カーネーション あらすじ 『悔いなき青春』 第124回(2月29日放送)

八重子が玉枝があと半年だと伝えた時(昭和45年7月)から日は経過して
昭和47年3月、いとこの家ではひな人形が飾られ、子供達が歌っていた。
>“年寄り”ちゅうんは病気の進行が遅いそうです。
>結局、おばちゃんは宣告の半年を遥かに超えて今日で1年と8ヶ月目
「お父ちゃんと息子が2人とも向こうで待ってくれてるちゅうことやろ?なんや何も怖い事のうなってしもた(笑)」
ちらし寿司を食べながら玉枝は嬉しそうに言うと
「いや、ホンマや!ハハハ!」千代もつられて笑った。
「おばちゃん…それ、笑てエエんかどうかわからへん…」
糸子が真剣な顔で言うが千代と玉枝は気にしない。

>まだまだウチらの知らん境地があるらしい。
>おばちゃんは、それからまた半年持ちこたえて…ある朝
布団に横たわる玉枝に糸子は手を合わせた。
「ホッとした…」
八重子は玉枝の姿を見ながら呟いた。
「うん…」それを聞いた糸子は小さくうなずく。

― 昭和47年11月、源太が直子の原宿の店に現れる。
「…直子らしい店だなあ~面白い。パリでも絶対通用するよ!」
源太は直子の店の店内を見渡しながら嬉しそうに言った。
「当ったり前や。まあ見ててみ。そのうち進出するよって。
シャンゼリゼにでも店出すさかいレセプション呼んじゃるわ!」
直子は不機嫌そうに言った。
「おう!行ぐ行ぐ!絶対行ぐ!」
源太は、そんな直子の態度にお構いなしに笑顔で応えた。
すると封筒をかかえた聡子が店に入ってくる。
「ただいま~」
「聡ちゃん!?え?今、手伝ってるの?」源太は聡子をみて目を丸くする。
「うん!」
「せやねん。お母ちゃんと交代でウチの店手伝うてくれてな」
直子が補足で源太に説明した。
「へえ~聡ちゃんまでこの道進んだんだなあ」
「まあ最初は頼んなかったけどな、この頃はだいぶようできるようなってんで」
「パリで修行したかったらいつでもウチの店で雇うよ」
「おおきに!」聡子は笑顔で礼を言った。

>聡子ができるようになったんは、ホンマの事らしくて
「…聡ちゃん、婿とらんでもなんとかなるんとちゃいますやろか?」
昌子と糸子のお茶を入れながら恵が言った。
「ホンマけ?」
「優ちゃんの店、直ちゃんの店…あっちこち手伝わされてるやないですか?
あれでだいぶ鍛えられてきたんとちゃいますか?」
「うちらが周りで助けながらやったら、なんとか店主も務まるかもしれませんわ」
「ホンマ?…ほう。ふーん」糸子は嬉しそうにほくそ笑んだ。
>いっぺん出鼻くじかれてるよって
>ウチもも『引き際を決めたるやらどうやら』ちゅうんはどうでもようなりました

― 昭和47年12月、昌子達が店のあと片付けをしている最中、糸子は店の奥で聡子が切り分けているクリスマスケーキを食べ始めた。
「あ!あかん!まだ皆揃ってないのに…」
糸子はケーキを再び口に入れると静かに聡子に尋ねてみた。
「…なあ、そろそろあんたに看板譲ろか?」
「看板?」
「うん…あんた、店主になるか?」
「お母ちゃんは?」
「ウチもな、辞めるわけちゃうけどな。一応そう言う事にしよかちゅう形の話や。
お客さんにちょっとずついうていかなかんことやし。何かが急に変わるちゃうよって…年明けからそういう事でやっていこか?」
「うん…」
「アンタがエエんやったらそんで進めんで?」
「はあ…」聡子は倒れたケーキと格闘して、いつものように生返事を繰り返した。
>聡子の返事に締まりがないんはいつものことやて
>ウチは何も気にせんと話を進めることにしました。

