カーネーション あらすじ 『ライバル』 第101回(2月2日放送)

昭和30年9月、優子の機嫌良く歌う鼻歌で目を覚ました直子は朝から面白くない。
「ほないってきます!」
「ご苦労さん!行っちょいで!」
学校へ楽しそうに向かう優子に千代が声をかけた。

「…別に何もご苦労なことないやん。仕事してる訳ちゃう。学校行ってるだけやのに」
優子がいなくなってから直子はつまらなそうに千代に言った。
「店継ぐつもりで洋裁の学校へ行ってくれてんやさかい『ご苦労』ちゅわな」
千代は笑いながら直子に説明した。

>優子が店を継ぐつもりでおるんかどうかホンマの所はようわからんけど
>ご近所では、すっかり、もうそういう話になってしもてて
>あっちこで褒められるんは優子とて“まんざら”でもないらしい。

従兄弟である松坂勇が珈琲農園を営むセレベス島からチョコレート送ってきた。
糸子と千代は学校から帰ってきた直子と聡子と共にチョコレートを食べていると優子が糸子の所に布と針を持ってやってきた。
「お母ちゃん!課題な、教えて欲しいとこあんやし」
「どれどれ…」
チョコレートに見向きもせず一生懸命に母に縫い方を学ぶ優子を直子は眺めていた。

― 昭和30年9月14日夜、“だんじり”祭が終わって宴会がオハラ洋装店で開かれていた。
料理にカニが出てきたので店に集まっていた連中のテンションがあがった。
そんな中、帰ってきた優子が忙しそうな糸子に話しかけてきた。
「ウチな、お母ちゃんにお願いがあんねん」
「あとでええやないか。いま祭りなんやさかい」糸子はめんどくさそうに応えた。
「皆にも聞いてもらいたいんやし…」
優子の言葉に宴会で盛り上がっていた人々は静かになった。

「…洋裁学校の先生が東京の学校に行った方がええっていうねん。
先生が言うにはうちは『大阪におったらもったいない』やて…『東京に行ってもっと本格的にスタイルがを学びなさい』て」
優子は東京の有名な先生に東京へ行っていいかスタイル画を送った事を説明した。

「そしたらな…『素晴しい才能や!是非来なさい』て言ってくれたの!」
「すごいやん!」店にいた人々は一斉に優子を絶賛した。
優子は手に持っていた封筒を糸子に渡した。
中からは優子が東京に送ったスタイル画が出てきた。
糸子はその完成度の高さに驚き、昌子や千代達も感嘆する。

「お母ちゃん!ウチは今度こそ本気です。東京へ行かせて下さい!お願いします!」
優子は両手をついて頭を下げた。
「…」糸子は何も言わず頷いた。

「エライ!…偉いわ優ちゃん!」玉枝が声をかけると一斉に拍手が起こった。
「おおきに。お母ちゃん!うちな…がんばるよって!」優子は涙を流しながら言った。
「凄い!凄い優子姉ちゃん!がんばってな!」聡子が言うと再び拍手がわき起こった。
みんなが祝福するする姿を直子はつまらなそうに眺めていた

― 優子が東京へ旅立つ日、妹2人に優子は挨拶をした。
「お姉ちゃんは東京にいってくるさかい、その間お母ちゃんをしっかり助けてや」
「うん!わかった」聡子は返事をするが直子は机に向かって絵を黙々と描いていた。
「この店は姉ちゃんが継ぐよって、あんたらは自分の進みたい道に進んだらええ」
「うち、テニスの選手になる様にがんばるわ!」聡子が元気に言った。
「本気でやらんあかんで…直子もな絵描きになりたいんやったら本気で本物になりや」
しかし直子は返事もせずに相変わらず絵を描き続けていた。

優子は自分のバッグを荷物に入れてしまった事を思い出した。財布をいれたりするバッグがないことに困惑する優子と糸子だったが松田が落ちていた赤いバッグを差し出した。
「…それ、直子のやけどな…まあ、ほっぽってる方が悪いな。これに入れていき」
糸子が優子に赤いバッグを持たせて家を出ると直子が後ろから走って追いかけて来た。

「ウチのや!このバッグはウチのや!!」
直子は優子からバッグを力づくで奪おうとする。
「…あんたほったらかしにしとった…痛い!」
バッグを取り合いになった直子と優子はもみ合いになってしまう。
「やめ!やめ!やっめー!!」糸子が止めようとするが2人のもみ合いは終らなかった。

>結局昌ちゃんが古い手提げを見つけ出して来て優子はそれを持って旅立ちました。

「ウチがお母ちゃんに買うてもうたんや…」
直子は部屋に残って赤いバッグを涙を流しながら抱きしめていた。

>そんな直子の悔しさなど優子もうちも…だーれも知りませんでした。


【NHK カーネーション第101回 感想・レビュー】

正直なところ、私には周防さん編より、ずっと面白い展開です。
周防さんと糸子の苦悩よりもずっと健全だし。
ただ…ただですよ?…残念なのは尺の短さです。もう少しゆっくりとじっくり楽しみたいのに…まあ、カーネーションではいつものことですが内容が詰まりすぎなんですよね…これだけ内容が濃かったら大河ドラマのように1年間にしてもらいたいたかった(笑)
優等生の優子に負けず嫌いの直子、そしてマイペースの聡子…これから3人がどのように絡んでいくかが非常に楽しみです。
さて、東京に行った優子ですが、昭和30年て言うと映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の時代が昭和33年ですから3年前です。
そろそろオハラ洋装店にも冷蔵庫やテレビが導入されるんでしょうか。