カーネーション あらすじ 『ライバル』 第98回(1月30日放送)

― 昭和29年秋、小原洋装店には大勢の女性が集まり『第一回オハラファッションショー』が行われていた。
店に集まった女性達に昌子が服のデザインコンセプト等を説明する。
後ろには音楽『銀座カンカン娘』が流れていた。
15歳になった小原直子はそのレコードの隣で菓子を頬張りながら絵を描いていた。

11歳になった小原聡子は練習帰りに『アメリカ商会』に立ち寄り飴を買った。
アメリカ商会は元は木之元電気店で店頭には息子・志郎が店番をしていた。
自分の家が賑わっているので聡子はその隣で盆栽の手入れをしている木岡保男に尋ねる。
「おっちゃん、うち何してるか知ってる?」
「なんや服のお披露目会ちゅうちゃあたで」
「ふーん…」聡子は興味なさそうに家に帰っていった。

オハラ洋装店のファッションショーは大盛り上がりで女性達はファッションショーが終わっても服の話題で話に花を咲かせていた。
糸子が昌子達と後片付けをしていると北村が笑みを浮かべながら糸子の前に現れた。
「えらい盛況やんけ」
「なにしてんや?」
「見に来たったんやないか。第一回ファッションショーをするちゅうさかいに」
「呼んだ覚えないわ、ホラ吹き男なんぞ」糸子は北村を睨んだ。
「お前よ…いつまでそんな古い話ネチネチ言うとんじゃ美容に悪いど(笑)」
「なんとでも言え。墓に入るまでネッチネッチしたるわ!」

糸子に呼ばれて手伝いに一階に降りてきた聡子と直子が北村に気づいた。
「あ!北村のおっちゃんや!」2人は嬉しそうに北村に駆け寄る。
「何やお前ら、ちょっと見ん間にごっつい大きくなっちゃあるやんか~!(笑)」
「へへへ!せやろ?」と聡子。
「なんやここの子らは、どいつもこいつもニョキニョキしやがってよ~(笑)」
北村は上機嫌に笑っていると糸子の母・千代も北村に気がついた。
「北村さん来てくれはったんですか?」
「どうもお母さん、元気しちゃあた?」
「おかげさんで~こないだ何ちゃらちゅう上等な果物ようさん送ってもうて…」
「あれな、バナナいうて上等やぞ(笑)」
糸子は娘達や千代・昌子達が北村を慕っている事が面白くないといった感じだ。

「おうおうチビちゃんらよ!なんぞ甘い物でも食わしちゃろか?」
「ほんま!行く!」直子と聡子は二つ返事で応えた。
「ええて!そんなんせんで!」たまらず糸子が北村に注意する。
「ええんじゃ!わいが言うてんやから!」
糸子と北村は口論するが姉妹達は糸子の言う事など気にせず2階で油絵をしていた優子を呼んで北村と喫茶店“太鼓”へ出かけるのだった。

― 喫茶店で黙々と食べる姉妹に北村が驚いていると木之元栄作がやってきた。
「電気屋の大将!わし久しぶりに通ったら店、変わあちゃるやん」
「アメリカ商会な。アメリカのモンを置いてんや!ごっついオモロいど(笑)」
北村に栄作は電化製品の形が面白くなくなって来たからと電気屋を辞めた理由を話した。
「ラジオでも何でも四角なって色もエエ事ないし店に一杯あったかて嬉しならへん!」
「分かるわ~」突然、喫茶店のマスターが会話に割って入った。

その後、受験勉強をしている優子が美大を受験すると聞いて北村は驚く。
「美大!?お前!絵描きになるんけ!?」
「まだわからへんけど…」
「うちはなるで!うちはプロの絵描きになる」直子が口をはさむ。
「は?あんたな、そんな甘いもんちゃうで?」
「甘かろうが甘なかろうがうちはプロの絵描きになる!」
優子と直子はそのまま睨み合ってしまう。
「…お前ら…お母ちゃんの仕事継いじゃらへんのけ?」北村が尋ねた。
「絶対嫌や!」優子と直子が同時に答えた。
「なんでよ?」
「盆も正月もなしに朝から晩まで仕事ばっかし!あんな働き詰めで一生終わんの嫌や」

北村は一人黙々と食べていた聡子に視線をうつした。
「なあ…おっちゃん、それもう食べへんのけ?」
聡子が北村の食べていたものをジーッと見て尋ねてきた。
「…食えや」北村が返答すると3人は取り合いになってしまう。

その後、姉妹達は嫌がる北村を無理矢理店に連れて来る。
>お約束の茶番劇でこの手でこいつは三ヶ月に一度は夕飯を食べて行きます。

「うま!これ何よ!このイワシ!お母さんまた一段と腕上げちゃあんな(笑)」
北村は口に入れたイワシの煮つけを絶賛した。
「ハハハ!ほんな事ない。今日はイワシが良かっただけや(笑)」
「またそんなこといって(笑)」
糸子はその北村と千代の会話を面白くなさそうな顔で聞いていた。

「ひいばあちゃんはな、もっと上手やったんで」千代はハルについて語った。
「うん、イワシばっかーしよう炊いちゃったなあ」糸子は思い出した。
>戦争が終わってアッチュウ間に10年が立ちました。
>昭和29年、うちは41歳になりました。

「あんたまた仕事すんのかいな?」
酔った北村を玄関まで送った千代は糸子がミシンの前に座ったことに驚いた。
「よっしゃ!」糸子は背伸びをすると鼻歌まじりでミシンを動かし始めた。

>さあ!これからです!


【NHK カーネーション第98回 感想・レビュー】

衝撃的な展開です。3姉妹が大きくなる中、ほっしゃんカムバックです。
昭和29年ていうと…周防さんと別れてから6年の月日が経つわけですね。
私の中では勝手に周防編が終わって周防編のキャスト(周防さん、組合長、北村)の三人はもう出てこないものだとばかり思ってました。
ところがどっこい、ほっしゃん、小原家に頻繁に出入りしていたかのような展開。
娘達や千代、昌子までとても仲良くて…
どういう展開があって、ほっしゃんが小原家に出入りするようになったかは不明ですが“償い”なのかな?ま、理由はわかりませんが、いいおじさんになってて笑えました。
3姉妹は確かにニョキニョキと大きくなりましたね~これからは、どっちかいうとこの3姉妹に焦点が当てられていくと思いますが、糸子の言うとおり『これから』本格的に始まる感じがしなくもないです。
直子役の川崎亜沙美さん…聞いた事ないと思ったら女子プロレスラーですって(驚)
一瞬ですが南海キャンディーズの“しずちゃん”に見えました。