦争始まってから、かなりしんどなっててな、その上に勘助ちゃんがあんなんなって…お母さんホンマに笑わへんようになってしもうて…この頃はうちらにも辛く当たる事が多いんやし。
けど、もともとは根ぇはあんなええ人やさかい、今はぐっと堪えちゃらなあかん。
このしんどいの越えたらまたあの優しいお母さんに戻ってくれる。そう思う様にしてんやし」八重子は優しい口調で糸子に話した。

「そやけど…ウチはお宅らの身内とちゃうせかい…辛抱する筋合い無いわ」
糸子が冷たく言い放った。
「糸ちゃん…」八重子は糸子の言動に困惑してしまう。

「おばちゃんな、多分うちが店繁盛させてんのが目障りなんや。
勘助の世話焼くんもうっとうしてしゃあないんや。
『あんたは毒や。頼むからうちに近づかんといてくれ』て…おばちゃんがうちにそない言うたんや。うちが堪忍するかどうかの話ちゃう。
『近づくな』って言われたんやさかい、ウチは金輪際近づかへん」

「ほな、そろそろお客さん来るよって」
糸子は立ち上がり八重子を置いてそのまま店に戻った。

二階の自分の部屋に戻ると遊んでいた直子を後ろから強く抱きしめた。
アホか!八重子さんに当たってどないすんねん!

糸子が強く抱きしめたので直子は泣きながら糸子の手を振りほどいた。
「アンタまでお母ちゃんのこと、嫌いか。
…堪忍な、なにやっても鬱陶しいお母ちゃんで」
糸子はそのまま横になった。

1階では客の対応に追われていた昌子が糸子を捜していた。
「大将!先生知りませんか?」昌子は勝に尋ねた。
「上にいてんで。なんやフテてら(笑)」勝は笑顔で答えた。

昌子は慌てて2階に上がるとゴロゴロしている糸子を発見する。
「先生!何してるんですか!?
2月から衣料切符が始まって、自由に商売できひんようになるさかい、その前に受けられるだけ仕事受けとこちゅうたん先生ちゃうんですか!?」
「ええやんもう…うちが儲けたら他が儲からへんさかいな…ウチが稼がんのが世の為なんや」
「はあ!?何を不抜けた事を異うてるんですか!?」
腹を立てた昌子は寝ている糸子を店に出させようと引きずった。
ドタドタドタバターン! しかし勢い余って二人共、階段から落ちてしまう。
「大丈夫!姉ちゃん!!」静子達が慌てて糸子達を心配する。

「あぁ~!おおきに!目覚めたわ!すんません。お待たせして」
糸子は起き上がり客に謝った。

昌ちゃんの言う通りです、うちには家族がおる、7人の縫い子を抱えてる、
負ける訳にはいかへんのや!

糸子は安岡家の玄関に野菜や魚が入った籠をそっと玄関に置いて走り去った。
さいなら、もう二度とけえへんよって…

帰り途中の川原で糸子は一人涙を流した。
「悪いけどな、うちは負けへん!戦争にも貧乏にも勝って勝って勝ちまくるんや!
嫌いたかったら嫌たらええ!なんぼでも嫌てくれ!!」

- 昭和17年9月 - 光子と清子が勤め先をクビになったので雇うことになり、店の縫い子は9人になった。そのうちの男の子2人は紳士服の仕事がないので、ほとんど一階の仕事を手伝わせていた。そして新しく店の手伝いに善作が加わった。
2月から衣料の買い物には切符がいるようになり、客から貰った切符を帳簿に貼っていく作業を善作が手伝うことになった。

ある日、3人目の子供をお腹に抱えた糸子が家に戻ろうとすると、夫・勝とすれ違った。
「出かけるんけ?」糸子は勝に尋ねた。
「うん…夜釣り、夜釣り誘われててな(笑)」勝が答えた。

勝が立ち去ると昌子が怪訝な顔をして糸子に近づいてきた。
「ホンマに夜釣りでええんですか?よう考えて下さい。大将が一体何を釣りに行くのか」
「面倒くさい!夜釣りや言うやから夜釣りでええやんか」

面倒くさいちゅうんも何やけど、まあ正直、どうでもええ。
昨日の仕入れ、今日の注文、今月の損益、家族の健康、戦争はこの先どうなるのか
考えんとあかんことが多過ぎていちいち勘ぐっている暇がないっちゅうんがホンマのとこでした。

勝さんのいいところはどんだけ一階が繁盛しててもひがまへん、ねたまへん、ほっといても上機嫌とにかくかさ高ないちゅうだけでウチには十分都合のいい旦那やと

- 昭和17年11月 - 糸子が仕事の手を休めていると勝が2階から降りて来た。
「な、たまには歌舞伎でも見せちゃろか?行こうや、一緒に」
勝が突然、誘ってきたので糸子は不思議そうな目で勝をみた。


【NHK カーネーション第56回 感想・レビュー】

序盤の展開、全く読めませんでした。
まず八重子が早速訪ねてきたのは、納得できましたが結局、解決せずにモノワカレ状態になるとは…けど最後に野菜やら魚を置いていく糸子…切なすぎです。まるで『ごんぎつね』です。勘助とサエを会わせた時期は昭和16年12月のことなので、それから丸1年勘助や八重子、玉枝と会わない状態になったんですね…もうこのまま登場ない!?
今回も糸子に苦労する縫い子リーダー・昌子さん。
この人がいなかったら店つぶれるんじゃないかというくらいブレインとして活躍してるのがオモロイです。