カーネーションあらすじ 『薄れゆく希望』 第69回(12月21日放送)

朝の開店前― 糸子が店の前を掃除をしていると、店の客が通ったので糸子は挨拶をした。
「こないだは、お香典ようさんもうてしもて…ほんまおおきに」糸子は深く頭を下げた。
世間を舐めたらいけないと知った糸子の頭はこれまでより下がる様になり…
「コラ!何ボサッとしてんや!今のお客さんや!アンタらも頭下げんとあかんやろ!?」
そして糸子は、縫い子達に対してますますガミガミ言う様になった。

心配した程、噂は商売に響かずモンペ教室も再開したらすぐにお客さんが戻ってきた。
その日も小原洋裁店には野菜等を持って習いに来た女性達が長蛇の列を作っていた。

「ごめんください!!」
糸子がモンペ教室の挨拶を終えると婦人会の澤田が2人を従えて店にやって来た。
「ちっ!」思わず舌打ちをし、あからさまに嫌な顔をする糸子。
>いや…待て待て。このおばはんらかて『世間』や…
>世間と上手くやらなあかんちゅう事をよう勉強したとこや

「(ニコッ)ご苦労さんです。今日は何ですか?」
糸子は、にこやかにお辞儀をすると姿勢を正して店の入り口に座った。

「大政翼賛会がおしゃれモンペに警告!このお国の非常時にチャラチャラしたモンペを作って喜んでる不届きものはどうもお宅らだけやないようです。」
澤田は嬉しそうに『モンペはボロ布でつくれ』と書かれたビラを糸子に渡した。
「お宅のこのミシン、供出してもらいます!」
そして澤田は生徒達にチラシを配る様に同行しいてる二人に命じた。

「待って下さい!お客さんにはうちからよう頭下げさせてもらいますよって」
お宅らはどうぞお帰り下さい!」
糸子は体で阻止しようするが、澤田は応じずに一歩前に出ようとした。
「ええから、はよ帰ってんか!」糸子は澤田を鬼の形相で睨みながら大声を出した。
澤田達は苦虫を噛み潰したような表情をしながら諦めて帰って行った。
糸子は帰っていった澤田達に丁寧にお辞儀をした。
「ご苦労さんでした」

― 小原家の居間では昌子が糸子のモノマネを静子達に披露していた。
「『ええから早よ帰ってんか!』…怖~!どこの親分や…!」
「さすが糸子姉ちゃんやな」光子が笑った。
「どっかで修行したことあんちゃうか?素人ちゃうであのドス…」昌子が静子達に言った。
「無いと思うけどな…」と静子。
「せやけど…ミシン取られてしまったら店どないなるんやろか…えらいこっちゃな」
昌子達はくらい雰囲気になってしまうのだった。

一方、糸子は店にあるミシンを一人眺めていた。
「嫌や…絶対嫌や…」
>これを取られるわけにはいかん。これは大事な大事な生活な糧やし…
>お父ちゃんがうちのために反物を売り払ってまで買うてくれたものや

善作の写真に手を合わせる
>なあお父ちゃん…うちどないしたらええんやろ…
「お父ちゃん…教えて…」
>なあ教えてえやお父ちゃん、どないしたらええんよ
糸子は隣で同じ様に手を合わせている優子の存在に気がついた。
「せや!優子、散髪しよ!もうおじいちゃんいてへんさかい髪切ったかてええんや」

「変や!嫌や!!お母ちゃん、なんでこなんしたん!?絶対変や!」
鏡に写った自分のオカッパ頭をみて優子は大騒ぎしだした。
「変ちゃうよ(笑)。おばちゃんらに聞いて来てみ?」糸子は優子に言った。

「なあ!変やろ!?」優子は静子や縫い子達に頭を見せて回ったが優子の予想(希望)とは反対に皆に褒められてしまう。たまらず優子は靴を履いて木岡は着物店に駆け込んだが結果は同じだった。するとそこにいた保男の弟・靖が優子に伝言を頼んだ。
「なあ、お母ちゃんに言うといてや『こないだ軍服屋のおっちゃんが邪魔したな』て」

優子は、肩を落として家に帰ると糸子に保男からの伝言を伝えた。
「ふーん…軍服屋のおっちゃんな…」
糸子はあることが閃いた。
「…その手があったがな!!」糸子は店を飛び出して木岡履物店に入っていった。

「糸ちゃん!?」保男達は勢いよく入ってきた糸子におどいた。
「軍…軍…軍服。軍服!軍服作らせて下さい!!

― 翌日。約束どおり澤田達はミシンを引き取りに小原洋裁店を訪ねる。
「ごめんください。ミシン頂きに来ました」
糸子は昌子に目で合図を送ると昌子が澤田達に軍服を見せた。
「今日からうっとこの軍隊さんのモンを作る事になりました。お国の為にミシンを使えて幸せな事です。ちっこい所帯ですよってどんだけお役にたてるかわかりませんけど…せいぜい頑張らせて貰います」昌子は笑顔で澤田に説明した。
「…ご苦労さんです。せいぜいがんばってください!」
澤田達は何も言い返すことができず悔しそうに去っていった。

糸子は善作の写真に手を合わせた
>お父ちゃん…ミシンどないかなりそうです。
>お父ちゃんが教えてくれへんさかい、うち自分でどないかしてんで。

糸子は隣で手を合わせる優子に気がついた。
優子の髪を切る事を思い出したお陰でミシンが助かった事を振り返った。

>やっぱしお父ちゃんか…(笑)


【NHK カーネーション第69回 感想・レビュー】

最後の『まてよ?』って糸子の回想シーン、今までにないパターンでしたね。
アメリカドラマのような回想で凄い新鮮でした(笑)
一瞬、何が起こったかと驚きましたよ。
今日のエピソードは、善作がいなくても『糸子の頑張り』+『善作が残してくれた宝物』という昨日の流れそのままな感じでしたね。
ちょっと思ったのが、だんだん糸子が善作に似てきたことです。
身内に厳しく、客にはとことん頭を下げ、キレる時は手がつけられない。
最終的には善作のような母親になるのかな…