カーネーションあらすじ 『秘密』 第57回(12月07日放送)

「フッ…なに言うてんよ。そんな暇なんかあるかいな(笑)この忙しいのに」
糸子は勝の申し出(歌舞伎)を鼻で笑った。
「ええやないかぁ。ワシかていつ赤紙来るかもしれへんやど?
結婚してこのかた、ずっと働きっぱなしで夫婦らしい事いっぺんもした事無いやんど」

糸子は歌舞伎へ行く事に同意し、自室で外出用の着物に着替えた。
>はあ…これもえらい時代遅れの柄やけどしゃあないわな、これしかないんやし…
鏡に写る着物をみてため息をついた。
>歌舞伎って春太郎のやつだったら嫌だな
>なんで急にほんな面倒くさいこと言い出しよったんやろ。

着替え終えた糸子の顔を見て祖母・ハルが注意してきた。
「紅くらいささんかいな!元が元なんやさかい、ちゃんと化粧しいや」
「ええがな。別に誰もうちの顔なんか誰も見れへんわ」糸子は口を尖らせた。
「旦那さんが見る。あんたが化粧せんいうたら『兎と亀』の亀が昼寝したようなもんやで」
「こんなんちょっと口に赤いの塗ったくらいで亀がウサギになる訳やなし!」
妹の静子が持ってきた口紅を塗りながら糸子は答えた。

勝と糸子は目的地の街に到着するとその光景に糸子の目は輝いた。
「こんな戦争中なのにいてるとこには、いてるのなあ!」
「ん?」勝は何のことかわからず聞き返した。
「オシャレをしてる人や(笑)」

思っていたより街は明るくて華やかだったので糸子は嬉しくなる。
そのせいで、看板に春太郎に名前があるのを見ても苛立たず、糸子は
「大変なご時世やけどお互いがんばろうな」と笑顔でロビーのポスターに話しかけた。

「小原さん!」
ロビーで勝が買ってきた弁当を糸子に渡すと一人の女性が小走りで近づいてきた。
「…ひょっとして奥さん?」女性は糸子に気が着くと勝に確認した。
「そうなんや」勝は笑顔で答える。
「お初にお目にかかります。『わか竹』ちゅう店の菊乃と申します」女性が会釈した。
「小原の家内です」糸子も丁寧に挨拶をする。
菊乃は勝と糸子に挨拶だけしにきたと説明すると歌舞伎座のロビーから去っていった。

「…帰ってしもた。歌舞伎見に来たんとちゃうんやろか?」糸子は不思議に思った。
「まあ、挨拶だけしに来たんやろ?」と勝。
「挨拶だけしにわざわざ?あんたそんな上客扱いされてたんけ?」
「まあ、そのあれや!小原洋装店がそんだけ有名になったちゅうこっちゃな?」
「そうなんか」糸子は勝が言った事に変に納得するのだった。

― 歌舞伎を堪能した糸子は勝に自分がデザインした制服を見せてやろうと心斎橋の百貨店に連れていく。しかし制服は元の前掛けに戻っていたので糸子は悔しくなった。
「あんたに見せちゃ思てたのに…帰ろ、どっかで饅頭でも土産に買うて」
「そんなに慌てて帰らんでもええんちゃうか?」

勝と糸子はすっかり帰るのが遅くなってしまう。
「ただいま~堪忍な遅なって」糸子と勝が帰ってくると優子と直子が駆け寄ってきた。
「ええ色やんかこれ~」母・千代が糸子のショール(?)を褒めた。
「勝さんが買うてくれてん(笑)」
「ホンマ!良かった、あんたはホンマにええ婿さんもろたな(笑)」

― その日の夜、布団の中で糸子は月明かりを見ながら考えていた。
>戦争中でも月は出る。虫かて鳴く…優子、直子、お腹の子、それから…勝さん。
>ウチは、まだまだこんなに宝を持ってるんやな。
>立ち止まってふと気付いてしもたらその事がありがたいやら怖いやら。
>無くした無い。おらんようにならんといてほしい。
糸子は寝ている勝の背中にくっついた。

翌日、糸子は仕事をしていた静子に言った。
「静子、紅貸して」
「また?うちかて大事に大事に使てんやで?今頃紅なんか売ってへんさかい…」
「ケチいいなあ!戦争終わったらなんぼでも姉ちゃん買うたる!」
糸子は静子から口紅を借りると早速、鏡の前で口紅塗りはじめた。
>ほんのちょっとでもさすんとささないのでは大違いや!

「昌ちゃん!あんたもさしちゃろ!」
「ええですわ!うちは!」昌子は遠慮するが糸子は腕を掴んだ。
「あかん!化粧ちゅうもんはな自分のためちゃうんや自分の顔をみてくれる相手の為にせんならんもんなんや!」糸子は無理やり昌子の唇に塗り始めた。
「らいにほんふじんかいにほこられますよ(大日本婦人会に怒られますよ)」
「オバハンには言わせといたらええねん!」

>大事なもんをホンマに大事にしよう。
>そんな風にちょっとウチが賢なってお腹の子が9ヶ月になった頃…

12月1日
「小原勝さんのお宅ですか?」一人の男が訪ねてきた。
「はい」勝が緊張して返答する
「おめでとうございます!召集令状をお持ちしました」

封筒から出てきた赤紙を見て勝は凍りつく。
そしてその光景を後ろから見ていた糸子もまた愕然としてしまうのだった。

>ああ、来てしもた…


【NHK カーネーション第57回 感想・レビュー】

今日は仕事が忙しく、気がつけばこんな時間での更新…すみませんです。
さて、すっかり勘助や安岡家の人々、奈津は出てこなくなってしまいました。
その代わりに勝&糸子の台詞が沢山です。
なんつーか、最少人数でもちゃんと楽しめていい回でした。
その安心感たるや『サザエさん』に似ているものがあります(笑)
ただ展開としては、最後に赤紙が来るという衝撃的なラストですが…
個人的には、もう少し天然ママの千代の活躍が見たいです。

今日から出てきた菊乃という女性と勝の関係、そして勝が突然歌舞伎に誘った理由等の謎を残してまた明日ですが…勝は亀田兄弟(次男)と似てると思いませんか?
関西弁だから余計?