カーネーション あらすじ 『ライバル』 第102回(2月3日放送)

昭和32年(1957年)秋、20歳になった優子が東京から帰って来た。
小原家では優子を囲んで美代や八重子、玉枝も加わり夕食を食べていた。
「ただいま~!」テニスですっかり日焼けした聡子も帰ってきて夕食に加わった。

「続いてんだ…強いの?」
優子は聡子がテニスを続けている事を喜んだ。
「まあまあや(笑)」聡子は照れくさそうに答えた。
「…強いらしいで?こないだかて大会1位やもん」直子が言った。
「凄いじゃない!直子はどうなのよ?」
「…その前に何なん?その喋り方…気色悪いんやけど。普通に喋りぃや」
直子は優子の言葉使いを指摘した。
「ちょっと普通ってなによ(笑)あのね世間じゃ岸和田弁の方が普通じゃないのよ?」
「は?格好つけなよ!」
直子と優子が言い合いになりそうになったので糸子は止めた。
「直子もなあ、絵が凄いんやで?賞とったしなあ?」千代が直子の絵の話に戻した。
「毎朝新聞の大賞や。姉ちゃんが佳作になったやつ」
直子は勝ち誇った表情をすると優子の表情が僅かに曇った。

>優子が東京へ行って二年、最初の頃こそ弱音を吐いていたものの
>この頃はいっぱしの東京娘のような顔で帰ってくるようになりました。

ある日、店の客を頭を下げて見送る糸子に優子は切り出した。
「そんなにいちいちお客に頭を下げる事なんかないわよ。洋裁師ってもっと誇りを持った方が良いと思うわ。原口先生もそう仰ってた」
「…また原口先生かい」
>原口先生っちゅうのは東京に優子を呼んでくれた先生で
>すっかりかぶれてしもてる優子は二言目には原口先生原口先生って…

夜、千代は原口先生と優子が怪しいのではと言い出したので糸子は鼻で笑った。
「あほらし。ほんな訳あるかいな。そもそもええ年やろ原口先生て…」
「せやから余計心配なんや…あんな若い娘があない原口先生、原口先生て…」
「あの子は昔からそうやんか。先生に言われてごっついありがたがる性格なんや…そもそもお母ちゃんはな若い頃別嬪やったよって男ちゅうたら寄ってくるもんて思てやろ?
うちかてお母ちゃんいちいちうれしがる程何もモテてへん。優子かて東京行ってあか抜けたか知らんけど、まだまだじゃがいもみたいなもんや。東京の先生がかまてくれるかいな…」
「いや、ほんなことないで。優子は今日帰ってきやったときかて『はれ?どこの女優さんや?』ってくらい綺麗になってたしな~」
「身内の欲目や…」糸子は呆れてしまう。

― 髪をとかしながら壁にかけてある絵をみながら直子に尋ねた。
「これ?大賞とったってやつ」
「そうや」直子は左手のデッサンをしながら答えた。
「いいじゃない。すごく…やっぱりあんたは才能あるわよ。本気で絵描き目指すと良いわ」
「なんやそれ。…自分は途中で投げたくせに」
「そうよ。だって長女だもの。姉妹の誰かが背負わなければいけないものを私が背負ってあげたの。だからアンタ達は私の分も本気で自分の道、進まなきゃダメよ」
優子は直子と聡子に言うが直子は返事をしなかった。
そして優子は最後の最後まで原口先生を連発しながら東京へ戻っていった。

― 昭和32年11月、泉州繊維事業組合事務室。
「元気やで周防も!こないだ紳士服の経営者の会合があってな、そこに顔出しよった!」
組合長の三浦が事務室を訪ねてきた糸子に話した。
「うちも恵さんが月に一回集金に行ってますけど、ええ店になってるって言うてました」
糸子が普通に嬉しそうに報告したで三浦は満足そうにうなづいた。

すると女性達数名が事務所にやってきた。
>この頃繊維業はごっつ栄えてきてます。女の経営者も今ではウチ1人ではありません。

糸子は女性経営者と流行の生地や海外のデザイナーの話などをするようになっていた。
「なんぼか時代が変わってきてるちゅうても、まだまだ男が強い!」
喫茶店“太鼓”に集まった女性経営者の一人が糸子達に言った。
「そんな簡単に世の中変わらへんて」他の経営者がうなづいた。
「…せやけどだいぶ変わって来たで?」
糸子は子供の頃に女の自分が店をもてるとは夢に思わなかったと説明した。
「とことん好きなだけやったらんと損やで?
おばあちゃんがよう言うちょったわ…女には女のやることがあるし
この頃はホンマそう思うわ。女にしかでけへん商売ちゅうのがある気がする」
「わかるわぁ!男の人の商売みとったら何で意地張るのならんの?ちょろっと頭下げたらええやんて思う!」
「女は張らん意地なんてないさかいな…これは強みやで(笑)」
>同じ志の女の人らがおるちゅうことはお互いホンマに嬉しい頼もしい事で
>それからも度々寄り合っては色々な意見や情報の交換をする様になりました。

― ある日、木之元栄作が店に戻ると中年男性が木之元の店をジロジロ見ていた。
「すばらしい店ですね!非常に何ていうか情熱を感じますよ」
中年男性は木之元が店の主人である事を聞くと店を褒めた。
「そら、うれしいなあ!立ち話もなんなんで座って下さい!」
木之元は、店が褒められて気分が良くなり2人はしばらく店の前で話し込んでしまう。

「ただいま」学校から帰ってきた聡子が店の前で話し込んでいた木之元に挨拶をした。
「お!聡ちゃん!お客さんやで?東京からの」木之元が聡子を呼び止める。
「…東京?」
木之元は聡子がオハラ洋装店の三女であると男性に紹介した。
「どうも初めまして。東京で優子さんの指導をしております…原口です」
男性は立ち上がり聡子に微笑みながら挨拶をした。


【NHK カーネーション第102回 感想・レビュー】

いきなり二年経過(笑)
周防さんが活躍していた年から9年が経過したことになります。
優子は得意だった絵で抜かされてしまい、直子も優子が絵を辞めたことが面白くない。
2人が互いを凄い意識しているのが伝わってきて面白い回だったのではないでしょうか。
原口先生、とてもいい人そうですが何しに岸和田にきたんでしょうかね。
そんな中、気になったシーンが2つ程。
まず優子が再び東京へ行くところで千代が貧血?そして糸子達、女性経営者達と北村が賑やかに洋服について盛り上がっているのを組合長の微笑み…なにか起こりそうな予感。