カーネーション あらすじ 『あなたを守りたい』 第112回(2月15日放送)

>昭和35年イヴサンローランは言うたそうです…
>『極度にシンプルにすることこそ明日へのシルエット』
「聡子、シンプルて何や?」糸子は横で寝ながら漫画を読んでいる聡子に尋ねた。
「シンプル…さあ?」聡子は返答した。

糸子が台所に食器を片付けに行くと千代が注意してくる。
「ちょっとあんた、たまには聡子の事も褒めたりや」
「はあ?」
「意地らしいやんか~あないしてあんたの膝に足なんか乗っけて、『この足でうちもテニスで頑張ってる』ってあの子はあんたに言いたいんや。気付いたらんかいな」
「うん…」糸子は、千代に促され聡子がいる居間に戻った。
>そういえば聡子がテニスで秩父宮賞とかいうのを貰ろたそうです。
糸子は仏壇に置いてあった賞状を取り出し、手を合わせた。
「どないしたん?…なんでそんなんするん?」その様子を見ていた聡子が聞いてきた。
「そら大事な聡子が頑張って貰ろて来た大事な賞状やさかいなあ。聡子は偉い子です。ありがたい子です。なんまんだぶなんまんだぶ」
糸子が去った後、聡子は足をバタバタさせて喜ぶのだった。

― 糸子達組合の女性経営者は事務所で新しく入ってきた女性と話していると北村が現れる。
北村は“既製服商売の講師”で女性経営者達に講義を始める。
>この頃、既製服が本格的に広がり始めて、オーダーメードでやってきた人らも
>そろそろそっちへの商売替えを本気で考えているようでした。
>なんで北村の講義なんか真面目に聞かなあかんねん!
「あほらし!」周りが熱心に北村の講義を聞く中、糸子は立ち上がり事務所を後にする。

>昔はあんなけ待ち望んじゃった時代の変化ちゅうもんが今のうちにはなんや怖い。
>アメリカの物やからて、そないジャンジャカ売れる事も、もうないし…
>下駄は完全に靴に取って代わられてしもうた。
糸子は閉っている木岡履物店、続いてガラスに写る自分を見た。
>うちは今47…お父ちゃんが呉服屋の看板を下ろしたのは50の時やった。

― そんなある日、着物を着たサエが若い女性を連れてオハラ洋装店を訪れる。
>サエは高級クラブのママをやってて時々、若い従業員を連れて来てくれます。

「こんな感じでどうでしょう?」
デザインに納得がいかないサエに優子は最近の流行について説明しようとするが
「流行はどうでもええねん。ドレスはな女を二割増三割増に見せてなんぼやで。流行っったったらええちゅうもんちゃう!」サエは強い口調で伝えた。
するとサエは糸子が自分をじーっと見ている事に気がついた。
「…何や?糸ちゃん、どないしたん?」
「アンタ…ホンマ惚れ惚れすら。何でそんな根性据わってんの?教えてや」
「うちは、そない欲張りちゃうのや。昔から欲しいちゅうたらただの一個だけなんや」
「…何?」
「男…フフフ(笑)」
「ああ~!」糸子は納得した。
>うちは欲張りすぎなんや…サエみたいに欲しいもんを一言でよう言わん。
>自分がエエと思う服を作りたい…けど商売も上手い事いかせたい
>時流に流されてたまるか思てるけど…時代に後れてまうのは嫌や
「はあ~しょうもな、あほらし」糸子は思わずもらしてしまう。
>ほんなもん、根性すわらんであたりまえじゃ
>ウチがホンマに欲しいモンて何や?

― 昭和35年12月、糸子達はクリスマスケーキを食べている。
「直子は卒業したら何すんよ?」北村が尋ねた。
「東京の百貨店に店出すんや」直子はヤングコーナーという場所に出店を誘われた事、そして将来は自分の名前のブランドを立ち上げたいと発言した。
「それそれ!結局よ、安い物数揃えたかてよ大した事ないねん!“プレタポルタ”ちゅうんは高い物をぎょうさん作ってぎょうさん売ったろちゅうことやろ!?」
「せやで!デザイナーが有名やったらそれだけで人はなんぼ高ても欲しがりよるがな!」
「そうや!タグ貼っつけただけでオモロいように売れるさかいのう!(笑)」
直子と話があったので北村は調子に乗ってしまう。
「あんたまだそんな事言うてんか!インチキ商売かまして捕まったんはどこの誰じゃ?」
「…いやちゃうがな!今回はインチキちゃう!」
「え?捕まった?…おっちゃん、捕まったん?」直子が驚いて北村を見た。
「…」北村は何も言えなくなってしまうのだった。
>下には下があるもんでこいつはうちよりアホです

― 夜遅く、風呂上りの直子は漫画を読んでいる聡子にちょっかいを出す。
短大を卒業してからはまだわからないという聡子に対して直子は、テニスの選手になったらいいとアドバイスをする。
「ほんでもお母ちゃんは、あんまし喜ばへんやろ?」
聡子は自分がテニスで賞を獲っても糸子が直子の賞ほどは喜ばないことを挙げた。
「秩父宮賞…装麗賞よりよっぽどごっついで」直子はいぶかしむと
「ええやんか。お母ちゃんなんかどうでも。自分のやりたい事しいや」聡子に伝えた。

― 昭和36年正月、直子は『アメリカ商会』の看板を外している木之元栄作に驚いた。
「ええ!おっちゃん、この店、畳むん?」
「そもそも商売に向いてへん…電気屋かてたまたままぐれで当たっただけで…」
木之元は“アメリカ商会”の看板を抱きながら落ち込みながら説明した。
「…店畳んで何すんの?」
「こないだ太鼓の大将から店譲りたいちゅう話されてな!『アンタ以上にこの店を大事にしてくれそうな人、他にいてへん!』ちゅうて!!」
「ええやん!やりやり!(笑)」
「やるやる!(笑)」

>人生ちゅうのは優しいもので何を欲しいかもよう言わん人間の手にも
>急にポコッと宝物をくれることがあります。

糸子は優子の赤ん坊の里恵を抱っこしていた。
「抱くか?叔母ちゃん(笑)」横で里恵を覗き込んでいる聡子に尋ねた。
「ええわ、おばあちゃん(笑)」


【NHK カーネーション第112回 感想・レビュー】

カーネーションによくある『休憩』のような回は、時間の進みや状況が変わる感じですが、見事に今回も色々と変化しました。優子は子供できたりサエがクラブのママやってたり…。
木岡履物店は一時休業のような貼紙があって、アメリカ商会が店じまいをしてしまい、栄作は太鼓のマスターに。(いつだったか、太鼓のマスターと意気投合していたのは伏線だったとは)そんな中、糸子が遂に47歳のお祖母ちゃんですか…とてもそんな年齢に見えないけど、演技は間違いなくそんな感じがするのが凄いです。
未だにタイトルの『あなたを守りたい』と内容が一致している感じはしないのですが、明日あたりから、またドラマに動きが出てくるんでしょうかね。