カーネーション あらすじ 『宣言』 第139回(3月17日放送)

― 昭和61年7月20日、オハライトコブランド発表会が開催される。
会場は大勢の人で埋め尽くされ、糸子は挨拶や写真撮影に大忙しだった。
>ブランド発表会当日は朝から晩までてんやわんやでした
ステージに糸子がシャンパングラスを持って現れると拍手が起こった。
「皆さん、今日はホンマにありがとうございました。
おかげさまでブランド発表会、大盛況のうちに終わらせる事ができました。
ささやかな用意しかありませんけどもどうぞ楽しんでいってください。ほな…乾杯!」
糸子はグラスを掲げて乾杯の挨拶をした。

― パーティ会場のあちこちで歓談が行われている中、優子は里香に声をかけた。
優子は手にしていたオレンジジュースが入ったグラスを渡す。
「…私…帰るよ。帰って…高校行きます」
里香は優子から渡されたジュースを飲むと優子に告げた。
「…そう」優子は嬉しさに涙がこみあげてしまう。
遠くの糸子をみる里香の目にも涙が溢れていた。

「なんやアンタら…もうへたってんけ?」
糸子はパーティ会場の隅でぐったりと座る三人に声をかけた。
「あ、先生…疲れましたわ…へとへとですわ~」栄之助が言った。
「ごくろうさんやったな」
「けど先生、いけましたよ!ひとまず成功です!お客さんの数、報道陣の数見たでしょ?
明日の朝刊にバーンと載りますよ!他のよっぽど大きなネタに押されない限り!」
「うーん」糸子は高山守に言われ満足そうな顔で会場を見た。
>ちゅうて守が言う頼ってドキドキしながら翌朝の朝刊を開きました
『中村冬蔵、人間国宝に』という記事に押されて糸子の記事は小さくなっていた。
「ああ~くっそー!!!春太郎ー!!!」
糸子は悔しいあまりに大声で叫ぶのだった。
>そんでもおかげさんでブランド/オハライトコは快調な滑り出しで
>店にも新しいお客さんがどんどんきてくれるようになりました

糸子の店が大にぎわい。糸子は客の対応に追われていると浩二が話しかけてくる。
「…先生、ほなそろそろ、里香ちゃん送って来ます」

「行くか?」
リビングに座わる里香に糸子は声をかけると里香は無言で頷いた。
「…悪いけどウチは見送り行かんよってな…忙しいさかい。
駅で浩ちゃんにおべんとう買うてもらい…東京駅は優子が迎えに来んやろ?」
「うん…」
「気ぃ付けてや!優子によろしゅういうといて。ほなな!」
糸子が足早に店に戻ろうとするのを里香が呼び止めた。
「おばあちゃん!…ありがとう…ございました」里香は糸子に向かって頭を下げた。
「…また来ます」
「うん…ほなな!」
里香は店に戻って行った糸子にもう一度頭を下げた。

― その夜、糸子は一人で夕食をリビングで食べていた。
「ごちそうさん…テレビでも見よけ」
糸子はテレビのスイッチを入れると電話が鳴った。
「もしもし、オハラ洋装店です…里香か?今、どこや?東京か?」
「今、東京駅。…あのさ、おばあちゃん…私、九月のだんじり行くから!」
「うん、わかった。ハハハハ(笑)」
糸子は受話器を置いて席に戻った
>東京へ…帰ってしもたから、なんや…あっちへ行ってしもたから、なんや…
>寂しいんはウチがほんなけ相手をすきなせいやないか

「ウチの人生…もう好きな人だらけで困るちゅうことやないか!ああ~結構な話や(笑)」
糸子は涙を浮かべながら笑うと北村の写真と目が合ってしまう。
「…いや!アンタの事ちゃうんや!!」北村の写真に向かって糸子は言った。
すると、向かいの金券屋を営む篠山真が糸子を訪ねてくる。
「すんません、たいやき食べますか?」篠山は持っていた箱を糸子に見せた。
「たい焼き?食べる食べる!(嬉)」
「さっきお客にもろたんやけど、僕、こんな食べきれへんし…」
「おおきに。…そや、あんた御飯食べたか?」
そして篠山は糸子に家に招かれ、たい焼きを食べる糸子の隣で晩御飯(イワシの煮物)をご馳走になるのだった。

― 昭和61年9月14日
>今年もちゃんとやってきました。祭りです
糸子の台所では糸子、優子、直子が慌ただしく用意をしていた。
「おはよう」髪の毛を黒くそめた里香がリビングに姿を表す
「あれ、あんたええの着てるやん」直子が里香の服装を褒めた。
「うん、聡子オバちゃんが送ってくれたの」
「この頃の子はシュッとしてるよってこんなんよう似合うでな~」糸子が感心する。
「…あんたな、聡子のばっかし着んとママのも着ぃよ?」
「ママのは嫌だ。聡ちゃんのセンスの方が好き」

― 糸子達は、家の中からだんじりが駆け抜けていくのを掛け声をかけながら眺めた。
「…里香、どうしたの?」だんじりが通り過ぎても呆けてる里香に姉の里恵が聞いた。
「こんな格好良かったっけ…怖いだけかと思ってた…こんな格好良かったんだ」
― その後、糸子の家に客たちが集まり家の中は賑やかになっていた。
そんな中、優子に氷の買出しを頼まれた里香が表に出ると半被を着た神山と出会う。
里香は何も言わず店に戻り、慌てて手鏡で髪の毛を整えるのだった。

「あんたらのおかげやな」糸子は譲達にブランド立上げの礼を述べた。
「いや~そんなん先生に言われたら嬉しいわ~」
「アホやからこそ思いつく新しいことがあったちゅうことですね?」
「調子に乗ったらアカンで?
土台がアホやねんから油断しとったらすぐアカンようになるで」


【NHK カーネーション第138回 感想・レビュー】

里香が居なくなって写真を見ながら『寂しい=相手の事がそれだけ好き』と糸子が目に涙を浮かべながら笑う所がジ~ンってきました。
あんなに部屋を暗くしたら余計寂しいだろうな~とか思ったりもしますが…
その里香は東京に着いて律儀に糸子に電話で報告をするあたり、いい子になったな~という感じがします。「9月のだんじりに見に行くから」というメッセージも糸子が里香が来てすぐに言った9月まで岸和田に残れというセリフと対になっていて、少し感動しました。
一番感動したのは意外なタイミングで春太郎が出てきたシーン、久しぶりに笑えました。
さすが春太郎。あとCG技術凄すぎ!