カーネーション あらすじ 『宣言』 第135回(3月13日放送)

「ただいま!お母ちゃんは!?」
糸子の怪我を聞きつけた優子が走って帰ってきた。
オハラ洋装店のドアには『臨時休業』の貼紙が貼ってある。
「直子さんと浩ちゃんが病院へ迎えに行ってます」従業員の孝枝が答えた。
すると里香が帰って来る。
「里香…」
優子は久しぶりに見る娘に声をかけるが里香は無視して家の奥へ行ってしまう。

優子達が待っていると浩二におぶられて糸子と付き添いの直子が帰って来る。
「お母ちゃん…大丈夫かいな?」優子が立ち上がって糸子に声をかける。
「大した事あらへん(笑)」糸子は浩二におぶられながら返答した。

「…なんでこんな遅なったんや姉ちゃん、朝一番で来るんやったんちゃうん?」
横にいた直子が優子に詰め寄った。
「会社寄ったら遅なってしもたんや」
「はあ?何で寄るんよ、こんな時に?お母ちゃん、階段から落ちたんやで?」
「寄らなあかん用事があったんや。そんな言い方せんでええやろ?」
2人はいつものように言い合いをはじめてしまう。
「もう!ケンカしな!!」糸子は大声を出した。

― 糸子はそのまま浩二におぶられてリビングに置かれたベッドに運ばれた。
「浩ちゃんな、そのまま降ろしちゃって。ゆっくりやで?」直子が浩二に指示をだす。
浩二はおぶっていた糸子をベッドに降ろした。
「何やこのベッド?テーブルどないしたん?」糸子は直子に尋ねた。
直子は奥に片付けたと返答した。
今まで通り2階に布団を敷くように糸子は言うが足の骨を折っているので無理と優子は糸子をなだめた。

直子が朝一番に注文した介護用ベッドの説明をしていると孝枝が豪華な華を持ってくる。
「あの~お向かいの兄ちゃんが先生にて…エラい心配してくれてましたわ」
孝枝は花を糸子に手渡した。
「まあ。そら心配かけてしもて…」
すると糸子は花を里香に渡し、ベッドから降りようとする。
「ちょ!ちょっとお母ちゃん!どこ行くんよ!?」
「兄ちゃんとこ」
優子と直子達は必死に糸子を止めようとするが糸子は松葉杖を使って歩き出した。
「松葉杖で歩くん難しいさかいウロウロせんでええって!」
「ウチの好きにさせ!」
糸子はなれない松葉杖を使いながら店の玄関まで行く。

「兄ちゃん!心配かけたな!」
糸子は店の玄関を出ると向かいの金券屋で働く篠山真に礼を言った。
「大丈夫ですか?お大事にしてください。
「おおきにな。おおきに!」

>はあ…情けない
>年をとるちゅう事は当り前にでける筈の事がでけへん…その情けなさに耐える事
>しかも今でけてる事もこれから先どんどんでけんへんようになっていく
>その怖さに耐える事…たった1人で

>何でやろ?この家で色んなもんを生んで増やして育ててきたつもりやのに
>結局、ひとりになってしもた…

>どっかで何か間違えたんやろか…
>それともそもそも人間がそうゆうもんなんやろか?

糸子は写真が飾られている机にある北村の写真を見た。
>>ここで泣いたらアイツの思うつぼじょ…
「ウチは泣かへん!…泣かへんで!」
すると里香が布団を持って降りてきた。
「ママ達のイビキがうるさくて寝られない」
里香は糸子のベッドの横に布団を敷いた。
「おばあちゃん…私がいるから…ずっと」
里香の言葉に糸子は泣いてしまう。

― 翌朝、糸子は朝食を食べながらNHK朝の連続テレビ小説を観ていた。
>>朝のこんな時間にテレビ見るなんか初めてやで

「ウチら一旦東京に戻るよって、その前に話ええ?」
優子と直子が糸子の前にやってきた。
「これ見てる」
「…ウチら出んとあかんねん。昼の再放送みたらええやろ?」
直子に言われて糸子は仕方なくテレビを消した。
「あんなお母ちゃん…」
優子が喋りだそうとすると里香が椅子をもって部屋にやってくる。
そのまま里香は座るが優子は構わず話を切り出した。
「昨日の夜、聡子と電話して直子とも話したんや…せやさかい、これは三人の意見や思て聞いて欲しい。…もうそろそろ引退してゆっくりしたらどうやろ?」
「何ィ?」
「ウチらもお母ちゃんのやりたいようにちゅうて今日まで思てたけど…やっぱし70超えてそないガツガツ仕事するんは体にエエ事ないで?」と直子。

「今更何言うてんや!ウチが仕事辞めたら誰がアンタらの手伝いすんや!?」
「ああ(笑)…この際やから言うけどアレはウチらがあえてやってたことや」
優子は笑顔で言った。
「何?」
「お母ちゃんの仕事好きなの知ってるよってお母ちゃんの負担になりすぎへんようなことをちょっとずつ頼む様にしてきたんやし」
「自分らのためちゃう!…お母ちゃんの為や」
「せやけど、あんな仕事、ホンマはどないでもなんねん。何も心配せんでええ。
お母ちゃんさえその気になってくれたらウチらは東京に迎える準備もあるんや」
優子が穏やかな口調で糸子に言った。
「正直な、うちらもその方が助かる。お母ちゃんに岸和田に1人で居てられたかてその方が心配や。なんかあったらその度仕事ほっぽって岸和田に帰ってこなあかんねん」
「頼むさかい、ホンマによう考えてみてもらえへんやろか?」

「…帰れ。帰れ!あんたらさっさと!」糸子は声を荒げた。
すると里香がおはじきが入った籠を持ってくる。
糸子は籠を里香から受け取るとおはじきを2人に投げつけた。
「帰り!帰り!東京帰り!さっさと!!」
優子と直子は小言を言いながら部屋を出て行った。
糸子は再びテレビのスイッチを入れる

>>ほんでも確かに今のウチは自分で投げたおじゃみも自分でよう拾わん
里香が床に散らかったおはじきを拾い始め、糸子に笑顔を見せる。
糸子は里香に声をかける。
「そんな事せんでええ…こんなとこ居てんでええ…アンタは東京帰りや。早う」
>>ウチは立ち上がらなあかん。


【NHK カーネーション第135回 感想・レビュー】

いやいや面白かったです。
里香の存在がここに来て良い感じになってると思いました。
糸子が怒り出すとスクッと立ち上がって黙って“おはじき”が入った籠を持ってくるところ、何気に気がつく子です。
前日に「私がいるから」って…ちょっと泣けた。
里香も優子と直子が糸子に残酷な事を言っているのが解って心の中で『帰れ』って思ったと思う。やれば出来る子(笑)
優子と直子の台詞に怒りで肩を震わせる糸子と冷静におはじきをもってくる孫のコンビ愛。
里香にはこのまま岸和田に残ってもらいたい。
それにしても…金券屋の兄ちゃんは、一体…。