カーネーション あらすじ 『隠しきれない恋』 第92回(1月23日放送)

>『おいもすいとった』は、『わしも好きやった』でええんやろか?
糸子も周防の腰に手をまわした。
>周防さんの心臓の音がミシンくらい早う打ってました。
>そんで合うてるんやと思いました。
《ドカン!!》誰かが工場のドアを蹴った。

「誰!?」糸子は周防から離れた。
ドアを蹴った人物が工場を離れていく足音が廊下に響く。
「北村さんですたい…今、そこから目が合いました」
「…怒ってましたか?」糸子は不安そうに周防に尋ねる。
「まあ…」周防は気まずそうに笑った。
「そら怒るわな大事な開店の日やのに…」
糸子は北村に謝りに北村の店に行こうとするが周防に止められる。
「小原さんは行かん方がよかです!とにかく、おいが謝っておきますけん」

― 糸子はそのまま小原洋装店に戻った。
「ただいま…」
「おかえり。あんた…何や綺麗になったな…何かあったんか?」
料理を準備していた千代は糸子の顔を見て驚いた。
「…今日はちょっと化粧してるよって“マシ”に見えるだけや」
糸子はそうは言ったものの自分の部屋に戻ると鏡を見て微笑んだ。

「はれ?どないしたんですか!?洋服なんか着て!」
糸子が洋服のまま、店に現れたので昌子は驚く。
「…そら洋装店なんやさかい…そろそろうちも着なあかんよ」
「よろしいわ!先生も店も見栄えするのになって思てましたや!」と松田。
「かっこええわ~」昌子や松田、縫い子達は糸子の洋服姿を絶賛した。
>子供の頃、見よう見まねでアッパッパを縫うた事があります。
>自分の服を縫いたいと思たんはそれ以来かもしれません。
糸子は、その晩に新しく洋服を作る。

― 翌朝、昌子は糸子が作った洋服を手に取って興奮していた。
「見て下さい!お母さん!これ!」
千代と通学前の子供達は糸子が作った洋服を見て称揚した。
「先生!これ、ごっついエエですね!」
「そやろ?また表のボディ着せといて」テーブルを拭きながら糸子はサラリと言った。
「え?自分のために縫うたんとちゃうんですか?」
「思たより良うできたさかい。うちのは、またこさえたらエエんやし」
3姉妹が糸子に学校へ行く挨拶をして家を飛び出していった。
「行って来ます!お母ちゃん、ピアノ買うてな!」
「買うてな!」「買うてな!」
「いっちょいで!…買わへんけどなー」
>周防さんの気持ちを聞いてしもて以来、心がざわめいてざわめいて…
>それがウチに、どんどん洋服を作らせました。
>それから毎晩、次から次へと新しい服を作りました。

― ある日糸子は泉州繊維商業組合の事務所を訪ねた。
「おう!おお!おうおう!」三浦は糸子の洋服姿を見て目を丸くする。
席についた糸子に三浦は言いづらそうに放し始めた。
「今日呼び出したんはな…北村と周防から話は聞いたんやけど…噂は知ってるな?」
「噂?」
「あんたと周防が組んで北村から金巻き上げたちゅう噂や。組合の方にも立ってんや」
周防は北村の店をクビになり、噂が原因で働き口がない状態になっていると説明した。
「そんな噂…誰が…北村さんですか?」
「北村はそれが事実やと…」
「何しよんや、あの男!」
「北村は北村で可哀相な話や…」三浦は辛そうな声で言った。

「…申し訳ない事をしたと思てます。悪いんはウチなんです!
うちがアホな事を言うてしもたさかい…」
「北村は、まさにそこに堪えとんや…あいつはあんたに惚れとったんや…」
「はあ!?」
「哀れやのう…」三浦は、テーブルに置かれた茶を一気に飲み干した。

「周防からも話を聞いた。あんたも知っての通りあいつは妻子持ちや」
遊びだったら口を挟むつもりは無かったと三浦は前置きを置いた。

「あいつはええ加減な性格やない。野暮を承知して聞いてみたんや…
『お前どないする気やな?狭い世界や。中途半端な気持ちでうかつなことをすな!』ちゅうてちょっと説教しよったら、こない言うたんや…」
三浦は言葉につまる。
「…何て言うたんですか?」
「これ言うてエエもんかどうか…」
「聞かん方がええようなことなんですか?
「ええかもしれんし…悪いかもしれへん…どっちがええ?」
「いや…そんな事聞かれても……いや、そやけど言うて下さい!」
「あいつな…」
あー!!!ちょっと待って下さい!」糸子の大声で三浦は飛び上がった。
「…どうぞ」糸子は深呼吸をした。
「あいつな…あんたの事本気で好きやで」

「せやけど、今のかみさんと別れる事は絶対でけへんて。あいつのかみさん、長崎の後遺症があってな、それは自分が一生背負うていかんならん事で…それを今どうにかできるとさらさら思うてない。自分が背負うてる重荷に耐えられんようになったときには、いつもアンタの事を思い出すんやて」
「何や…聞かんが良かった…」糸子は涙をこぼした。
「ほうか?悪いけど…ワシ、言うてスッキリした!(笑)」
「せっしょうな…(笑)」
「周防の事は心配すな。とはいうても今年、60や…」
人の道だけは外れない云々の取り留めない話を三浦がしていると突然、部屋の扉が開いて周防が部屋に入って来た。


【NHK カーネーション第92回 感想・レビュー】

北村が糸子を好きだったとは…てっきり糸子の母親の千代が好きなのかと(笑)
…でもいつの間に?
今日は会話ベース(半分以上が三浦と糸子の会話)でしたが、結局のところ北村商店は成功したかどうかは不明なんですね。
それにしても“ほっしゃん”も子供っぽい事するな~店を手伝ってもらって。まずこれが率直な感想です。よーく考えてみたら北村は糸子というより周防が奥さんがいて、そんな事をしているのが許せなかったんでしょうね。“ほっしゃん”は酒飲んで女性がいる生活が羨ましいとか言っていたので結婚とかに憧れがあったから。
うん、三浦の言うとおり“ほっしゃん”可哀相。まあ、でもやり方よくない。
最後のシーンで、ドアが開いたとき『“ほっしゃん”キター!!』って思ったんですが、周防さんでしたか…なんか気まずいムードが笑えましたね。