― 泉州繊維商業組合 組合事務所
「いよいよオハラ洋装店も代替わりか!」組合長の三浦が嬉しそうに糸子に言った。
「どうにか三番目が形になりそうで(笑)」
「よかったな、三人産んどいて(笑)」
「ホンマですわ!」
糸子は年明けに挨拶に来ると伝え笑顔で年末の挨拶を三浦にして事務所をあとにした。

― 昭和47年12月31日夜
「え?ほな来年から聡子がここの店主ちゅうこと?」
年末で帰省した直子が驚いて糸子に確認する。
「うん、そういうことやよって。一応、あんたらにも言うとくわ」
「そら、おめでとう聡子!」優子が聡子を祝福した。
「うん…」紅白歌合戦をみながら聡子は生返事を優子に返した。
「…ほな、もうウチの店も手伝うてくれへんようになるんか?」
「ほんな事もないで?別に代替わりちゅうてもそんな急に色々変えへんよって」
「ふーん、ほなええけど」
糸子の返答に直子は納得すると千代が立ち上がった。
「…あんたら、そろそろお蕎麦食べるか?」
「お母ちゃん?」糸子が心配そうに千代を見上げた。
「蕎麦はさっき食べたで」優子が千代に伝えた。
「…はれ?そうやったかいな…ほな、ええけどハハハ」
千代は気まずそうに座りなおした。
紅白歌合戦に釘付けだった聡子が口を開いた。
「けどなあ…うちなあ…ロンドン行こか思てねん」
「はあ?ロンドン?…旅行の話か?」直子が尋ねる。
「旅行やのうて…ロンドンに仕事しに行きたいんねん」
「…なんやて?」糸子の眉間にしわが寄った。
「…あんな、お母ちゃん…堪忍…ウチをロンドンに行かしてください!」
聡子は頭を下げた。
「…どういうこっちゃ?」
糸子は直子と優子の顔見るが直子と優子は何も知らないと答える。
「うん…誰にもよう相談せんかってんけどな。
うち岸和田おったら、一生姉ちゃんらの手伝い役で終わってまうと思うねん。
姉ちゃんらの売れ残りを送ってもうて、そんでどないか商売して
そんなんもええ加減、あかんて思うしな(笑)
せやさかい誰もいてへんお母ちゃんにも姉ちゃんらにも頼られへん…どっか別んとこで
一から1人でやりたいんや」

「なんでロンドン?」直子が質問をぶつけた。
「ウチ、ロンドン好きやさかい(笑)」
「ロンドンは日本語ちゃうんやで?みんな英語で喋んねんで?」優子が聡子に確認する。
「そんくらい分かってる(笑)」
「あんた、英語でけへんやん!」
「でけへんけど…どないかなるとおもう!(笑)」
「ならへんわ!!」優子と直子は同時に声を出した。
その後も聡子にロンドンなんか行かずに店を継ぐように説得する直子と優子。
「やめとき!行かしちゃろ」糸子が言った。
「あかんて!おかあちゃん、無理やて!」直子と優子が糸子に反論する。
「あんたら黙っとき!…この子はうちの店の子や。あんたらが口だす事ちゃう。
…あんたの好きにし。…ロンドン行き」
そういうと糸子はお茶を飲んだ。


【NHK カーネーション第124回 感想・レビュー】

玉枝さん、だいぶ長生きできてよかったです。
最後のシーンで朝日を浴びるシーン…若干、フランダースの犬のような感じでしたが、光が強すぎてシワが消えて、お年寄りにはまるで見えなくなってました。メイクが台無しで若返りすぎ(笑)
聡子がケーキを切るシーンで聡子がケーキを倒すのは、糸子に言われた『看板譲る話』について動揺したってことなのかな。いまいち、聡子は何を考えているか視聴者にもわからん。
そんな中、気になるのが千代の年越しソバのくだり…今まで数々の笑いを提供してくれた千代にも玉枝のような最後のシーンを用意してもらいたいものです。