カーネーション あらすじ 『自信』 第106回(2月8日放送)

『お母ちゃん、いよいよ学校がはじまりました。
入学式の朝、直子はやっぱりセーラー服を着て…ずいぶんしょぼくれた顔で出かけてったんだけど…夕方、アパートに帰ったらなんだか変な子を連れてきてました。』

『何考えてんの!男の子をウチに入れるなんて!…って思ったんだけど、せっかくできた友達だから我慢する事にしてあげました。それにしても直子もその子も…一体ウチの学校に何しに来たの?ってくらいイカして無さのよ』

― 泉州繊維商業組合の事務所で組合長の三浦は糸子のグラスに洋酒を注いだ。
「いや~そらオモロイ話やなあ!乾杯や!」
糸子と北村と三浦の三人は事務所で気分よく酒を飲んだ。
「小原大先生に付いてもうたらもう心強いな!」三浦は嬉しそうに言った。
「この人の商売は正直どうでもエエんですけど(笑)」
「どうでもええてなんやねん!」北村が糸子にツッコミをいれる。
「組合長の厚意に応えられるちゅうんが嬉しいです…応援してもうてありがたい思てます」
糸子は三浦に感謝の気持ちを伝えた。
「ほれ、なんやかんや言うても…アンタ一番古うからの知り合いさかいな。身びいきもでるわな。内緒やで?」
「何ぞこいつにひいきしたんですか?」北村が三浦に尋ねた。
「知らーん(笑)」三浦と糸子はしらをきった。

>楽しい祝杯あげて帰って来たのに…何や、どっか気持ちが晴れませんでした。
>暗あて重たい…何やこれ…?

家に帰ってきた糸子は台所の電気をつけ、封筒からノートを取り出した。
ノートに貼ってあるトラペーズラインの写真を見てページをめくる手が止まる。
>…ああ、やっぱしこれや…
トラペーズラインの良さが理解できないという事が気になっていた。
>分からんもんはしょうもないて無視したい…けどわからへんウチが悪いかもしらん
>サンローランは21歳…うちも誰よりも自分が時代の先を分かってると思っていた。
>あの自信はなんやったんや…21歳がホンマにそないに解ってるもんやろか?


糸子は安岡美容室に訪れ、玉枝に訪ねてみた。
「21歳のとき?」玉枝は糸子に聞き返した。
「…うん。ウチどない見えた?ようもの分かってる様に見えた?」
玉枝は祝言の日まで仕事をして遅刻し皆に怒られた事等を挙げた。
「…ようもの解ってる様には見えんかったなあ…」
>スッキリした!21歳は間違いのうアホや!21歳なんぞ何も怖がる事無い。
玉枝から自分の21歳の頃の話を聞いて晴れやかな顔で店に戻った。

「やめときましょうよ!そんな桁のちゃう商売。無茶です!」
北村との商売の話を聞いた昌子が言った。
「何も無茶ちゃうて。縫製と販売は北村社長がやる言うてんや。
うちは生地代だけ出したらあと売り上げの一割帰って来るんやで?」
「先生、万が一…外したら…」会計・松田恵も不安そうに糸子に訴えた。
「外さへん!うちがデザインするんや!しかも生地は一級品…絶対勝てるて」
>自信もってウチなりの商売やったらええんや!

『お母ちゃん,聞いて下さい。今日アパートに帰ったら…男が増えてたの』
― 優子が連れて来た男子学生の吉村が卵を持って熱く語った。
「僕はね…この卵の曲線に宇宙を感じるんだよ!」
「そう!この卵には全部入ってます!」教師の原口が続いた。
本当に冗談じゃないわよ!…はい!さあどうぞー食べて下さいね」
優子は直子が連れて来た男子生徒と原口に用意したつまみを出した。

「君達!小原直子君の姉上は入学以来万年主席の優等生なんだぞ!」
原口は男子生徒に優子のことを説明する。
「やだ先生!たいした事無いですよ私なんか、生真面目なだけで(笑)」
優子は照れ笑いを浮かべた。
「たいしたもんじゃなあ…」男子生徒達が優子を羨望の眼差しで見つめた。
そんな中、直子がボソリと優子について呟いた。
「…ホンマに真面目なだけやで?点取りが上手いだけで別に才能があるわけちゃう」
直子が発した言葉で全員言葉を失ってしまう。

「お…お姉さん、やっぱりそれディオールですか?」
「トラペーズラインでしょ?ね!」
気を使った男子生徒達が話題を優子の服に変えた。
「ああ…そうなの。これ自分で縫ったのよ。ディオールなんて買えやしないもの(笑)」
「人気ですよね?サックドレス」
「サンローランはやっぱり凄い!次何出すかワクワクするよ」
「ふーん、やっぱり皆流石にうちの生徒ね」優子は男子生徒に感心した。
「優子君!彼らはウチの学校が初めてとった男子学生だろ?確かに見かけはパッとしないんだけども…これが驚く程粒ぞろいでね~これから必ず彼らが時代を切り開いて行くよ!」
原口が男子生徒達について説明する。
「でも先生、直子も凄いです」斉藤が直子について褒めた。
「そう!直子も凄い!」原口が斉藤の行った事に賛成した。

「そうですか?私にはただの出来の悪い妹にしか…(笑)
ウチの学生なのにこんなボロボロのセーラー服なんか着て…恥ずかしいったらね(笑)」
優子はさっきのお返しとばかりに直子の事を言った。
「うるさいんじゃ!うちは姉ちゃんみたいに能天気ちゃうねん!」直子が声を上げた。
「はあ!?能天気!?」
「何がトラペーズラインや…よう他人がデザインした服着てヘラヘラしてられんな。
この道進むて決めた瞬間からウチらはデザイナーなんや。何着るかはそのままデザイナーとしての面構えなんや。自分の面構えも決まってへんのによその服真似して喜んでる場合ちゃうんじゃ!ほんなことも分からへんけ!?」
「なにぃ!この!もう一回言うてみぃ!!」
「何回でも言うたらぁ!半端者の根性なし!あんたなんかなぁ店継ぐ資格ないんじゃ!」
優子と直子の言い合いがヒートアップしたので原口達全員で二人を止めた。

― 散らかった部屋の後片付けを斉藤がやる横で優子は泣きながら手紙に書いた。
『…私には直子は手に負えません』

>そんな手紙が優子から着ました。
>けんかの内容はどうでもようて…そんなことより気になったんは…
『トラペーズラインでしょ?』
『人気ですよね?サックドレス』

>ここや…


【NHK カーネーション第106回 感想・レビュー】

糸子の考え方が凄かったです。
昨日、聡子がテニスで新聞に載ったことよりも上物の生地について頭が一杯。
今日、優子から悲痛な手紙が来てもトラペーズラインで頭が一杯。
うーん、やはり成功者とはこうあるべきなのかと考えさせられます。
優子を困らせる直子ですが…女優さんが女子プロレスラーということだけあって、若干本当に怖いです(笑)。どうしても南海キャンディーズの“しずちゃん”に見えてしまいますが、言ってることは『なるほど!』と思ってしまいます。
今日から登場しているパッとしない斉藤君ですが、直子と考え方が同じなんでしょうね。
最後、残って散らかった部屋の後片付けを一人でやっているところが可愛いです(笑)
それにしても優子がなんだかかわいそうな展開が続きますね~